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家族皆で集まる部屋にユリウス父さんが入り、皆驚きの顔でユリウス父さんの顔を見た!
左の頬が赤く腫れ口の中に含んだように膨れ、唇の横には青アザができ、綺麗な顔が半分別人の様な姿で家族の前に現れた。
「キャアーッ!?だ、旦那様どうしたのですかその顔は……?」
ユリーナ母さんが悲鳴を上げ口に手をあて驚き、兄姉達はユリウス父さんの変わり果てた姿に驚き、口が空いたまま声が出なかった。
ユリウス父さんの事情を知っているルカリオ兄は、カイトが体が大きくなった時に、ユリウス父さんの顔を殴ったとは聞いてはいたが、こんなに成るものなのか?と、ただユリウス父さんの腫れ上がった顔を見ているだけだった。
「ハハハハ…皆に驚かせてしまったね。私の部屋で転び家具にぶっかりこんなになってしまったよ。カッコ悪い父様でごめんね」
運動神経が抜群のユリウス父さんが、部屋で転び家具にぶっかるのだろうかと、家族皆ユリウス父さんが凄い事は知っているだけに未だに信じられないと皆思っている中でルカリオ兄は、顔を殴ったのが、カイトだという事を隠しているユリウス父さんが、カイトを庇ったのだと1人思っていた。
「…父様大丈夫?僕達がお部屋に来た時はこんなに酷くなかったよ…」
ジェーン兄とリン姉が部屋に来た時は、ただ頬が赤くなっているだけで、時間が過ぎた頃に酷くなったようだ。
「大丈夫だよ、ジェーン。心配掛けたね。」
ユリウス父さんはニコッと半分笑い、「イタタタ!」と言いながら左頬を触っていた。
「とー様痛そう…」
「僕も良く棚にぶっかるから気を付けるよ」
「ショーンお兄様はただのお寝坊ですわ」
「うわ…父様の綺麗なお顔が……」
「……」
ルカリオ兄は、カイトがユリウス父さんに会いたがらない訳が分かったと思い、暫くは自分の部屋でカイトを見てあげたいと思った。
「さぁ、お腹が空いたね皆頂くとしょうか」
ユリウス父さんの合図で皆食事を始めていた。
「カイちゃんは母様のお部屋に居るの?」
リン姉がユリウス父さんにカイトの事を訪ねると、動いていたフォークとナイフの手が止まった。
「……今は食事中だから後で話をしょう…」
いっもと雰囲気が違うユリウス父さんに、皆黙ってしまい先に食事を済ませる事にした。
食事が終わりデザートの時、ユリウス父さんがカイトの事で話をする事にした。
「……皆も知っていると思うけど、カイトが熱で倒れてしまったんだ。それで魔力の暴走な事が起きてしまって、今は用心の為に私の知り合いに預かって貰って居るんだ…ここには、カイトは今は居ないんだよ」
カイトが居ないと聞き兄姉はしーんとなり、下を向いていた。
「旦那様カイちゃんを預けてますと言われましたが、いつ頃にカイちゃんは戻って来るのですか?」
ユリーナ母さんが心配をして、カイトの帰りを聞いていた
「…明日帰るのか、いつに成るのか私も分からないんだ。魔力の暴走が静まれば帰って来ると思うが……」
「…クスン…クスン……カイちゃんに会いたいよ~っ…」
リン姉が大好きなデザートにも手を付けず泣き出してしまった。
隣に座って居るルカリオ兄がリン姉を宥めていた。
ルカリオ兄は、ユリウス父さんの話に疑問を持つていた。カイトの魔力の暴走だけで、何故嘘の話をするのだろうかと……魔力の暴走はきょうだい皆経験済みで預けるという事は無かった…ルカリオ兄は、時々左頬を触り微かに悲しい顔を見せるユリウス父さんを見ていた。





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