147 / 347
49
しおりを挟む
「ふう……っ」大広間から部屋を出たユリウス父さんは総隊長が呼んでいると聞き今廊下を1人歩いていた。
「…まさか総隊長の部屋まで着いて行くと言われるとは思いもしなかった……精神的に少し疲れてくるな…」
ユリウス父さんは1人になった時にホッとしている自分に気が付いた。
「ユリーナに触っただけで泣くとは思わなかったし、メイド達は城には入れないと聞いた時は焦ってしまった…泣いているシルビアに自分でも恥ずかしい事を言ってしまい、カイトには笑われてしまったが……シルビアを宥める為ユリーナの前でシルビアだけを愛していますと言ってしまった…ユリーナはどう思ったのか…」
色々と考え事をしていると総隊長の部屋の前に着いていた。
「総隊長ユリウスです。」
しーんと中から応答がなくユリウス父さんは総隊長の返事がないまま部屋を開けてみた
「総隊長居ないのですか?」
部屋の中を見たユリウス父さんは窓際で外を眺めている総隊長に気付き自分の声が聞こえなかったのか?と部屋に入り総隊長を呼んでいた。
「?総隊長どうしたのですか、中に居るんでしたら返事をして下さい…ユリーナから総隊長が呼んでいると聞いたのですが…」
「……」
「何処か具合いでも悪いのですか?」
「……ユリウス…いつ決めたのだ?」
「え?」
「シルビア様との結婚いつ決めたのだ!」
「!!」
ユリウス父さんは総隊長の問いかけにビクッと体が動いた。
「……ユリーナに聞いたのですか…本当は私が先に総隊長に伝えたかったのですが…昨日総隊長からシルビア様が庭園で待っていると聞き庭園でシルビア様に会いました。その時にシルビア様から告白を貰いそして私も告白の返事を……」
ユリウス父さんの話の途中総隊長が駆け寄りユリウス父さんを投げ飛ばし近くの家具にぶつかりユリウス父さんは何とか倒れずに済み家具に体を寄せていた。
「……っ!」
「ユリウスお前私に何て言った、王様に断りを伝え自分は結婚もして子供達がいると私に言った事を覚えて居るのか?王様にシルビア様の結婚を断った奴が何故シルビア様と結婚の約束をしたんだ!?」
総隊長の顔が怒りに溢れ体が震えているのが分かる
「……」
「答えられないのか?ユリウス…ユリーナ様がどんな気持ちで私にお前と別れた話をしたのか…ユリーナ様はお前の変わりにブランシェ家を守ると言われていた。ブランシェ家は200年前のワイバーンの襲撃で国を守った伝統ある騎士の家系だ!本来なら当主であるお前が守る家系をユリーナ様が1人でそれも子供達と一緒に守ると言われた…お前は伝統ある家系を自分の代で終わりにすると言ったそうだな」
「っ…何故その事を……」
「ユリーナ様から聞いた、お前はシルビア様と結婚するために家系を捨てたのだな…お前がそんな男だとは思わなかった」
「……ど、どうする事も出来なかったんだ…本当はシルビア様に私を諦めるように話をしたんだ。だが、私を想う気持ちに何年でも私の事を待ってくれると、そんな一途に想ってくれると分かった時に私もシルビア様の事を……」
ドカッ!総隊長が近くにあった家具に蹴り出した…それを見たユリウス父さんはただ怒りの目で見ている総隊長に何も言えずにいた。
「だ、だが、私もユリーナとは別れたくは無かった何度もユリーナに城に住む事を進めたでも城には住まないとそして子供達も…ユリーナが当主になると言われ私は何も言えなかった」
「城には住みたくても住めないだろうお前は次期王になる可能性がある王には王族の子孫を残す役割がある。王族の血筋でもあるシルビア様だけのご寵愛を受ける姿をユリーナ様が絶えることが出来ると思うのか?」
「!!」
「今までお前だけを愛していたユリーナ様には酷な事だ…だからお前と別れる道を選ばれた子供達の事も考えて…もし子供達が城で生活をしても権力争いに巻き込まれる可能性がある、お前はその事を考えて居なかったのか?」
「権力争い!?だが、子供達には関係の無い事だユリーナと私の子供だ、城に上がっても王子と王女の名前を貰い幸せな生活が始まり王族の争いには関係の無い事だ。私はまだユリーナと子供達の事は諦めては居ない月日がたてばユリーナも私の元へ戻って来てくれると……」
「……そうなれば良いがな…ユリーナ様と別れたお前に何を言っても一緒だが……」
総隊長はユリウス父さんを投げ飛ばした時に出来た家具を退け机に向かい引き出しの中から1枚の封筒を取り出した。
「…ユリウス側に来い」
まだ、総隊長の怒りは静まらない様子で、あちこちと打った体を動かし総隊長の机の前に立った。
「……お前宛にだ…ユリーナ様が部屋を出た後部下が私に渡した手紙だ」
「私にですか?」
白い封筒に差出人は無いが封筒から花の香水の匂いが微かにしていた。
「…部下の話だと貴婦人が城に訪れ通りすがりの部下に手紙を渡してお前に渡すように言われたそうだ、だがお前がまだ来て居ない為私に預けた……誰なんだその貴婦人とは…」
ユリウス父さんは渡された手紙を持っ手が震えていた。
「…まさか総隊長の部屋まで着いて行くと言われるとは思いもしなかった……精神的に少し疲れてくるな…」
ユリウス父さんは1人になった時にホッとしている自分に気が付いた。
「ユリーナに触っただけで泣くとは思わなかったし、メイド達は城には入れないと聞いた時は焦ってしまった…泣いているシルビアに自分でも恥ずかしい事を言ってしまい、カイトには笑われてしまったが……シルビアを宥める為ユリーナの前でシルビアだけを愛していますと言ってしまった…ユリーナはどう思ったのか…」
色々と考え事をしていると総隊長の部屋の前に着いていた。
「総隊長ユリウスです。」
しーんと中から応答がなくユリウス父さんは総隊長の返事がないまま部屋を開けてみた
「総隊長居ないのですか?」
部屋の中を見たユリウス父さんは窓際で外を眺めている総隊長に気付き自分の声が聞こえなかったのか?と部屋に入り総隊長を呼んでいた。
「?総隊長どうしたのですか、中に居るんでしたら返事をして下さい…ユリーナから総隊長が呼んでいると聞いたのですが…」
「……」
「何処か具合いでも悪いのですか?」
「……ユリウス…いつ決めたのだ?」
「え?」
「シルビア様との結婚いつ決めたのだ!」
「!!」
ユリウス父さんは総隊長の問いかけにビクッと体が動いた。
「……ユリーナに聞いたのですか…本当は私が先に総隊長に伝えたかったのですが…昨日総隊長からシルビア様が庭園で待っていると聞き庭園でシルビア様に会いました。その時にシルビア様から告白を貰いそして私も告白の返事を……」
ユリウス父さんの話の途中総隊長が駆け寄りユリウス父さんを投げ飛ばし近くの家具にぶつかりユリウス父さんは何とか倒れずに済み家具に体を寄せていた。
「……っ!」
「ユリウスお前私に何て言った、王様に断りを伝え自分は結婚もして子供達がいると私に言った事を覚えて居るのか?王様にシルビア様の結婚を断った奴が何故シルビア様と結婚の約束をしたんだ!?」
総隊長の顔が怒りに溢れ体が震えているのが分かる
「……」
「答えられないのか?ユリウス…ユリーナ様がどんな気持ちで私にお前と別れた話をしたのか…ユリーナ様はお前の変わりにブランシェ家を守ると言われていた。ブランシェ家は200年前のワイバーンの襲撃で国を守った伝統ある騎士の家系だ!本来なら当主であるお前が守る家系をユリーナ様が1人でそれも子供達と一緒に守ると言われた…お前は伝統ある家系を自分の代で終わりにすると言ったそうだな」
「っ…何故その事を……」
「ユリーナ様から聞いた、お前はシルビア様と結婚するために家系を捨てたのだな…お前がそんな男だとは思わなかった」
「……ど、どうする事も出来なかったんだ…本当はシルビア様に私を諦めるように話をしたんだ。だが、私を想う気持ちに何年でも私の事を待ってくれると、そんな一途に想ってくれると分かった時に私もシルビア様の事を……」
ドカッ!総隊長が近くにあった家具に蹴り出した…それを見たユリウス父さんはただ怒りの目で見ている総隊長に何も言えずにいた。
「だ、だが、私もユリーナとは別れたくは無かった何度もユリーナに城に住む事を進めたでも城には住まないとそして子供達も…ユリーナが当主になると言われ私は何も言えなかった」
「城には住みたくても住めないだろうお前は次期王になる可能性がある王には王族の子孫を残す役割がある。王族の血筋でもあるシルビア様だけのご寵愛を受ける姿をユリーナ様が絶えることが出来ると思うのか?」
「!!」
「今までお前だけを愛していたユリーナ様には酷な事だ…だからお前と別れる道を選ばれた子供達の事も考えて…もし子供達が城で生活をしても権力争いに巻き込まれる可能性がある、お前はその事を考えて居なかったのか?」
「権力争い!?だが、子供達には関係の無い事だユリーナと私の子供だ、城に上がっても王子と王女の名前を貰い幸せな生活が始まり王族の争いには関係の無い事だ。私はまだユリーナと子供達の事は諦めては居ない月日がたてばユリーナも私の元へ戻って来てくれると……」
「……そうなれば良いがな…ユリーナ様と別れたお前に何を言っても一緒だが……」
総隊長はユリウス父さんを投げ飛ばした時に出来た家具を退け机に向かい引き出しの中から1枚の封筒を取り出した。
「…ユリウス側に来い」
まだ、総隊長の怒りは静まらない様子で、あちこちと打った体を動かし総隊長の机の前に立った。
「……お前宛にだ…ユリーナ様が部屋を出た後部下が私に渡した手紙だ」
「私にですか?」
白い封筒に差出人は無いが封筒から花の香水の匂いが微かにしていた。
「…部下の話だと貴婦人が城に訪れ通りすがりの部下に手紙を渡してお前に渡すように言われたそうだ、だがお前がまだ来て居ない為私に預けた……誰なんだその貴婦人とは…」
ユリウス父さんは渡された手紙を持っ手が震えていた。
10
お気に入りに追加
527
あなたにおすすめの小説
家族連れ、犯された父親 第二巻「男の性活」 ~40代ガチムチお父さんが、様々な男と交わり本当の自分に目覚めていく物語~
くまみ
BL
ジャンヌ ゲイ小説 ガチムチ 太め 親父系
家族連れ、犯された父親 「交差する野郎たち」の続編、3年後が舞台
<あらすじ>
相模和也は3年前に大学時代の先輩で二つ歳上の槙田准一と20年振りの偶然の再会を果たした。大学時代の和也と准一は性処理と言う名目の性的関係を持っていた!時を経て再開をし、性的関係は恋愛関係へと発展した。高校教師をしていた、准一の教え子たち。鴨居茂、中山智成を交えて、男(ゲイ)の付き合いに目覚めていく和也だった。
あれから3年が経ち、和也も周囲の状況には新たなる男たちが登場。更なる男の深みにはまりゲイであることを自覚していく和也であった。
からっぽを満たせ
ゆきうさぎ
BL
両親を失ってから、叔父に引き取られていた柳要は、邪魔者として虐げられていた。
そんな要は大学に入るタイミングを機に叔父の家から出て一人暮らしを始めることで虐げられる日々から逃れることに成功する。
しかし、長く叔父一族から非人間的扱いを受けていたことで感情や感覚が鈍り、ただただ、生きるだけの日々を送る要……。
そんな時、バイト先のオーナーの友人、風間幸久に出会いーー
おねしょ癖のせいで恋人のお泊まりを避け続けて不信感持たれて喧嘩しちゃう話
こじらせた処女
BL
網谷凛(あみやりん)には付き合って半年の恋人がいるにもかかわらず、一度もお泊まりをしたことがない。それは彼自身の悩み、おねしょをしてしまうことだった。
ある日の会社帰り、急な大雨で網谷の乗る電車が止まり、帰れなくなってしまう。どうしようかと悩んでいたところに、彼氏である市川由希(いちかわゆき)に鉢合わせる。泊まって行くことを強く勧められてしまい…?
家族連れ、犯された父親 第三巻 「激情の男たち」〜中年男の性と磋硪〜
くまみ
BL
家族連れ、犯された父親シリーズの第3巻
大学時代、ラグビー部の後輩と先輩の間柄の和也と准一、お互いに家族、肉体関係のある友人を持ちながらの男同士の恋愛関係。今話も和也と准一、それを取り巻く男たちは様々に入り乱れながらも、悩み、考え、人生を歩み成長をしていく。
インド料理屋、スターサイバーバでの乱れた宴会の後、3か月経過し季節は秋へと変わっていた。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
僕の兄は◯◯です。
山猫
BL
容姿端麗、才色兼備で周囲に愛される兄と、両親に出来損ない扱いされ、疫病除けだと存在を消された弟。
兄の監視役兼影のお守りとして両親に無理やり決定づけられた有名男子校でも、異性同性関係なく堕としていく兄を遠目から見守って(鼻ほじりながら)いた弟に、急な転機が。
「僕の弟を知らないか?」
「はい?」
これは王道BL街道を爆走中の兄を躱しつつ、時には巻き込まれ、時にはシリアス(?)になる弟の観察ストーリーである。
文章力ゼロの思いつきで更新しまくっているので、誤字脱字多し。広い心で閲覧推奨。
ちゃんとした小説を望まれる方は辞めた方が良いかも。
ちょっとした笑い、息抜きにBLを好む方向けです!
ーーーーーーーー✂︎
この作品は以前、エブリスタで連載していたものです。エブリスタの投稿システムに慣れることが出来ず、此方に移行しました。
今後、こちらで更新再開致しますのでエブリスタで見たことあるよ!って方は、今後ともよろしくお願い致します。
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる