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32《暴言あり》

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ユリウス父さんの右頬を殴ったショーン兄の目から涙が流れていた。
「許さない…許すものか!!僕達家族を裏切ったあんたを僕は一生許さない!」
「…ショーンお兄様……」
「……ショーンちゃん……」
ユリウス父さんは殴られた痛みより初めて自分に対しての息子の怒りで驚きが隠せないでいた
「……ショ…ショーン……悪いと思っている……お前達を残し城での生活を決めた事を……私は…何度も母様にお願いしたのだよ……一緒に城で住もうと、でも母様は私の言葉に耳を貸してはくれなかったんだ……だから…」
ガシャーン!「きゃっ!」エミリー姉が驚き悲鳴を上げた
ショーン兄がテーブルの上にあるカップ類とお皿を撫で落とした
「母様のせいにするな!!何が結婚だ!告白されたから自分も告白した?恥ずかしくないのかあんたは!僕は恥ずかしいよ僕と変わらない女の子と結婚する父様が…この先母様がどんな恥ずかしい思いをしながら生活をするのかあんたは分かっているのか?」
「……ショーン……」
「……僕の尊敬する父様は死んだ…今僕の目の前に居るのは女に情けない男が目の前に居るだけだ!二度とブランシェ家に近ずくな!!」
「な……」
キッ!とユリウス父さんの顔を睨みそして部屋を出ていった。
「……シ……ショーン……が……私に……」
ショーン兄の言葉でショックを受けているユリウス父さんにエミリー姉が話し掛けていた。
「…御父様は年下が好みでしたの?シルビア様は私達と変わらない御年ですから、私お城へ行かなくて良かったと思いますわ。だって私達と変わらないシルビア様を「御母様」とは呼びたくはありませんわ」
「……エミリー…」
覚めた目をユリウス父さんに向けたエミリー姉が歩き出し扉の前に止まった。
「御幸せに御父様、ブランシェ家は私達家族が守りますので…」
余り話さないエミリー姉がユリウス父さんにぶつけそして部屋を出ていった。
兄姉の父親への悲しみの対応を見ていたアニー姉は顔が真っ青になり、フラフラとテーブルの席を離れた
「ア、アニー……」
ユリウス父さんの声を聞き歩いていた足が止まり涙が溢れていた
「……私…父様の綺麗な顔が大好きだった……いっも笑っている父様の顔が好きだった……でも、今の父様は……私の知らない父様の顔……母様を愛している顔をしていない……別の人を好きになった父様は……私が大好きな父様ではないの……さようなら父様…」
「……アニー……ま……待ってくれアニー…私は父様はお前達の事を……」
「……」
はなしを最後まで聞く事もなく静かに扉をアニー姉は閉めた
昨日はシルビア王女の事を喜んでいたアニー姉が今は家族を捨てたと泣き父親を最後に殴ったショーン兄の姿を見てユリウス父さんが自分達を本当に捨てたのだとその時アニー姉は思い城に行く事を諦めた












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