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俺は森の空間の中で神様に会い、もうひとつの俺の運命を聞いた
ユリウス父さんとの親子の関係は変わらず、愛情を注いでくれて夫婦の時間の事も気にする事無く、前世が兄弟だったとしても、お互いに助け合い支え合い、一緒の家族にまた慣れて良かったと思う喜びに、生涯を全うしたもう1人の俺の世界…
俺は外れの世界を引いてしまった1人に過ぎない…ユリウス父さんと体の関係を持っても、喜びではなく苦しみと悲しみが今の俺には重荷のように重くのし掛かる……
……生まれた時は勇樹が父親という事に驚きはしたが、本当は嬉しかった。また一緒の家族として生きる事が嬉しかった……
俺は閉じていた瞼を開き、森ではなくルカリオ兄の部屋の中で俺はベッドの上に寝ている。俺の側には涙目になっているルカリオ兄が心配そうな顔をして俺を見ていた。
「……にぃ…泣いていたの?」
ルカリオ兄は手でごしごしと目を擦りニコッと笑い話し掛けていた。
「…何でもないよカイ、朝は一緒に朝食を食べよう直ぐにカトリアを呼んでくるからカイはまだ寝てて良いよ」
ルカリオ兄はメイドのカトリアさんを呼びに部屋を出た。
俺はいつの間にかベッドに寝ていたのか?ユリウス父さんが風呂場から連れて来たのか?……ルカリオ兄が泣いているのも分かった気がする…俺を運んだのはユリウス父さんだ……あの後俺は気を失ったらしい……俺はまだお尻に違和感が残っている事に気付いた。
「…あの馬鹿、人のお尻何だと思っている無茶苦茶にヤる奴がいるか?」
容赦なく攻めて来るユリウス父さんに、俺は抵抗する力が無く、そのままユリウス父さんの思うがまま体を重ね続けていた。
「愛している」と聞いた言葉が喜びよりも悲しみが強く、体を重ねて言われた言葉が、俺の体だけの愛情に聞こえ、体を重ねる関係には言って欲しくない言葉だった。
俺はベッドから起き上がり、あんなに濡れていた髪の毛が渇いている事に気付き、ユリウス父さんが魔法でしてくれたのかと…何でも魔法が使えるようになっている勇樹が、ユリウス父さんが羨ましいと思った。
「……良く考えたら俺魔法…って使った事がないような、怒りの余り姿を変えるぐらいの事しかしていないな……」
コンコン!
「カイト坊っちゃまお目覚めに成りましたね」
メイドのカトリアさんが朝食を持って来てくれた。
「カイ起き上がっても大丈夫?」
ルカリオ兄がメイドのカトリアさんと一緒に部屋の中に入り、まだ俺の事を気にしていた。
俺とユリウス父さんの事を知っての事だろう……
「大丈夫だよ、にぃ、ごめんね心配かけて…」
ルカリオ兄は笑顔ではいるが、ユリウス父さんの事を聞きたいのかもしれない、でも今は俺の側でギュッと手を握り締めているだけだった。
「御用意が出来ましたのでこちらにどうぞ」
メイドのカトリアさんが俺とルカリオ兄の朝食を用意してくれて、料理を見て驚いた。
見覚えのある、ベーコンハムに、目玉焼きにポテトのサラダ、スープにはコーンスープにパンが食パンの形で、良くお店で見掛ける5枚切りの厚さのパンが並び、マーガリンのような容器に赤いジャム…イチゴジャムか?!がテーブルに並べられていた。
俺の……本田家の朝食に似ていた。
「……この朝食は……」
「珍しいですよね、朝のルカリオ坊っちゃま達が食されます食事は殆どこの料理と決めているようで、旦那様が昔からの大好きな食べ物だそうです。」
…貴族に生まれ何不自由無く暮らしているのに、前世の記憶が恋しくてこの世界でも取り入れているアイツは、先にこの国に生まれ、俺が生まれる日を待っていたのだろうか…
俺は懐かしい朝ごはんを食べ、俺の周りにはあの家で4人暮らした日々が思い出されていた。
ユリウス父さんとの親子の関係は変わらず、愛情を注いでくれて夫婦の時間の事も気にする事無く、前世が兄弟だったとしても、お互いに助け合い支え合い、一緒の家族にまた慣れて良かったと思う喜びに、生涯を全うしたもう1人の俺の世界…
俺は外れの世界を引いてしまった1人に過ぎない…ユリウス父さんと体の関係を持っても、喜びではなく苦しみと悲しみが今の俺には重荷のように重くのし掛かる……
……生まれた時は勇樹が父親という事に驚きはしたが、本当は嬉しかった。また一緒の家族として生きる事が嬉しかった……
俺は閉じていた瞼を開き、森ではなくルカリオ兄の部屋の中で俺はベッドの上に寝ている。俺の側には涙目になっているルカリオ兄が心配そうな顔をして俺を見ていた。
「……にぃ…泣いていたの?」
ルカリオ兄は手でごしごしと目を擦りニコッと笑い話し掛けていた。
「…何でもないよカイ、朝は一緒に朝食を食べよう直ぐにカトリアを呼んでくるからカイはまだ寝てて良いよ」
ルカリオ兄はメイドのカトリアさんを呼びに部屋を出た。
俺はいつの間にかベッドに寝ていたのか?ユリウス父さんが風呂場から連れて来たのか?……ルカリオ兄が泣いているのも分かった気がする…俺を運んだのはユリウス父さんだ……あの後俺は気を失ったらしい……俺はまだお尻に違和感が残っている事に気付いた。
「…あの馬鹿、人のお尻何だと思っている無茶苦茶にヤる奴がいるか?」
容赦なく攻めて来るユリウス父さんに、俺は抵抗する力が無く、そのままユリウス父さんの思うがまま体を重ね続けていた。
「愛している」と聞いた言葉が喜びよりも悲しみが強く、体を重ねて言われた言葉が、俺の体だけの愛情に聞こえ、体を重ねる関係には言って欲しくない言葉だった。
俺はベッドから起き上がり、あんなに濡れていた髪の毛が渇いている事に気付き、ユリウス父さんが魔法でしてくれたのかと…何でも魔法が使えるようになっている勇樹が、ユリウス父さんが羨ましいと思った。
「……良く考えたら俺魔法…って使った事がないような、怒りの余り姿を変えるぐらいの事しかしていないな……」
コンコン!
「カイト坊っちゃまお目覚めに成りましたね」
メイドのカトリアさんが朝食を持って来てくれた。
「カイ起き上がっても大丈夫?」
ルカリオ兄がメイドのカトリアさんと一緒に部屋の中に入り、まだ俺の事を気にしていた。
俺とユリウス父さんの事を知っての事だろう……
「大丈夫だよ、にぃ、ごめんね心配かけて…」
ルカリオ兄は笑顔ではいるが、ユリウス父さんの事を聞きたいのかもしれない、でも今は俺の側でギュッと手を握り締めているだけだった。
「御用意が出来ましたのでこちらにどうぞ」
メイドのカトリアさんが俺とルカリオ兄の朝食を用意してくれて、料理を見て驚いた。
見覚えのある、ベーコンハムに、目玉焼きにポテトのサラダ、スープにはコーンスープにパンが食パンの形で、良くお店で見掛ける5枚切りの厚さのパンが並び、マーガリンのような容器に赤いジャム…イチゴジャムか?!がテーブルに並べられていた。
俺の……本田家の朝食に似ていた。
「……この朝食は……」
「珍しいですよね、朝のルカリオ坊っちゃま達が食されます食事は殆どこの料理と決めているようで、旦那様が昔からの大好きな食べ物だそうです。」
…貴族に生まれ何不自由無く暮らしているのに、前世の記憶が恋しくてこの世界でも取り入れているアイツは、先にこの国に生まれ、俺が生まれる日を待っていたのだろうか…
俺は懐かしい朝ごはんを食べ、俺の周りにはあの家で4人暮らした日々が思い出されていた。
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