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医師からの検証を終えた王様が俺達の側へ歩いて来くるのが見えた。
「ブランシェ侯爵の容体を見て医師が驚いていた。腹部を刺した筈の傷が消え見た限り亡くなっている事が不思議だと医師が言っていた」
王様は俺達に医師からの検証を伝えた後ユリーナ母さんと2人で話しをしたいと言った後少し離れた場所で王様と話しをする事になった。
「ユリーナ殿ブランシェ侯爵の葬儀は明日城で執り行いたいと思ってはおるが…良いか?」
「王様の意思にお任せ致します」
「うむ…ブランシェ侯爵の女性問題の事だがカイトにも先ほど伝えたが、大臣達とシルビアには伏せて置くことにしたブランシェ侯爵は騎士として優秀であり人柄も良かったその事もあり今回の件を通り魔が起こしたとして事を済ませたいのだが……」
「……真実を告げられないので御座いますか?」
「…ホルン伯爵夫人の事はブランシェ侯爵の最後の願いでもあったのだ……ユリーナ殿には納得が行かないと思う気持ちも分かるもしこのままホルン伯爵夫人の殺害だと分かると大臣達からのブランシェ侯爵との関係を探り入れ批判の声をあびる事になり、ユリーナ殿や子供達に世間対にも関わる事になる、その事を考え私はホルン伯爵夫人を修道院に送る事にしたのだ……ホルン伯爵夫人は死ぬまでブランシェ侯爵との罪を償わせる積もりだ」
「……」
ユリーナ母さんは黙って王様の話しを聞いた後話し出した
「……王様私をルィーズ伯爵夫人の元へ連れて行って貰えますか?」
「…ああ、構わぬが……余り感情的に成るのでは無いぞ…」
「御心配は及びません彼女に御伝えしたい事があるだけで御座います」
「そうか、それなら良いが…」
王様はユリーナ母さんを連れルィーズ夫人の元へ歩き出していた
ルィーズ夫人はまだその場から離れず泣き崩れていた。
ユリーナ母さんは彼女の前に立ち止まると彼女の名前を呼んだ
「ルィーズ・ホルン伯爵夫人」
ルィーズ夫人は涙を流し自分の名前を呼ぶ声に顔を上げそしてルィーズ夫人はユリーナ母さんが目の前で見下ろしながら立っている姿に驚き震えていた
「立って下さらない?ルィーズ伯爵夫人」
ユリーナ母さんはルィーズ夫人に立っ事を御願いをしルィーズ夫人は涙を手で拭き取りユリーナ母さんの前に立ちそしてユリーナ母さんはルィーズ夫人の頬を2回叩きルィーズ夫人は立っていた体が傾き倒れそうになった
バシッバシッ!と平手で叩きルィーズ夫人は声を出した
「ひいっ…!申し訳御座いません、申し訳御座いません…奥様……」
ルィーズ夫人は髪が乱れ綺麗な顔も涙でグシャグシャになり苦痛の表情を見せるだけだった
「許しませんわ旦那様が許しても私は貴女の事は許しません私の家族を貴女が奪ったのです。ホルン伯爵が泣きますわよ貴女の今までの事を見て要らしたのですから…」
ルィーズ夫人は体を震わせユリーナ母さんの顔を見ることも出来ずただ泣き崩れるだけだった








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