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「結婚しょう……ユリーナ…分かっている君がまだユリウス侯爵の事を想っている事を……長年彼だけを想い続け愛していたんだ忘れろとは言わない、だが私の事も少しは考えて欲しい…と…」
「……スティーブン御兄様…」
ユリーナ母さんは突然のスティーブン伯爵の結婚申し込みに戸惑っていた。
「君が落ち着くまで告白はしないつもりでいた……だが、この城に続く道を見てユリウス侯爵を想い涙する君を見ていると胸が苦しくて言ってしまった…直ぐにとは言わない私との結婚を考えてくれたらと思ったんだ」
スティーブン伯爵は抱き締めていたユリーナ母さんを離し顔を見て微笑んでいた。
「……でも私は、7人の子供を持っ母親です…スティーブン御兄様は私ではなく他に素敵な方がいらっしゃいます…」
「ユリーナは私の事は嫌いなのか?」
「そんな嫌うなんて…御兄様は素敵な人です。私には勿体無いくらいで……今まで兄のように思っていたので…まさか結婚の話が出るとは思わなくて…」
ユリーナ母さんは話をして顔が真っ赤になりスティーブン伯爵の顔をまともに見る事が出来ないでいた。
「今の君が大変だと分かっている…こんな時に結婚の申し込みをする私もおかしい…今の君が大変だと思うから私は告白をしたんだ。ユリーナ1人で悩むのではなく私も一緒に君の隣で悩み進んで行きたいと思ったんだ」
「…御兄様……」
「君と子供達の様子を時々見に来ても良いかな?私が仕事の休みの時は屋敷に居ても良いかな…図々しいかな…ハハハ」
スティーブン伯爵は手を頭の後ろにやり笑っていた。
「……7人の子供がいても良いのですか?」
「ああ、皆生まれた時から見ているから」
「…私と一緒に生ると言う事はスティーブン御兄様の伯爵の名前が無くなるのですよ?」
「ああ、叔父様にも話したよそして君との結婚を許してくれた」
「!!…御父様が……」
ユリーナ母さんの目から涙が溢れ掛けていた
「……わ、私はまだユリウス様の事が…それでも良いのですか?」
「ユリウス侯爵の事を無理に忘れる事はないよ。私は大丈夫だから、ユリーナと子供達と一緒に暮らせるなら私は満足だよ」
ユリーナ母さんの目から涙が流れ落ちその頬を指で拭いていた。
「約束だけでも良い…私と結婚してくれますか?ユリーナ・ブランシェ」
ユリーナ母さんは涙を流し小さく頷いた。
「有難う……有難うユリーナ…私は幸せ者だ……」
スティーブン伯爵の涙が頬に流れ笑顔でユリーナ母さんを抱き締めていた。ユリーナ母さんは抱き締めてくれているスティーブン伯爵の胸に顔を埋めそして2人は口づけを交わした。
その様子をはなれで見ていたユリーナ母さんの両親は涙を流し喜んでいた。
俺は結婚の約束を交わした2人を見ているだけだった。


ユリーナ母さんとスティーブン伯爵が結婚の約束をした事を知らないユリウス父さんは城下町に行く準備をしていた。
総隊長から騎士移動を言い渡され、朝からため息の連続が続いていた。
「王様直々の護衛に成れば城下町に行けない処かルィーズと会えなくなる…それは困る」
ユリウス父さんは自分の隊長部屋でウロウロ歩き回っていた。
「くそっ、親子で束縛するなよ!!」
ユリウス父さんはそのままの感情が言葉に出るほどイライラとして勇樹の素の状態が表に出していた。
1人で居るとイライラが増してしまうため、ルィーズ夫人に早く会いたいと思い部屋を出るとこちらに向かって来る2人の女性が見えた。
「……シルビア…またかよ……」
ユリウス父さんはボソッと呟き自分の近くに笑顔で走って来るシルビア王女を見ていた。
「良かったユリウス様まだいらっしゃいました」
ニコニコと笑顔で話をするシルビア王女に隊長部屋まで来るとは思いもしなかった。シルビア王女が来た為騎士達がジロジロと見た後ヒソヒソ話が増えたような気がしていた。
「シルビア様ここは仕事場に成ります。女性が来る所ではありません」
「ご免なさいユリウス様一緒にお見送りをしたいと思って慌てて来ましたの」
「…シルビア様見送りは必要ありません他の騎士も居るのです」
「私とユリウス様2人で歩いて行くと良いのですわ騎士の方は離れて歩いて行くと良いいのです」
「……」
ユリウス父さんは何も言えずここまで自分に対して執着心が強いとは…廊下ですれ違う大臣にメイド達に騎士達の視線が痛い事を感じながら隣で一緒に歩く事が嬉しいシルビア王女はまるでわざと皆に見せて居るような気がして、外の空気が吸いたいと思うユリウスだった 





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