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俺はユリウス父さんを前世で兄弟だった勇樹に最後の兄弟喧嘩をした。俺の手にはユリウス父さんを殴った血の後があり、前世だった勇樹にも殴る事が無かった事が、この国で生まれ容姿に性格までも変わってしまった弟を手の痛みよりも胸の苦しみが痛かった……
「カイト坊っちゃまどうしたのですか?手に血が……」
ルカリオ兄付きのメイドのカトリアさんが俺の手を見て驚きユリウス父さんの部屋の前には数名のメイド達が集まっていた。
「…カトリアさん……どうしてここに?」
「ものすごい音が旦那様の部屋から聞こえていましたので、来てみると、カイト坊っちゃまが旦那様の部屋の前におりましたので来てみたのですが……またお怪我をされたのですか?」
メイドのカトリアさんが心配そうに俺の血の付いた手を見ていた
「……父様が倒れたんだ医師様を呼んで来て欲しい、まだ屋敷の中に居ると思うから……それと使用人を男性の人を父様の部屋に呼んでベッドに寝かせて欲しい…父様が気が付くまでカトリアさん医師様と一緒に居てくれるかな、そして父様に自分で怪我を治したら食事部屋に来てと伝えて欲しい」
「え?旦那様が御倒れに?怪我を治されるとは…何が合ったのですか?それに奥様のお声が響き皆驚いて居るのですが…」
「……母様は部屋の中に?!」
「はい、メイド長の声も聞こえて居ましたので、ご一緒だと…」
「……カトリアさん後をお願いしても良いですか?」
「…あ、はい……」
俺はメイドのカトリアさんにお願いをした後、ユリーナ母さんの部屋に向かった。そして部屋の前からメイド長の声が聞こえ俺は扉を叩き部屋の中からメイド長が窶れた顔をして俺が扉の前に立っている事に驚いていた。
「……カイト…坊っちゃま?」
「…中に入っても良いですか?」
「……はい」
俺はユリーナ母さんの部屋に入り懐かしいベビーベッドに目をとめた…苦い思い出もあるがユリウス父さんとユリーナ母さんが2人一緒にベッドの側で微笑む顔が俺は好きだった。だが今は……俺はベッドの上に座り込んでボーっと窓を眺めているユリーナ母さんの後ろ姿が見ては居られない程だった。
「…奥様、先ほどからあのお姿で何度お声を御掛けしても御返事がなく…まさか旦那様があのような事を御話しなさいますとは思いもしませんでした……旦那様の御気持ちは代わらないのですか?」
俺はメイド長の問い掛けに頷くだけだった。
「旦那様は何をお考えなのでしょう…奥様が城に御住まいに成られましても奥様を苦しめるだけで御座います…それに御立場も…奥様が不憫で成りません……」
メイド長は涙を流し…そしてメイド長の側にいた俺のカイトの気に気付きさっきまで黒髪のカイトが3歳の金色の髪の毛のカイトに変わっていた。
「…カ…カイト坊っちゃま?そのお姿は……」
「黒髪のカイトの中にいたら3歳のカイトになっていたんだ」
俺は小さい体で、トトトト……と走り歩きユリーナ母さんの前に立ち膝に手を置いて座っているユリーナ母さんの手をギュッ…と握り締めた。
「母様、僕です。カイトです…ご免なさい本当はまだ1歳だったのに…体が大きくなりました。母様…僕を見て……母様…」
俺がいる事も分からない程ユリウス父さんの言った一言がユリーナ母さんの精神を病んでしまった。
あの時、赤ん坊のカイトに手を差し伸べて暮れなかったユリーナ母さんを恨んだ。でも今は…俺のカイトが目の前に居ても分からないユリーナ母さんの顔が、何処か遠い所を見ているようで、この人もユリウス父さんに振り回された独り何だと…暫く俺はユリーナ母さんの手を握り締めていた。
「母様が気付きましたら食事部屋に一緒に来てください。父様が今後どうしたいのか話し合いたいと思います」
「分かりましたカイト坊っちゃま」
俺はまた黒髪の姿になり部屋を出る前にユリーナ母さんの後ろ姿を見て部屋を出た。
バタバタバタ…とメイド達が救急箱と衣類等を持ち廊下を走るメイドを見かけた。ユリウス父さんの部屋に向かっているようで
俺はメイド達の走る姿を見て、気になるルカリオ兄の部屋へ向かった。







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