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ルカリオ兄の部屋まで、気を失なっている俺を抱き抱えているユリウス父さんの姿を、朝の仕事をしているメイド達が騒いでいた。
「ねぇ、ねぇ、旦那様が抱き抱えているのはカイト坊っちゃまじゃない?どうしたのかしら…さっきまでお元気だったのに…」
「でも、絵に成るような御二人よね…カイト坊っちゃまが御子様とは思えないわ」
またメイド達が騒ぎだしていた頃、ユリーナ母さんはメイド達に衣装の仕度をして貰いボーっと姿鏡を見ていた。
「奥様、何処か具合でも悪いので御座いますか?はっ、もしやおめでたで御座いますか?」
ユリーナ母さん付きのメイド1人が、顔を真っ赤にして手を口許に持っていき、毎日のようにユリウス父さんと関係が続いていた為、8人目が…と何十回と関係があるからおめでたになってもおかしくない、とメイド達3人はお互い顔を見合わせていた。
「ふふふっ、違うわよまた赤ちゃんが出来たら旦那様と出来なく成るじゃないの、旦那様はカイちゃんまでと決めていたそうよ…子供を持っのは、私もそれが良いと思って居るの。また赤ちゃんが出来たら、私達の夫婦の時間が無いんですもの!ふふふ」
メイド達3人とも、ユリーナ母さんの夫婦の時間の執着に呆れた様な顔をして、ユリーナ母さんの仕度を終えていた。
「……ねぇ、貴女達カイちゃんの事していたの?」
ユリーナ母さんのカイトの事を聞かれドキッとお互い顔を見合わせていた。
「……はい、私達メイド殆どの者が知っております…」
「!?貴女達メイドが知っているのに、母親の私が知らないのはおかしいでしょ?」
ユリーナ母さんは側にあった化粧道具の1つを投げ付けた。
「も、申し訳御座いません奥様…ルカリオ坊っちゃまに固く口止めを去れておりましたので……」
驚いたメイドの1人が慌てて話し出していた。
「…ルーちゃんが?」
「はい……カイト坊っちゃまの魔力の暴走の為にお姿が変わられ奥様と御子様方にはまだ、御話が出来ないと申されまして…」
「……どうしてルーちゃんがカイちゃんのあの姿を知って居るの?」
ユリーナ母さんは化粧台の椅子に腰掛け腕を組メイド達に問い詰めていた。
「ルカリオ坊っちゃまが、私達のメイド室に来られました時にお側にはカイト坊っちゃまの、あのお姿でいらしていたと言う事で、後の事は詳しくは私達も分かりません……」
「……いいわ、貴女達は下がって」
「「「はい、奥様……」」」
1人になったユリーナ母さんは考え込んでいた
「……旦那様はカイちゃんのあの姿を始めから知っていらしたの?では、昨日の夕食の時に御話を成された事は嘘でしたの!?」
ユリーナ母さんはユリウス父さんが始めて自分に隠していた事に
腹を立ててはいたが1歳のカイトが変わった姿で、皆の前には見せる事が出来ないと思いユリウス父さんが悩み私達にあのような嘘を言ったのかも……と、いつも自分だけを愛してくれているユリウス父さんに、今回は自分に嘘を付いた事は許してあげようと大勢のメイド達が居るのに、関係を持たないユリウス父さんに自分だけを愛してくれている事に喜びを感じていた。
だからユリーナ母さんは、メイド達がユリウス父さんに寄って来ないように、廊下でキスをしたり、昼間でも夜でも自分だけを愛してくれているという事を、メイド達に知らせる為でもあった。
「ふふっ、旦那様私に嘘を付いたのですから、今夜も愛して貰わないと…」
ユリーナ母さんは笑みがたえず、今夜の夫婦の時間を楽しみに部屋を出て、朝食の部屋に向かった。









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