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俺とルカリオ兄はショーン兄の部屋に来てルカリオ兄が呼んでいた。
「ルカリオ、父様と母様は……」
部屋の扉が開きショーン兄はさっきまで両親が喧嘩をしていた事を気にしてルカリオ兄が部屋に来たと思い扉を開け黒髪姿の俺がいる事に驚き扉の前に固まって立っていた。
「……」
「ショーン兄様?ショーン兄様?!…固まってカイの方を見ているね……」
「……この姿で他のにぃとねぇ達も一緒に同じ感じだと傷付くな…父様と対等にいるにはこの姿が1番だけど……」
「……父様!?」
ピクッ!とショーン兄がユリウス父さんの名前に反応して我に返り聞いてきた。
「父様?…父様と母様はどうなった?それに……カイト…なのかい!?」
「……驚かせてご免なさい…はい、僕です……ショーン兄様」
ショーン兄は少し見上げながら姿が変わった俺をまだ信じて居ない様子で口が開いたまま俺の快斗の姿を見ていた。
ショーン兄は身長が160以上はあるようで今から伸び盛りの長男をそれ以上に高い弟が見下ろすのは変な感じだった。
「…ショーン兄様今から食事部屋に一緒に行くよ父様と母様も後から来ると思うから…姉様達も一緒に…」
ルカリオ兄がショーン兄に食事部屋に誘いショーン兄は何故?見たいな顔をみせていた。
「食事部屋?夕食の時間にはまだ早いけど?」
「……家族皆集まったら父様から話があると思うよ…」
「話?父様が僕達に?……ま、まさかあの喧嘩の後父様と母様が!?」
「喧嘩はもうして居ないよ…ただ別の事で話があるんだ…」
「……別の事で話って…父様と母様が喧嘩をしていないなら、何故ルカリオはそんな顔をするんだ?」
ルカリオ兄は今にも泣きそうな感じで…部屋でも泣いていたが、思い出すと涙が出てしまいそうで、泣きたいのを我慢しているようだった。
「……カイトは何か知って居るのか?」
俺はただ頷くだけで声には出さなかった。
ショーン兄は「何があったんだ?」と、聞いていたがルカリオ兄は「僕の口では言えない…今は姉様達を食事部屋に…」と話をする事が精一杯だった。
「……分かったルカリオにも話しにくい事なら無理には聞かないよ、一緒に行こう…ただリンは眠っていると思うからリンは連れて行かなくても良いかな?泣き疲れたようだから……」
「……うん、そうだねリンには…後から話せば良いと思う……」
俺とルカリオ兄とショーン兄を誘い他の兄姉達を誘い俺の姿を見て驚かれたが、ショーン兄程でもなく、特にアニー姉が何故か喜び俺の腕を一緒に組み歩き、食事部屋へ向かった。


ユリウス父さんの部屋では、ベッドに寝かされたユリウス父さんがいて、側には医師様とメイドのカトリアさんが目を覚ますのを待っていた。
「……医師様…旦那様は大丈夫なのでしょうか…まだお顔も腫れ上がり両方のお顔が旦那様とは思えない程の変わりようなので…カイト坊っちゃまは旦那様が治せると言う事を言われましたが……本当に大丈夫なのでしょうか?」
メイドのカトリアさんがユリウス父さんの顔を気にしていたようで、本当に治せるのか心配をしていた。
「…私も驚きましたまさか、旦那様がこの様なお姿になっているとは思いも致しませんでした。貴女から直ぐ旦那様の部屋に来て欲しいと言われ私も屋敷を出る所でしたので…まさかこんな事になっておいでとは…私が出来ます範囲で治療を致しましたが、お顔の方と後御体が…あばら骨が何本か折られて居ますから例え治療能力をお持ちの旦那様でも治せるのかが……」
「え?旦那様治療能力がお持ちなのですか?」
「…その様で……ルカリオ坊っちゃまが申しておりました」
「でもそれでしたら何故お顔の腫れを治され無かったのでしょうか?」
「……カイト坊っちゃまの御話しでは旦那様が自分への戒めだと申されたとか……」
「……本当はこの傷で皆が心配をしてくれる喜びでそのままにしていたのが正解かな…」
「「!?」」
「旦那様お目覚めに成りましたか!……御体が……」
「大丈夫だ今から治す」
「「!」」
ベッドに体を寝かせたまま精神を集中して治療能力を体全体に行き渡る様に、そして腫れ上がっていた顔が元の綺麗な顔に戻り折れたあばら骨も治していた。この能力も神様に願い出て自分でも治せる治療能力をとお願いをしていたようだ病院嫌いの勇樹の願いだ。
「!何と……あの様なお怪我を一瞬に…あばら骨も治っております…」
「ええっ……!?」
医師様はユリウス父さんの体を診察をして骨が折れて居ない事を話メイドのカトリアさんは驚きで何度もユリウス父さんの顔を見ていた。
ユリウス父さんはベッドから起き上がり医師様に聞いていた。
「……何故医師がここに?部屋を出た筈だが…」
「カイト坊っちゃまが、わたくしに医師様を連れて来てくださいと言われまして、旦那様が御倒れに成られておいでですので、使用人も御呼びに成られました。」
「……」
部屋の周りは家具の散乱で酷い状態だったが、使用人男性とメイド達で綺麗に掃除がされ、今までの出来事が嘘のような感じでいた。
『……フッ…兄ちゃんらしいや……俺に甘過ぎるんだよ。だから俺が、兄ちゃんから離れられないんだ…』
ユリウス父さんは日本語で声に出していた。
「?旦那様……まだ何処か痛い所でも…」
「……そうだね、今は胸の傷がいたいかな……」
「……」
ユリウス父さんは手を胸にあて悲しい顔を見せていた。そして側にいたメイドのカトリアさんに礼を言い、医師様と2人にしてくれとお願いした。





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