転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

３

「カイト坊っちゃまお着替え置いて置きますね」
「有難う御座いますカトリアさん」
俺はメイドのカトリアさんの案内で家族風呂に来ている、ルカリオ兄達が風呂に入り最後が俺が入る事になった。
「…カイト坊っちゃま３歳のお姿でお風呂に入るのですか？」
「うん、最初に３歳のカイトで最後が黒髪の快斗で入ろうと思って居るんだ」
「……御忙しいのですね…」
俺はまだ脱衣室でその場から動かないカトリアさんに焦った
「あの……カトリアさん」
「はい、何で御座いますか？カイト坊っちゃま」
「お風呂に入りたいのですが…」
「え？……あ！」
「きゃあーっ！す、すみませんカイト坊っちゃま失礼しました」
メイドのカトリアさんが勢いよく脱衣室を出て俺は自分が女性の風呂場に居て悲鳴をあげられているような感じで気まずい思いで風呂場へ入った。
「！ひろ～い！すごっ…使用人の風呂よりさすがに広いな…ふふっこの広さで１人で入るの最高だな」
俺は３歳のカイトで体を洗い、そして黒髪の快斗で体を洗いいざ広い浴槽に入った。
ザブ～ン！……「はあ～っ、気持ち良いな～っ…ハハハハ…ふうっ」
俺は今日の事を思い出しユリウス父さんが屋敷を出た事が信じられ無い感じがして今にもこの風呂場で声を掛けて来るような気がしていた。
《……ト…》
ん？何か聞こえたような…気のせいか、「ふうっ」と風呂を満喫していた。
《…カイト……聞こえるか？》
ザブン…と俺はまた頭まで湯に浸かり慌てて湯から上がった。
「な？！お、お前何処から話して居るんだ？」
俺は頭の中から聞こえてくるユリウス父さんの声に驚いていた。
《ふっ、そんなに驚く事は無いだろう…以前カイトの気を探った事を思い出しそして今カイトの気を見つけ話し掛けている所だよ…》
「……突然話し掛けて来るなよ、以前も風呂に入った時もそうだった」
《…今風呂場に居るのか？》
「ああ、今日から俺も家族風呂を使わせて貰っている処だ」
《家族風呂…そうか、良かったな…私も一緒に入りたかったな》
「…もうお前はブランシェ家の屋敷を離れたんだ…今は名前だけを借りているような者だ」
《……》
ユリウス父さんは暫く黙ったままでいた。
「……どうしたんだ突然話し掛けて、御披露目みたいな事は終わったのか？」
《…ああ、城内にいる大臣に騎士達そしてメイド達を呼んで行われた……》
「そうか、良かったな…あとは婚約と結婚式だな。国民皆から祝福を浴びるんだ凄いなお前、俺達の事は心配するなお前が居ない間は俺が出きる範囲支えて行くつもりだ」
《…ユリーナと子供達はどうしている？》
「ショーン兄とエミリー姉はいつもの様子で元に戻っていた。他の兄姉も変わらずお前が知っている家族の笑顔だよ」
《……そうか…》
ユリウス父さんは俺が家族の笑顔があったと話し声がホッと安心したように聞こえた。
「…ただ、お前とユリーナ母さんが別れた噂が流れ始めている」
《！！》
「ブランシェ家のメイド達からの話しが他の貴族に街に知れ渡り
ユリーナ母さんが酷く言われていた」
《……ユリーナ…》
「お前は城の中で何も知らず皆から祝福を言われているが、外ではユリーナ母さんが可哀想な人と言われているんだ。暫くはお前とユリーナ母さんの話で騒がれるだろう…ショーン兄達も学校で何を言われるか……お前もブランシェ家が大切だったら家族を考えて欲しかったな、自分の事ばかりを考えずに……そろそろ俺も風呂から上がる…じゃな……」
《ま、待ってくれカイト…時々でも良い城へ私の所へ来てくれないか？》
「…何故俺を呼ぶ、シルビア王女が居るだろう俺がいても邪魔なだけだ……それに俺は王様から目を付けられている」
《！？何故王様がカイトの事を？》
「さあな…本田快斗に会いたがっているのは確かだ…今日王様と会って別れ際にもう一度頼んでいた。だが俺が断った為その時は諦めてくれたが、今度会った時は分からないどうなるか……」
《……》
「……気が向いたら会いに行く、それで良いか？」
《ああ…分かった…》
俺とユリウス父さんは話し終え俺は風呂湯から上がり「ふうっ」と息をはき、俺にまだ体を求めて居るのが分かる気がした。
「さすがに城でヤること出来ないだろう…」
俺は少し長湯をした為フラフラと歩き自分の部屋に戻った。