転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

３４

俺はメイドのカトリアさんが用意してくれた夕食をテーブルに並べるのを見ていたが、何故かお皿が二枚有り、食べ物も２人分に分け始めて俺はルカリオ兄の？と首を傾げて用意を見ていた。
「……あの、カトリアさんお皿と食べ物が２人分有りますが…」
「私の分です。カイト坊っちゃまが、寂しいと思いまして、お食事は私達の夕食に成りますが良かったら食べて下さい……でも、数時間前まで赤子様とは信じられません、そのお姿に随分馴れてるようにも見えます…それに会話までも、さすが旦那様の御子様ですね」
俺は苦笑いをするとメイド達の事を思い出しカトリアさんに聞いてみた。
「あの…それでどうでした？皆さんに話して貰えましたか？」
「はい、メイド全員カイト坊っちゃまのお姿を聞いて居ましたが
大丈夫だと思います。ルカリオ坊っちゃまがお戻りに成りましたらお話し致します。」
「……全員」
噂に成るような姿をしてるからな…しかしメイド全員知っているとは思っても居なかったな…俺はメイドのカトリアさんが大丈夫ですと言ってくれたものの不安だったが、取り敢えず目の前に用意されたご飯を頂く事にした。
ルカリオ兄が、部屋を出て１人食事の部屋に向かっているルカリオ兄は、内心ドキドキと鼓動の打つ音が、外側からでも聞こえるくらいに緊張が隠せないでいた。
（どうか父様には気付かれないように…）
ルカリオ兄は食事部屋に入ると、まだユリウス父さんの姿は無かった。姿が無いことで今はホッと、胸を撫で下ろすルカリオ兄だった。
「あーっ、ルーお兄ちゃま遅いよ！」
母様ときようだい全員集まっている中で、妹のリンが手を振り呼んでいた。
「……ごめんね、皆集まっていたんだね」
ルカリオ兄が席に着き、皆父様が来るのを待っていた。
「母様、カイトは部屋に戻って来たの？」
ジェーン兄が心配な顔を見せ、赤ん坊のカイトの事をユリーナ母さんに聞いていた。
「それがまだカイちゃん、母様の所には戻っては居ないのよ…メイド長の話だと旦那様からカイちゃんの事で、話があると聞いているだけなの」
ユリーナ母さんが首を傾げて兄姉達に話していた。
「今日カイトに何かあったのですか？」
長男のショーン兄がユリーナ母さんに聞いていた。
「……今日のお昼にカイちゃんが熱で倒れたの、医師様も来てカイちゃんは元気になったけど、それでカイちゃんを旦那様が部屋に連れて行ったっきりなのよ」
「ええ～っ？カイちゃん熱出たの！？」
「母様の所に戻ってないのですか？」
赤ん坊のカイトの事情を知らなかった上の兄姉は驚いて、ユリーナ母さんに聞いていた。
学校から帰った兄と姉にはメイド達は、カイトの事は話しては居ないようだった。
「ルカリオ兄様はカイトが熱出たこと知って居たの？」
「え？あ、うんメイドから聞いたよ…」
弟のジェーンから聞かれ、ドキッとしたルカリオ兄だが何とか答える事が出来た。
「あのね、ジェーン兄様とおやつ食べ終わって、カイちゃんを見に母様の部屋に行ったけど、カイちゃんは今父様の所に居ると聞いて、ジェーン兄様と一緒に父様のお部屋に行ったけど、父様が凄い事になってたの」
「凄い事？」
アニー姉が何？みたいな顔で妹のリン姉の顔を見ていた。
「僕達が父様の部屋に居たとき、メイド長と医師様が一緒に居てそれで父様のお顔を見たら怪我をしていたよ。凄く痛そうで…でもカイトは居なかったんだ…」
ルカリオ兄はジェーン兄の話を聞き、本当にカイがユリウス父さんを殴ったんだと思い、そして、ユリウス父さんが皆が集まって居る部屋に入り皆ユリウス父さんの顔を見て驚いていた。