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風呂場まで一緒に歩いている俺とメイドのカトリアさんに廊下で掃除をしているメイド達に何故か睨まれて居るようで怖い……
「…カトリアさん…何故か廊下で朝の掃除をしているメイド達に睨まれて居るような気がするのですが……」
「え?ふふっ、気のせいですよカイト坊っちゃま!」
隣で一緒に歩いて居るメイドのカトリアさんの顔を見るとニコニコ笑顔で話してくれたが…隣の距離が近いと言うか…
俺は右手で頭を触りそれを見ていたメイドのカトリアさんが聞いてきた。
「…カイト坊っちゃま、右手の傷が治ったのですか!?」
「え、あ…はい、いつの間にか治ったみたいで……」
「あんなに傷が酷いのに治ったのですか?もしかして治癒能力をお持ちでは?カイト坊っちゃま」
「…いゃ…それはないと思う薬が良かったかも」
ユリウス父さんから治して貰ったとは言え無い為笑って誤魔化していた。歩きながらメイドのカトリアさんと話をしていると、見知ったメイドが1人ほうきを持ち俺達の側に来た。
「お、御早う御座いますカイト坊っちゃま」
「御早う御座います。朝の掃除有難う御座います」
「あ…いぇ、メイドの仕事ですから……あの、表を出歩いても大丈夫なのですか?私達がルカリオ坊っちゃまの部屋にお邪魔をした時は隠れて御出でしたので……」
今俺と話をしているメイドは、3人ルカリオ兄の部屋を覗き?をしていた内の1人のメイドが心配そうに訪ねていた。
「…はい、まだ家族の皆には知らせては居ませんが、近い内にメイドの方々にも挨拶をしたいと思っています。」
メイドと話をしているなか、隣に居るメイドのカトリアさんが静な為、チラッと顔を見た。カトリアさんがムスッとした顔が見え
俺は何故?と思いはしたが、メイドはカトリアさんにお構い無く話だし、俺達が話をして居るのを見ていたメイド達が集まり出し俺の周りにはメイドが10人は居ると思う程集まり出した。
「ち、ちょっとあんた達カイト坊っちゃまは今から用事なのよ!」
「きゃっ、ちょっと誰よ押し出したのは!?」
メイドのカトリアさんと今まで話をしていたメイドが、他のメイド達に押し出され2人はメイド達の周りから外された。
「御早う御座いますカイト坊っちゃま今からどちらへ?」
「本当に黒髪に黒い目…旦那様とは別人で素敵です」
「初めまして、私カイト坊っちゃまが、赤子様の時にベビーベッドのお敷き物を洗う担当をしておりました。汚れ等なくいっも感心しておりました。」
「え!あ、恥ずかしいな…毎日の洗濯有難う御座います…」
俺は困った顔で苦笑いをして見せた。
きや~~~~~っ!!
と、廊下が響き渡るような声が聞こえ、離れに掃除をしていたメイド達も手を休め俺の周りに集まり出した。
(ええっ!?何故?俺お風呂場に行きたいのに…)
「何を騒いで居るのですか貴女達は!?」
1人のメイドが俺の周りに集まっていたメイド達を静まり返らせた。メイド達は慌てて持ち場に戻り、俺とメイドのカトリアさん2人がその場に残った。
大勢俺の側にいたメイド達が居なくなり、メイド達を注意していたメイドが俺達の側に近寄って来た。
俺とメイドのカトリアさんが目の前のメイドに礼をした。
「!……貴方は廊下で…」
俺に話し掛けたのはメイド長だった。


数十分前の事、ユリウス父さんとユリーナ母さんは部屋の掃除をメイド達に頼み2人廊下を歩いていた。ユリーナ母さんはべったりとユリウス父さんの腕に体を寄せ、グイグイと自分の柔らかな胸を押しあてまだ誘って居るように見える。
掃除の為すれ違うメイド達もユリウス父さんの顔の傷に驚くが、ベタベタと見せ付ける姿に、慌てて礼をして通り過ぎるメイドもいた。
ユリーナ母さんの部屋の前に着くと、ユリーナ母さんはユリウス父さんに抱き付き熱いキスをしていた。
それを見たメイド達は元来た廊下を引き返すメイド達が結構いた
「…っ……ユ、ユリーナ…皆見ている目の前では駄目だと言ったよ」
「ふふふっ、だって旦那様が余りにも素敵だからメイド達に見せ付けたいのですわ」
「……私は今こんな顔になっているよ」
「どのようなお姿でも、旦那様の体は私のモノですわ」
廊下でキスを続ける2人を見て何人かのメイド達はイラだっていた。
「なぁにあれ!私達に見せ付けてるの?!」
「廊下で止めて欲しいわ。仕事をしている私達の身にもなってよ」
愚痴が絶えないメイド達に周りからザワザワとメイド達が騒いでいた。
ユリーナ母さんの部屋の前で2人キスをしていたユリウス父さんとユリーナ母さんも廊下の先から騒がしい声に気付いた。
「?!何の騒ぎだ?」
「何かしら?」
2人は廊下の先でメイド達が騒いでいる場所に行く事にした。
廊下を歩く箇所にはいっも掃除をしているメイド達の姿が見えず廊下の先に、メイド達何十人集まっているだろうか、メイド達の真ん中に目立つ容姿の青年が、困った顔で立って居るのが見えた。
黒髪に黒い目に黒い服顔立ちも良くスタイルも良い、周りに女が集まっている光景は、勇樹の時に何度も見て何度その場を兄の手を引き連れ出した事か…ユリウス父さんは自分が勇樹の頃を思い出していた。
「……まぁ……どなたですの?……」
ユリーナ母さんは快斗の姿を見て頬を赤く染め手を口許に触ったままボー…っと快斗の姿を見ていた。
ユリウス父さんは、周りのメイド達がカイトを困らせている事に足を運ぼうとした時に、メイド長の声とカイトの周りにいたメイド達が離れホッと胸を撫で下ろし、ふと…カイトの首に付いたキスマークを思い出し、一体誰があれを付けたのか…と離れて見ていたユリウス父さんの顔がカイトを睨むように見ていた。












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