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「……城に一緒に住む?幾らなんでもそれは無理な事では…?」
俺はユリウス父さんの方を見て首を傾げた。
「……あ、いや…そのもしカイトが良ければ一緒に城に住んで暮れないかと……」
「……無理だと思う…城の中が分からないし、兄姉達も居ない…それにシルビア様と結婚するあんたが自分は必要ないと思う」
俺はユリウス父さんの顔を見ていると目を剃らされ黙りこんでいた。
「それにブランシェ家は男手が必要だと思うし自分が居ても役に立てるのか分からないけど、今屋敷を離れる事は出来ない」
「…カイ……」
「……」
「だから城には一緒には行けないよ…あんたは城に入れば不自由なく生活できるんだろう?ここではそうはいかない皆で支え合いユリーナ母さんを助けなくてはいけない……」
「……っ」
ルカリオ兄は俺の腕をギュッと握り締め笑顔を見せていた。
「……今までの私達の…ユリーナの事は許す事になったのか?」
ユリウス父さんは夫婦の時間の出来事を聞いているのだろう…
「……いつまでも恨んでいても前には進まない、もうあんたも居ないんだ許すも許さないも関係ない…今はあの人を支えてあげたい……」
「……分かった一緒に暮らす事は諦めるよ…だが…今日ユリーナと城に行く時は一緒に着いて行って欲しい……ユリーナも1人で心細い思いをすると思うんだ」
「……」
俺はルカリオ兄の方を見て自分も一緒に行けば良いのか確認した
「…母様を1人にしないほうが良いかも知れないけど……父様どうしてカイトなの?ショーン兄様達がいるのに…」
「あ…ショーン達はさっき喧嘩になったからね…」
「それは父様のせいだからショーン兄様から言われるのは仕方ないと思うけど……」
「……」
子供のルカリオ兄から色々と言われるユリウス父さんは哀れな感じだった。
「…父様カイが一緒に城に行くのなら僕も一緒に行っても良いですか?僕もお城にも行ってみたいし、シルビア様にも会いたいと思いましたから…」
「…ルカリオも一緒に行くのかい?何故シルビア様に会いたいんだ…」
「僕達と変わらないお方でしょう?会うこともないし、父様が僕達と離れる事を選んだ王女様ですから会うのが楽しみです。」
ニコッとルカリオ兄が笑顔で答え俺はルカリオ兄が棘があるような話し方に怖…と思いユリウス父さんはただ黙っているだけで、ルカリオ兄と一緒の条件で俺も城に行く事になった。
「にぃ…城に行くのは良いけどこの姿で行ったら目立つかな…」
俺は黒髪の快斗で行くと目立つ事をルカリオ兄に相談していた
「うん…かなり目立つと思うし王様の目にも止まると思うから3歳のカイトの姿で行くと良いよ」
「あ!そうだね3歳の僕がいたね」
俺は少しだけ城には興味があった…快斗の時は家族でディズニーランドにディズニーシーに遠出でハウステンボスに子供の頃行った思い出があった。城にヨーロッパ風の建物に興味があった。
ルカリオ兄も一緒だから良いかな…
だがまさか俺も一緒に城に住んで欲しいと言われるとは思いもしなかった。相変わらず何を考えているのか分からないユリウス父さんが俺達と話を終えた後自分の部屋に向かっている姿を見ていた。城に行けばもう会えないかもしれないと思う昔の弟に心の片隅の中で渦を巻いているように思えた。







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