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ポカポカと暖かい外で白いテーブルに椅子に腰掛け景色を眺めている訳でもなくジッ…と下を見つめる王様の姿が合った…
俺は3歳のカイトの姿ではなく黒髪の快斗の姿で王様の所まで歩いている。今日王様が突然ブランシェ家を訪れユリーナ母さんの両親に会い話を聞いた王様の様子が何処か沈んでいるように思い俺は話し相手に成ればと黒髪の快斗で接することにした。
俺の姿を見て色々言われるかも知れないがその時は考えれば良いと思い王様の側まで歩いている…
俺はテーブルの側で座っている王様の前に来たが、俺がいる事も気付かない様子でボーっとしている様だ
「……王様昼食を御持ちしました…」
「…ん、あ…ああ?有難う…済まない昼食まで……」
王様は俺が声を掛けた事に気付き御礼を言おうと顔を上げ俺の姿に驚いていた。
黒髪はこの国で珍しい事なのか?そんな黒髪の家系を持っブランシェ家は凄いのだろうか…と、まだ俺の顔を目を見開いて見ている王様がいる
「…王様テーブルに並べても良いですか?」
「え?あ、ああ……頼む……」
俺は持ってきたサンドイッチと紅茶の飲み物とカップを取り出していた…その様子を真正面からジロジロと見られているからやりにくい…俺が並べていると王様が聞いて来た…
「……カイトか!?」
カチャン…!とカップとお皿で思わず手元が動揺していた。
「……何故分かったのですか?」
「…フッ……その黒髪に黒い瞳を見ればブランシェ家の血筋だと分かる……やっと私の前に来てくれたな…」
王様はニコッと笑い俺の顔を見続けていた。
「それにしても容姿が何と言うか…女が寄ってくるのが目に浮かぶな…その姿で何人の女と寝たのだ?」
バシャッ!とカップに紅茶を注ぐ時に王様が変な事を聞いた為手元が狂い紅茶がこぼれ白いテーブルが赤茶色に染みた
「お、王様変な事聞かないでください!紅茶が溢れてしまったではないですか…あーもう…」
俺は王様相手に思わず普通の話し方になってしまったようで俺の反応を見て面白がっているように見えた。
「何を動揺しているのだ?男同士の話だ気になる者の相手の事を聞きたい事は普通だろう…ああ、そうか、カイトは3歳児だったなそのような関係は無いかな?」
クスクスと笑う王様に俺は無視することにして紅茶で濡れたテーブルを拭いていた。
「…フッ、怒ったのか?悪かったなどんな反応をするのか見てみたくなってな…」
「趣味悪いです…」
俺はボソッと呟き王様は俺が言った事に気付いたのか笑っていたさっきまでボーとしていた王様とは別人のようで、城で会った時の王様に見えていた。
王様が椅子に座ることを俺に進めた為王様の目の前に座り俺が用意をしたサンドイッチを手にした。
「珍しい食べ物だな何処で売って居るのだ?城下町かそれともブランシェ家だけの食べ物なのか?」
王様は玉子焼きをはさんだサンドイッチを食べて聞いていた。
「私が作ったサンドイッチと言います」
「!?何?カイトそなたこんな食べ物を自分で作ったのか?」
「はい、簡単ですよパンに具を挟むだけです。色んな具を試すのも良いですよ」
俺は王様がサンドイッチで驚いている姿を見て子供のような驚いた顔をするもので思わず笑ってしまった。
「プッ…!」
「何だカイト笑う事無いだろう?」
王様が恥ずかしいのか初めて見せる頬を赤く染めている姿が普通の人のように思い会話を楽しんだ。
「ふー旨かったぞ、カイト。しかし驚いたそなた料理も出来るのだな…これも黒髪として生まれた魔力の暴走のせいなのか?」
「…さぁそれは分かりません、料理と言っても簡単に作った物です。お城で朝食としても食べる事は出来ます」
俺はニコッと笑い朝ごはんでアイツが食べる事が出来たら良いなと思っていた
「……カイト」
「はい?」
俺は顔を上げ王様の声のする方へ見た…いつの間にか王様は俺が座っている椅子の側で立っていた。
「うおっ!?ビックリした……あっ、スミマセン…王様失礼な言葉を……」
俺はいきなり隣で立っている王様が居たため普通に驚き目上の対応を忘れていた。
「……フッ、気にするな私は普通に話をしてくれるカイトが良いのだ」
俺と話し終えた王様が椅子に座っている俺の顔に王様の唇が俺の唇と重なり俺は驚いた。
「んん!?」
カタン!と椅子が動き俺は王様から覆い被さる感じで体が動けず顔だけ上を向き王様の重なり合う唇に動けないでいた。








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