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ルカリオ兄達が走り去った闘技場の後をその場にメイドのカトレアさんと総隊長が残っていた。
カトレアさんは流していた涙を拭き取り総隊長に声を掛けていた
「……総隊長様わたくしは屋敷に戻ります総隊長様はどうなさいますか?」
「……ああ、私も後から行く……聞いても良いか?…本当にユリウスが亡くなった…のか…」
総隊長は手に持っ木刀をギュッと握り締めカトレアさんに問いかけていた。
「……はい…カイト坊っちゃまが旦那様を抱き抱えて御戻りに成りまして旦那様は今夜は屋敷で御過ごし、明日夜明け前に城からの馬車で旦那様を乗せますとの事で…明日城で旦那様の葬儀が行われますとの事を御伺っております……」
カトレアさんは涙声で総隊長に話しを終えると礼をした後屋敷に戻って行った。
闘技場で残った総隊長は近くに落ちている二つの木刀を拾い上げ両手に持っ木刀を握り締め手の震えが止まらなかった。
「まさか…まさか…アイツに限ってその様な事は……」
総隊長はその場から動けずユリウスの死を未だに認める事が出来なかった。
総隊長は木刀を闘技場内の小屋に入り木刀を直した後長椅子に腰を落とし前屈みに成り暫く動けず俯せっていた…そして総隊長はフッとルカリオ兄達が話しをしていたユリウスの声で話しをする妖精を思い出していた。
「……ユリウス…側に居ないか……?」
総隊長は前屈みに成っていた体を起こしユリウスが死に魂と成って居るのならと思い総隊長は姿が見え無いユリウスに問いかけていた。
すると長椅子に座っていた総隊長の隣から気配を感じ総隊長は話し掛けていた。
「ユリウス……隣に座っているのか?」
「……はい…総隊長……」
「!!……ユリウス…」
総隊長は隣に顔を向けクシャ…と顔が涙で溢れ姿が見え無いユリウスの前で泣き崩れた。
「…何をやって居るんだお前は……通り魔ごときにナイフ等簡単に交わせる事が出来ただろう…剣の達人が…こんな事で…何をやって居るんだ……馬鹿者が!!」
「……すみません総隊長」
「姿が見え無いお前に言っても意味がない、今すぐ暢気に寝ている体に戻り私の前で謝れ」
「酷い言われ様ですが…総隊長の泣く姿初めて見ました」
「お前に見せたくて泣いて居るのではない、早く体に戻れ」
「…無理言わないで下さい総隊長…私も戻りたいです。それが出来ない為今魂だけでも皆に…家族に会いたいと思いこの場に居るのです。本来は生きた人間と死んだ人間は会話をする事が出来ないのですが神様が特別に話しが出来る様にして貰って居るのです」
「…子供達に話し掛けたのはお前か!?」
「はい…魂だけ先に子供達の側に来てしまった為いつもの子供達の会話が懐かしく声を掛けましたが…怖がり逃げてしまった事にショックを受けました」
はぁ…と姿が見え無いユリウスだが落ち込む姿は見えなくても総隊長は分かっていた。
「通り魔の話しは本当なのか?」
「……」
ユリウスは王様がルィーズ夫人が殺めた事をふせ通り魔の仕業として話しに成っている事にユリウスは王様に辛い頼み事をしてしまった事に胸を痛めそして感謝をしていた。











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