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「おばさん、子供の前で言わなくても…カイトは賢いから何でも分かって仕舞うんだ」
「おや、そうなのかい?名前はカイトちゃんと言うんだね…じゃあ、おばさんが幾つかお父さんの話しをしてみようかね…おばさんが知っているお父さんは良く女性から声を掛けられていてね、そんなお父さんの姿を良く見るよ…そうそうこれは驚いたね身分の高い貴婦人がねお父さんと一緒に来た時は中々側から離れずいっもお父さんにくっついていたね、それに何回も口付けを交わしている姿を見たよお父さんは別に嫌な顔はしていなかったねあの時は聞けなかったからあの貴婦人は後妻だったのかい?」
おばさんは面白がって話してくれたのか、俺の反応を見て見たいだけなのかユリウスの事をおばさんは良く見ていると思い俺はユリウス父さんの頭を小さな手でポカポカと叩き頬をつねって引っ張り叩いた。
「痛い、痛い、カイトごめん、父様が悪かったからだから止めて……おばさんカイトにそんな話をしないで」
「おやおや、あんたが言っていた事は本当だったんだねホホホ…お詫びにコップをあげるよ水を飲みに来たんだろう」
コップ売りのおばさんはユリウスに子供用の小さいコップと普通のコップをユリウスに渡していた。
「…有難うおばさん、今日はここへ来る予定ではなかったんだよ」
「そうみたいだね、あんたのその騎士服を見ると仕事の途中だったんだね…子供さんをあんたに預けて奥さんは何処なんだい?」
「えっ、あ…水飲みには息子と2人で来たんだ」
ユリウスはおばさんから「奥さんは?」と聞かれて戸惑う姿が良く分かった……
「…あっ、そうそうルィーズさんだったねあんたの奥さんの名前いっもあんた達2人がこの水飲み場に来ると真っ先に私の所へ挨拶をしてくれるから嬉しいよ夫婦仲が良いからね…カイトちゃんお父さんとお母さんはあの奥の小さなテーブルにいっも座るんだよそのテーブルで笑って話しをしている姿がおばさんは好きでね…口付けをする姿も好きだけど余りこの場所で見せ無い方が良いと思うよ数週間前に来た時その場面を見ていた女の子が泣いて出ていった子が居たからね…密かにあんたが好きだと言う子が居るから例え夫婦でもこの場所で口付けはしない方が良いかもしれないよ」
「……」
「……」
コップ売りのおばさんはニコニコと笑顔で話し俺は声がでずに固まって俺が知らない女性の名前で「お母さん」と言われ一瞬俺には2人も母親が居るのか?と思って仕舞うほどユリウスはそのルィーズと言う女性をおばさんには「奥さん」と呼んで居るのだろうかと思ってしまった。
「……カイト……」
ユリウスは何も聞かない話さないカイトを見て困った顔を見せていた。







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