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「……カイト…」
俺は黙ったままユリウスに抱っこされユリウスは何も話さない俺を逆に心配している感じと気まずさがあるのかユリウスは俺の体をギュッと抱き締めたり頬にキスをしたりと俺を自分の方へ向ける事で必死になっているようだった。
そんな俺とユリウスを見ていたコップ売りのおばさんが俺を抱っこしたいとユリウスにお願いしていた。
「ちょっとカイトちゃんを抱かせて貰っても良いかい?」
俺はえ?と思ったがユリウスが「はい」と応えた為抱っこしていた俺をおばさんに抱かせていた。
「ふふっ可愛いねカイトちゃんは何歳に成ったの?」
「……3歳です…」
「お父さんとお母さんは好き?」
「えっ……」
俺はおばさんがユリウスとこの場所で会っているルィーズと言う女性の事を聞いて居るのかと戸惑っていた。
ユリウスもおばさんの問いかけにただ黙って俺の顔を見て少し目を反らして居るようにも見えた。
「…ごめんなさいね私が余計な事を話しをしてしまって、カイトちゃん心配しなくても良いんだよお父さんはちゃんと他の人には断っているからね、お母さんだけを見ているから安心するんだよ」
「……はい…」
俺はコップ売りのおばさんにこれ以上心配掛ける事が出来ないと思いそのまま返事をした。
「……」
「ほらっ、ボーっと立ってないで水を汲んでおいでカイトちゃんは見てあげるよ」
「あ…有難うおばさんお願いします……」
ユリウスは俺が何も言わないまま気になり湧き水の所へ向かった
俺はジッ…とユリウスの後ろ姿を見ていた。
「おばちゃんコップ2つ下さい」
若い女性2人がコップを買いにおばさんの所へやって来てコップを買っていた。
「あれ?おばちゃんのお孫さんなの?可愛い~っ」
「私に似て可愛いだろう?」
「ええっ、おばちゃんに似てないよーっ、キャハハ…」
女性2人が俺の小さな手を触りまくり俺とおばさんに手を振って湧き水の方へ歩いて行った。
「ホホホ、カイトちゃんのおばあちゃんになったね、このまま私の孫に成るかいハハハ…」
おばさんの膝の上に乗っている俺の頭を撫でて笑っていると若い2人の男性が立っていた。
「こんにちは、おばさんコップ3つ下さい」
「あら、久しぶりだねおや?もう一人は何処だい?」
「あ…テーブルに座っているよ今酔いが覚めてダウンしているんだそれで湧き水を貰おうと思って…」
連れの男性がダウンしている場所を見ると四人席の様なテーブルの椅子に座り頭を手で押さえている男性がテーブルに1人座っていた。
「どうしたんだい?彼女にでも振られたのかい?」
「ハハハ違いますよ成人を迎えたので初めてのお酒でダウンしてしまったんですよ」
「そうかい?あんた達もお酒無理に飲むんじゃないよ」
「有難うおばさん、バイバイ坊や」
俺に手を振ると2人の男性は湧き水の場所へ向かって行った。
「カイトちゃんもお酒には無理するんじゃないよ」
「え?……僕にはまだ早いよ…」
「あらっ、そうだったねハハハ」
コップ売りのおばさんは笑いながら俺の頭を撫でて良く笑うと人だなと俺まで笑って仕舞いそうになる。
おばさんの笑い声に気付いたのかさっきの男性2人の連れでテーブルで両肘を立て頭を触っていた男性が俺とおばさんの方を向きおばさんが彼に気付くと手を振っていた。
男性はそれを見て頭を軽く下げ苦笑いの挨拶を交わしていた
「ほら、カイトちゃんも一緒に手を振ってごらん」
「え?……」
俺は知らない人に手を振るのはちょっと…と思いおばさんが一緒にと言った為手を振っていた。
男性は俺も手を振っている事に驚いた顔を見せていたが困ったような笑顔で手を振ってくれた。
男性はテーブルから立ち上がると俺とおばさんの側にやって来て挨拶をしてくれた。
「こんにちは…おばさん…と初めまして坊や…」
顔が真っ青な感じで具合いが悪い事が分かり無理に笑顔を作っているのが分かった。
「動いて大丈夫なのかい?何でまたそんなに成るまで飲んだんだい?」
「え……まさかこんなに成るとは俺も思っていなくて最初はグイグイと飲めたけど…後から気分が悪くなってこのざまだよ……」
声にも成らない笑い方をして俺の頭を触りおばさんに聞いていた
「…珍しい目の色をしているね…初めて見たよ混ざり合う瞳の色は…おばさんの子供……じゃなく孫なの?」
「何で言い直すんだい?今度来た時はコップ料金を高くするからね」
「ええっ…イタタ…それないよおばさん」
男性は頭を押さえ笑っていた。








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