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俺は空を見上げ泣き叫んだ後ユリウスの顔を見た
俺がユリウスの頬を叩いた跡が赤から青く痣の様になっていくのが分かり本当にユリウスは亡くなったのだと思った
俺はそっとユリウスの頬に手で触り何度この顔に叩いたのだろうかと、フッ…と思わず笑みを浮かべ今までの事を思い出していた
「…綺麗な顔が台無しだよ、世話のやける父様だな……俺が治してやるか」
ユリウスの青くなった痣を俺は頬に手をあて治癒能力を使い元の綺麗な顔になり本当に死んでいる事が嘘の様で微笑んで眠る姿は良い夢でも見ているかのように俺の側で眠るユリウスに何度も頬を触り続けた。
俺を見ていた王様はユリウスの遺体の話しを始めていた
「……カイト…ブランシェ侯爵の葬儀の事だが城で葬儀を行いたいと思うが騎士として務め大臣達とシルビアには女性問題の事は伏せる事にするつもりだ…ブランシェ侯爵の最後は通り魔から女性を救った事にしたい……最後までホルン伯爵夫人を気に掛けて亡くなったのだ…ブランシェ侯爵との約束でもある…そなた達家族には辛い事でもあるが…」
「……父様らしいですね…自分を刺して殺した女なのに……最後まで女に甘いんだよ……どうしょうも無い父親だよ」
俺は最後までルィーズ夫人を気にしていたユリウスの頬を叩いてやった。
「……彼女には罰は無いのですか?この事を知っています母様は納得行かないでしょう…」
「…ホルン伯爵夫人には修道院に行き罪を償わせる積もりではいる……ユリーナ殿には私から話しをする事にしょう」
「……王様御願いが有ります…ユリウスを屋敷に連れて帰っても良いですか?ずっと帰りたがって居ましたから…家族皆で迎えたいのです」
「ああ、反対はしない家族と一緒に過ごすと良いだろう」
「有難う御座いますユリウスも喜んでいます」
俺はユリウスの頭を撫で家族の元へ帰る報告をした。
『良かったなユリウス子供達に会えるぞ屋敷を離れまだ数日しか経って居ないのにな……もう何年もお前が帰っていないような気がするよ…』
王様は俺の側を離れ護衛騎士のアノルドさんとルィーズ夫人の側へ歩き出していた
「王様カイト様の御様子がおかしいので……まさかブランシェ侯爵が……もうすぐ医師が来ると思いますので…」
「……もう医師は必要無いが…検証を御願いするだけだ……」
「それは……」
「先ほどブランシェ侯爵が息を引き取った」
「「!!」」
ルィーズ夫人は顔が真っ青になりガタガタと体が震え目から涙が流れ落ち手で口を押さえ声をころして泣く事しか出来なかった
「……う…うう……っ…」
ユリウスを刺した後自分も死ぬ積もりではいた。
だがアノルドさんから短剣を払いのけられてしまった。
「最後までホルン伯爵夫人の事を気遣い自分のせいだと言い罰を与えないように言っておった……」
「……ううっ…ユリウス様……ユリウス様……」
ルィーズ夫人は泣き続けユリウスの名前を何度も呼んでいた
「ルィーズ・ホルン伯爵夫人そなたには修道院に入って貰う、そしてブランシェ侯爵とホルン伯爵に罪を償って貰う…良いな」
ルィーズ夫人は王様に返す声も出ずただ泣き続けるだけだった。






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