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「ユリウス様?」
散歩道の通りで1人の女性がユリウス父さんに声を掛けていた。
ユリーナ母さんは女性がユリウス父さんの名前を呼ぶ声に気付き歩いていた足を止めまだその場から座り込み動かないユリウス父さんとその横を見下ろして見ている1人の貴婦人がいた。
「やっぱりユリウス様でしたのね、どうしたのですか?こんな道で座り込みまして…もしかして気分が悪いのですの?」
貴婦人はユリウス父さんに手を差し伸べていたがユリウス父さんは断り自分で立ち上がり貴婦人に礼を言っていた。
「…有難う……何でも無いんだ…」
ユリウス父さんに声を掛けた貴婦人は昨年関係を持った貴婦人の1人だった。
「今御仕事で御座いますの?ユリウス様」
「……ああっ、見回りの途中何だ…貴女はどうしてここに?」
「ふふっ……散歩で御座います…ユリウス様御聞きしましたわ奥様と別れてシルビア様と御結婚なさいますと…」
「……何故その事を……」
「貴族中が知っておりますわ…ユリウス様も悪い御方ですわね……わたくしだけと思っておりましたのに他の貴婦人とも関係を持たれるなんて…わたくし奥様と別れたと聞きましてわたくし達の事で別れたのだと思いましたわ」
「……」
ユリウス父さんは今この場でユリーナ母さんが居ない事に安堵していた。
「シルビア様も御可哀想な御方ですわね…わたくし達とユリウス様の事を知りませんもの」
「……それは昨年の事でもう貴女方とは会っては居ない」
「あら…御一人まだ御会いしている貴婦人がいらっしゃいますでしょう?狡いですわ…わたくしには一度きりと申されて他の貴婦人とまだ御会いしているでしょう?わたくしも会いたいと申しましたのに御断りをするなんて…わたくしには満足なさらなかったのですか?ユリウス様」
「……っ、」
貴婦人はユリウス父さんに寄り添い顔をユリウス父さんの胸に埋めた。
「あら!どなたの香水ですの?騎士服に匂いを着けまして…今思えば奥様も御可哀想な御方ですわね、今でも貴婦人の御方と御会いしていますユリウス様を知らずに別れる事に成ってしまったんですもの……わたくしもまたユリウス様に愛されたいですわ」
「ま、待ってくれ私は貴婦人と会っては……」
ユリウス父さんは自分の胸に顔を埋めて抱き締めている貴婦人を退かそうとした。
「……嘘はいけませんわユリウス様、御二人が御会いしている所を見たと言う方がおりましたのよ」
「その御話しを御聞きしても宜しいかしら」
ユリウス父さんと貴婦人の側にユリーナ母さんが立っていた。









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