転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

８７

俺達が広場に着くと王様の側にいたもう１人の護衛騎士が俺達に気付き遠くでも分かる程王様とユリーナ母さんがベンチで一緒に座っている姿が見え護衛騎士が王様の元へ走って行く姿を見ていた。
俺はこれからユリウスがどうなるのか分からない不安と恐怖が襲い俺はギュッとユリウスの騎士服に顔を埋めた騎士服からの香水の匂いが消え緑の草木の匂いが騎士服からしていた。
俺を抱く時に騎士服を脱ぎ地面の草の上に騎士服を置いた為シルビア王女の匂いが消えた様だった。
俺を置いて女の元へ走った父親だがカイトにとっては大事な家族何だ…このままユリウスとは会えなくなるのかと思う恐怖が襲いかかった。
俺が顔を騎士服に埋めた事に気付いたユリウスがギュッと俺を抱き締めて居るのが分かった。
「そんなに顔を埋めて香水臭くないかい？」
「……香水の匂いが消えて草の匂いがするよ…でも僕はいつも抱き上げてくれた時に匂う石鹸の匂いが好きだったな……」
俺は埋めていた顔にボロボロと涙目でニコッと笑い父親のユリウスとは一年間一緒に過ごした日々での抱き上げてくれた石鹸の薫りが俺は一番好きだった。
ユリウスは俺の涙を流した頬にキスをして微笑み返していた
「今度カイトに会う時は石鹸の匂いをプンプンさせて会う事にしょうかな」
ニコッと笑い俺に不安感を持たせない様に俺を見た後真っ直ぐ俺達の方へ向かう王様とユリーナ母さんを見ていた。
俺達の後ろにいた護衛騎士のアノルドさんが王様の前に行き報告をしていた。
「王様只今戻りました。御時間がかかり申し訳御座いません」
アノルドさんが王様に礼をして王様はユリーナ母さんから聞いた貴婦人の女性の姿に目をやった。
「……そこで一緒にいる貴婦人は誰かな…」
王様はユリーナ母さんから名前は聞いてはいたが確認の為聞く事にした。
王様の問いかけにビクッと体が震え顔が真っ青になっていたルィーズ夫人は何も言えず下を向く事が精一杯だった。
「…王様わたくしが御話しを申しても宜しいでしょうか？」
アノルドさんが王様に自分が話しをする許可を貰っていた。
「……ああ、許そう…何故あの貴婦人と一緒にこの場所に連れて来たのかが知りたい…」
王様はアノルドさんに話しをした後俺を抱っこしているユリウス父さんの顔を見ていた。王様は知っている！と思った時ユリウスはゆっくりと抱いていた俺の体を降ろした。
「こちらの貴婦人ですが、昨年御亡くなりに成りましたホルン伯爵の御婦人、ルィーズ・ホルン伯爵夫人で御座います。昨年から御会いしておりましたブランシェ侯爵の貴婦人の方々の御一人で御座いますがこんにちまでブランシェ侯爵と御会いしておりました御婦人だと思われます。
わたくしがカイト様を御迎えに伺いました所森の巣と呼ばれます入り口付近でお二方を見掛けまして、接触と接吻の目撃を致しましたので御婦人の御同行を願ったので御座います」
「な…！？接触と接吻！？……とな…」
「！！」
王様とユリーナ母さんは驚き、特にユリーナ母さんはまさか今日ルィーズ夫人に会うとは思わず震える体を押える事がやっとの思いだった。
「……その前に森の巣の奥先に湧き水場所と呼ばれます飲み水場が御座いますが、その場所でブランシェ侯爵とホルン伯爵夫人は接触なさいましたと思われます…湧き水場での事は此方の３人の騎士達が今日非番の為に湧き水場所に訪れておりましたその目撃を見ておりました。」
アノルドさんがアドルフさん達３人の名前を出され３人は王様の前に行き騎士服を着ては居ない為王様は礼はしなくて良いとの事で話しを聞く事に成った。