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ルカリオ兄は落ち着きを取り戻したようで笑顔も見えた。
「……ルーちゃん先に御部屋に戻ってくれる?母様はカイちゃんと御話があるから…」
ルカリオ兄は俺の顔を見たあと部屋を出ることにした。
今部屋の中には俺とユリーナ母さんと医師様にメイド長がいる
ユリーナ母さんは皆テーブルに着くようにと声を掛け話が始まった。
「…体の方は大丈夫ですか?かあ…その……」
俺はユリーナ母さんにユリウス父さんの前世の兄と打ち明けた為目の前にいるユリーナ母さんに母と呼べば良いのか弟の兄として話せば良いのか迷っていた。
「ふふっ…そのお姿の時は私の事は名前で呼んで貰えますか?お兄様…」
ユリーナ母さんは俺が名前で迷っている事が分かったようで、俺に名前で呼ぶように言われた。
「…分かりました。私はユリウス・ブランシェの前世の兄でした本田快斗と申します。ユリーナさんに失礼の数々お許し下さい」
俺は数時間前の事をユリーナ母さんに謝った。
「頭を上げてくださいお兄様…私も悪いのです。…夫婦との時間を優先にしてしまった事で私の子供が苦しんで仕舞いました…何度も悔やんでも側に駆け寄る事が何故あの時しなかった自分が許せません……。事実を知らなかったとはいえ、お兄様の中に居ます私の「カイト」に謝りたい…許せない事は分かっております
それでも……」
俺の隣で泣いている姿は子を想う母の姿で、真実を話さなかったユリウス父さんがユリーナ母さんにも話していたら…と思った。
「…時間が掛かると思いますが、貴女の前にカイト・ブランシェとして姿を見せましたら、貴女の事を許して居ると思います。」
ユリーナ母さんは笑顔で涙を流しそしてカイトに会える事に安堵していた様子だった。
俺とユリーナ母さんの会話を聞いていた医師様とメイド長は分かってはいない様子で、俺達の話を聞いていた。
「…奥様……先ほどから御話を聞いておりましたが…カイト坊っちゃまをお兄様と御呼びに成りましたが…それに前世とは…?」
「おおっ、私も先ほど気になって居ました。カイト坊っちゃまが旦那様の兄上様と呼ばれた気が…もし宜しければ私達にも御話を御聞きしても宜しいですか?」
俺はユリーナ母さんの顔を見て2人に話をして良いのか確認した後、俺とユリウス父さんとの関係を話をした。さすがに体の関係は伏せた。
話を終えた俺を見て医師様とメイド長は椅子に座ったまま固まっているのが分かる。
「…何と……旦那様は転生者で御座いましたか…書物で見たことが御座います。別の世界で生まれそして死して、その魂は別の世界で転生者として生まれると…前世の記憶を持ち、国によりですが生まれながらに能力に桁外れな強さだと聞いた事が御座います。今の旦那様の様で御座います。」
「……今の姿も神様に願っての事だと思います…」
神様は俺にも2つの選択を聞いていた。このまま魂となり安らかな眠りか、転生者としてまた別の世界で生きるのか…転生者になる時自分の願いを神様にお願いする事が出来た。
勇樹も生前から女性に囲まれて生活をしてみたいと言っていた事があった。俺を囲む女性達を見て1つの勇樹の願望が生まれたのだろう…
「……私も旦那様の容姿に見惚れていた者の1人です…この方と一緒に生きて行けたらと…旦那様は貴族の中でも貴婦人方の求婚の申し込みは沢山いらっしゃいました。城での御披露目会でお会いして御話をした時とても楽しい方だったのです。
容姿とは別にまた違う楽しさがありました。」
ユリーナ母さんはユリウス父さんと初めて話した事を思い出しているようだった。
女性に楽しさを与えるのは勇樹の良い所でもあった。
「旦那様から結婚の申し込みをして下さった事は信じられない思いで1日中泣いた事を思い出します。
最初は私の両親、親族は反対をしておりました。
旦那様の容姿から直ぐに後妻を娶るだろうと、そして私が悲しむ姿を見たくはなかったと思います。でも旦那様は私の両親に頭を下げて私との結婚を申し込まれました。両親も旦那様の姿を見て結婚の御許しを貰われました。」
俺はユリーナ母さんの話を聞き胸が痛かった…全ては勇樹がユリウス父さんが俺が転生して生まれてくるのを待ちその母親がユリーナ母さんだという事を……
「……今の旦那様の目には私は写ってはおりません…今はシルビア様だけを見ております…」
ユリーナ母さんは下を向き目を閉じている姿が見ては居られなかった……
「……奥様これから如何なさいますか?まだ精神的にも御不安な奥様に聞く事では御座いませんが、今夜旦那様を交えての御話に成りますので…今の奥様の御気持ちをと……」
医師様がテーブルの前で椅子に座っているユリーナ母さんの顔を見て今の気持ちを聞いていた。
「…私は城での生活は御断りし、妃にも成りません。そして私は旦那様と別れる事に致します。」
ユリーナ母さんの気持ちを聞いていた俺と医師様とメイド長は驚いていた。








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