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カイト3歳

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俺にとって勇樹もユリウス父さんも同じ朝食を本田家に似た懐かしい朝ごはんで俺は笑顔でいる事が出来た。
「ご馳走さまでした」
俺は両手を合わせ食後の挨拶をした。
「…カイ食べ終わって聞こうと思っていたんだ、どうして僕達家族の食べ物の感謝の言葉を知っているの?」
「え?どうして?」
「頂きます。も、ご馳走さまでした。も、僕達の家族だけが使っている言葉なんだ」
ユリウス父さんが前世の勇樹の記憶で染み付いた習慣が、この国に生まれても使っていたんだな…習慣って恐ろしいな……
俺は勇樹がこんなに真面目だった事に思わずフッ…と笑ってしまった。
「カイ?」
「え、あ…僕が赤ちゃんだった頃、父様が母様の部屋で食べ物を持って来て、父様が食べる前と食べた後に挨拶をしている所を見たんだそれで覚えてしまったみたい……」
俺はルカリオ兄に嘘を言ってしまったが…たまにユリウス父さんはユリーナ母さんの部屋でワインを持ち、ハム類を持って来て癖で「頂きます」と言っていたな…それを見ていたユリーナ母さんが笑い、ユリウス父さんは頭に手をやり困った顔で俺の赤ん坊の顔を見て笑っていたな……あの時はまだ俺も笑い合えた。
「そうだったんだね……でも記憶があると凄いね何でも覚える事が出来るから」
ルカリオ兄が前世の記憶を持っている俺に、赤ちゃんでも何でも覚えて凄いと驚いて答えていた。
俺とルカリオ兄は朝食を食べ終わり2人ベッドの上に座りルカリオ兄が落ち着きなくもじもじ…としていた。
「…にぃ、どうしたの?」
「……あ、あのね、カイ…その……1度赤ちゃんに戻る事出来る?」
「え?!……うん多分出来ると思う……待ってて……」
「うん」
ルカリオ兄は赤ん坊のカイトが恋しくなったのかカイトに会いたいと言っていた。俺はカイトの気を集中して大きかった体が赤ん坊のカイトの体に戻っていった。
……昨日の死の淵から甦った「カイト」の体になった。
ちょこんとベッドの上に座る赤ん坊のカイトを見てルカリオ兄は涙目になり赤ん坊の俺の体を抱き上げた。
「カイ……カイ……お帰りカイ……」
「にぃ…」
俺を抱き締めているルカリオ兄に俺もギュッと抱き締めてあげた
バタバタバタバタ……廊下を走る音がして部屋の扉が勢い良く開いた。
バン!
「カイちゃん!?」
「カイト!?」
リン姉とジェーン兄が俺の赤ん坊のカイトの「気」を感じ慌てて駆け付けたようだ。
俺とルカリオ兄は驚いたが、リン姉とジェーン兄の喜ぶ顔に俺は暫く赤ん坊のカイトで居ようと思った。

俺が赤ん坊のカイトの姿になりルカリオ兄の部屋の中はリン姉とジェーン兄が一緒に遊んでいた。
「カイちゃん凄い普通に歩いている」
「本当だ、何だか体も大きくなったね。3歳の時のリンみたいだ」
「……本当だねカイの体3歳位の大きさだね…」
俺が赤ん坊に戻った時はまだ1歳の赤ん坊の体だった……そして今時間が立ち3歳程の大きさになっていた…俺の快斗の中でいた為体の変化があったのか…それとも……俺は着ていた服が破れルカリオ兄が慌ててメイドのカトリアさんを呼びに、3歳児の服を持って来るように言いに行った。
俺も正直に驚いている…このまま成長してしまうのか?こんな俺を見て怖がりはしないだろうか……俺はリン姉とジェーン兄に話をした。
「ジェーン兄様、リン姉様僕気持ち悪いですか?」
俺がスラスラと話だした為2人とも目が大きく見開きリン姉が大声で泣き叫んだ。
「うわ~ん、カイちゃんがカイちゃんがリンの事姉様と呼んでくれた!」
「カイトがお話ししてくれた……」
俺の予想外で2人の兄と姉は俺が話をしてくれた事が嬉しかったようで喜んでくれた。
パタパタ…と慌てた走りでルカリオ兄が戻りメイドのカトリアさんも一緒に来てそして俺のカイトの姿を見て驚いていた。
「……」
「…カトリアさん?大丈夫ですか?」
声は違うがいつもの俺の話し方で放心状態のカトリアさんが我に返った。
「カ……カイト坊っちゃまそのお姿は……」
「うん、話は後でするから……着替えをくれますか?」
ビリビリに破れた赤ん坊のカイトの服を脱ぎ、3歳児までも成長した俺の姿をその時メイドのカトリアさんは何回もため息を吐いていた。










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