転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

３０

「旦那様のお怪我を１歳のカイト様が出来る筈は御座いません、本当の事を申し出て下さいませ旦那様！」
メイド長はユリウス父さんの話を信じては居なかったようで、ユリウス父さんの頬を見てこれは大人同士で出来たものと思っていたようだ。
「今のカイトは姿を変える事が出来る。私は１０代後半のカイトに会っている。この頬はその時のものだ……」
メイド長と白髪の医師はお互い顔を見合せ驚いていた。
姿を変える事が出来ると聞いて、カイトを早く探したいが今のカイトの姿は１歳児なのか成長した姿なのか悩んでいるなかメイド長はカイトを探し出せる事を思い出していた。
「旦那様、カイト様の気をお探しに成りませんか？旦那様とカイト様は親子です。カイト様の気をお探し出来るはずで御座います。」
「……カイトの気…」
ユリウスもカイトが今何処に居るのか気には成っていた。
「分かった探して見るよ」
ユリウス父さんは目を閉じカイトの気を探していた。
いろんな気から探りだし、カイトの気の気配を感じとった時弾かれた。
『お前何勝手に人の中に入ろうとしている消えろ！』
バチッ！！
「！？っ……」
カイトの気を感じ取り、後少し何処に居るのか分かる時に、日本語で快斗から弾かれてしまう。
「旦那様！？大丈夫で御座いますか？カイト様は見つかりましたか？」
「……いや…もう少し分かる時にカイトが私の気をはね除けた」
「…カイト様が旦那様の気を……」
ユリウス父さんは転生者の為、この国では優秀に優れた能力を持ち剣と魔法にも誰もユリウス父さんに敵う者は居なかった。その才能を見込まれ城の王達の護衛騎士に選ばれた。
そのユリウス父さんを押し退けたカイトにメイド長と白髪の医師は驚き、自分の気を弾き飛ばしたカイトにフッ……と笑みを浮かべているユリウス父さんがいた。
『兄ちゃんにはやっぱ敵わないや……』
「！？旦那様笑っている場合では御座いません。早くカイト様をお探しに成りませんと……」
「……カイトは今日姿を見せる事は無いだろう…この屋敷の中に居る事が分かればそのうちに、カイトの方から姿を見せる…今後カイトの事で話し合いをしたいと思う」
「……では今カイト様はこの屋敷の中の何処かにいらっしゃると…」
「ああ……」
「…奥様には…お子様方にはどうなさいますか？」
「……今カイトは知人に療養の為預けて居ると話すよ……」
大人３人は部屋の中で黙ったまま、今後どうなるのか分からない不安のなか、ルカリオ兄の部屋の中に居る快斗は、ユリウス父さん勇樹が自分を探している事に気付き、弾き飛ばした所だった。
（……俺を探し始めたかユリウス父さんは…まぁ、この姿で屋敷の中をウロウロしたら目立つからな…）
俺は今ルカリオ兄の部屋で手の傷の治療を終えた処だった。
「今の父様から？」
ユリウス父さんの気に気付いたルカリオ兄が、俺が座っているベッドの隣で俺の顔を見て話し掛けていた。
「…うん父様が僕を探しているみたい。」
「カイを探していたら、今から父様の部屋に行こう」
「……父様とは今は会いたく無いんだ。僕父様を殴ったからだから今会いたく無いんだ。」
「ええーっ！？父様を殴った？」
「ハハハ…にぃの顔凄く目が大きくなってるよ。僕が突然大きくなった時に、その時父様の顔に手をぶっけてしまって…だから僕部屋を飛び出して来たんだ」
自分でも嘘話を作る天才なのかと思うほど、スラスラと言葉が出て驚きだな。
「でもそれカイのせいでは無いんでしょ？父様に話せば分かってくれるよ、それに母様と兄様達にも今の姿のカイを知らせないと」
「……にぃ、僕父様にも母様にも今は会いたく無いんだ…」
俺は今ユリウス父さんとユリーナ母さんには会いたくなかった。会ったら２人の顔が怒りで爆発しそうだから……
俺が黙って下を向いているとルカリオ兄が何を思ったのか大人の俺の頭を撫で始め話出した。
「分かったよカイ、何も心配しなくても良いよ。今夜は僕の部屋で寝ると良いよ、あっ！カイ夕食はどうするの？母様の…は無理みたいだね……」
にぃは、ユリーナ母さんのおっぱいの事を言おうとして顔が真っ赤になり、こうやってルカリオ兄を見ると普通の小学生の子供だなと思ってしまった。