転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

３９

俺とルカリオ兄は城にユリーナ母さんに付き添いとして城に行く事にした。まだユリーナ母さんも兄姉達も一緒に行く事は知らない。
俺は３歳の姿カイトに成り貴族の服を着ている３歳らしく可愛い服だ。快斗の世界で言えば小学生の入学式に着る服の感じだ。
ルカリオ兄も貴族の服を着て今メイドのカトリアさんに髪のセットをして貰っている。
「本当に驚きました。旦那様と奥様が別れて生活をするなんて思いもしていませんでした。」
メイドのカトリアさんが先ほどユリウス父さんとユリーナ母さんの挨拶があり皆の反応が凄かったとの事だった。
「旦那様の後を追いお城に行くメイド達が多いんですよ、半分以上はお城に行くみたいですがこんなに大勢のメイドを雇って貰えるのかが心配ですが、私は屋敷に残りますので関係の無い事です」
メイドのカトリアさんは話をしてルカリオ兄の髪の毛をクシでとかしていた。
「でも、旦那様がシルビア様と結婚の話を聞いたメイド達の目がまるで獲物を見つけたような顔をして旦那様の顔を見ていたメイド達が沢山いたようで、多分お妃を狙いで殆んどのメイドはお城に行く見たいですよ」
「…父様もお城でお妃様選びで嬉しいと思うよ…クスクス」
「……ルカリオ坊っちゃまは嫌では無いのですか？…その……旦那様がシルビア様とそしてお妃様を娶取られるかも分からない旦那様を…」
「……僕達家族を捨てた人に興味は無いよ勝手に結婚すれば良い」
ルカリオ兄のユリウス父さんに対する冷たさがメイドのカトリアさんは黙って聞いていた。
コンコン！
と、扉を叩く音がしてショーン兄が部屋に入り俺とルカリオ兄の服に驚いていた。
「…ルカリオ何処かに出掛けるのか？…それにカイトまでその姿で……」
「僕達は今から母様と一緒に城に着いていこうと思うんだ…母様１人にはしたくないから…父様は王様に挨拶した後シルビア様の元へ行くと思うからだから僕達が一緒にいるんだ。」
「……ルカリオ…」
ショーン兄は目に涙を溜めそして腕で涙を拭った。
「有難うルカリオ……本当なら長男である僕が母様の側に居るべきだけど…父様の顔を見たくはないんだ…でも今から父様との最後の挨拶があるからそれで呼びに来たんだ……」
ショーン兄はユリウス父さんには会いたく無いが挨拶があるため俺とルカリオ兄を呼びに一緒に行こうと思っていたようだ。
「ルカリオ…そしてカイト……母様を頼んだよ…向こうで父様がいると話せなくなると思うから……」
「うん、分かったショーン兄様」
ショーン兄はルカリオ兄の体をギュッ…と抱き締めていた。
俺達３人は玄関の側で待っている皆の元へ向かった。
玄関の近くでは正装の姿をしたユリウス父さんとユリーナ母さんがいた。そして兄姉達が最後の別れの言葉を掛けていた。
「父様リンが大きくなったら必ず帰って来てね、約束だよ」
「……ああ、約束するよリン…それまで良い子で待っていてくれるかい？」
「うん、行ってらっしゃい父様」
ギュッと抱き締めユリウス父さんから目に涙が流れ落ちていた。
「……父様…ううっ……」
ジェーン兄が泣き出しユリウス父さんはギュッと抱き締めていた
「……ジェーン…魔法は余り使わないように気を付けるんだよ…有難うジェーン…リンとカイトを頼んだよ……」
「……うん、父様……」
「……父様…お城が嫌に成ったら帰って来て……時々お城へ…父様に会いに行っても良い？」
「…アニー有難う……父様お城でアニーが来るのを待っているよ」
アニー姉は涙目で笑顔になりユリウス父さんに抱き付いていた。
「……わたくしからは何もありませんわ弟達が許してもわたくし達は許しませんわ御母様を裏切った人等御父様とは思いませんもの…」
エミリー姉の目から涙が流れキッ！と、ユリウス父さんを睨み付けていた。
「……エミリー……」
「僕も貴方の事は許さないブランシェ家にこの先貴方の事を子孫達に伝える積もりです。家族を捨て城に逃げたユリウス・ブランシェの事を……僕からは話す事はありません、さようなら…」
ショーン兄は途中まで歩きそして自分の部屋に戻って行った。
エミリー姉もユリウス父さんの顔を見下したような目で見終え自分の部屋に戻って行った。
「……ショーン…エミリー……」
ユリウス父さんは涙を流し膝を床に着き体を震わせ泣いていた。数日前までは皆笑顔が絶えない家族を自分のせいで家族がバラバラになってしまった事に涙を流していた。
「……僕達家族を哀れんで欲しく無いよ父様…今だけ泣いて明日に成れば忘れて幸せな生活が父様には待っている……」
「……ルカリオ…」
泣き崩れている側に貴族の服を着て冷たい目で見ているルカリオ兄がいた。
「ルーお兄ちゃまお出掛けするの？」
「うん、行く所があるからねショーン兄様達と留守していてリン」
「うん、……あれ？カイちゃん！？」
少し離れた場所で家族の様子を見ていた３歳のカイトが立っていた。