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「カイ!カイ……」
「うん、うん、ここにいるよ」
俺は小さなルカリオ兄の背中を軽くポンポンと叩き安心させ、そして話し出した。
「部屋に案内してくれるかい?」
「…グスッ……うん」
ルカリオ兄が少し落ち着いた為、俺は体を起こしルカリオ兄の手を握り歩き出した。俺のこの姿を初めて見た時より、ルカリオ兄の笑顔がいっも部屋で会いに来る笑顔になっていた。
「カイ…聞いてもいい?」
「どうしてこの姿なのか普通に話しているのか聞きたいんだね」
俺は聞かれる前から分かっていた。
「…うん……さっきメイド達が話していたけど、熱で倒れたって聞いたけど……本当なの?……それに…父様と母様が……」
ルカリオ兄が、ユリウス父さんとユリーナ母さんの事を聞きたいみたいだが…こんな事子供には言えないよな……
「熱は本当だよ、多分熱の為に魔力が暴走してこの姿と話しをする事が出来たと思う……父様と母様は…分からないけど……」
俺自信も本当はよく分からない…あの白い影から命を貰い俺の中の何かが変わったのかもしれない…。
「……もう赤ちゃんのカイトには戻れないの?」
ルカリオ兄が寂しそうに俺の方を見上げて言った。
「クスッ…赤ちゃんのカイトが良いの?」
俺の問いかけに顔を真っ赤にして俺の顔を見ていた。赤ん坊のカイトにいろんな事をしてきたからだろうな…急に赤ん坊が大人になっているから恥ずかしさが隠しきれないだろう
「心配しなくても良いよ、赤ちゃんのカイトには戻るから…でも時々魔力が暴走したら、大人のカイトに会ってくれる?」
「うん!」
ルカリオ兄は俺が赤ん坊のカイトに会えると言うと、喜んでくれて、ルカリオ兄の部屋に着きそして中に入れてくれた。
「カイ、ベッドで座って待ってて」
「うん」
子供の様な話し方は難しいな…さっきまでユリウス父さんを勇樹を怒鳴り散らしていたからな…俺はルカリオ兄の部屋を見渡していた。1人部屋?だろうかやけに広く本棚には本が沢山あり表紙だけで見ても色しか着いていないように見える。暫くするとルカリオ兄が来て水を入れた容器にタオルのような物を持って、ベッドで座っている俺の側に来て、手の傷の手当ての準備をしてくれた。
「他のにぃにぃとねぇねぇ達は?」
「ショーン兄様とエミリー姉様とアニー姉様はまだおやつを食べてると思うよ、ジェーンとリンは今の時間はお昼寝?かな…2人にはまだ会ってないよ」
ユリーナ母さんの部屋で目覚め、ユリウス父さんに日本語で話不思議がっていた2人に、何とか赤ん坊のカイトを演じたが大丈夫だったかな……俺が考え事をしているとジーとルカリオ兄の視線を感じた。
「どうしたの?」
「え?うん……近くで見るとカイの顔が別人に見えるから…それに髪の毛が黒で瞳の色も黒だから……中身はカイの気配がするのに不思議だと思って…」
そうだよな……普通この国だと金髪に目は金か青の色だよな
「にぃは生まれ変わりとか信じている?」
「生まれ変わり?…本で読んだ事あるけど転生って事なの?」
「うん……この姿はこの国に生まれる前の姿で、記憶も残っているんだよ……だから熱で倒れた時「カイト」の生まれる前の姿になったんだ」
俺はユリウス父さんが俺の弟だと言う事は言わない事にした。
「……父様もカイのこの姿知ってるの?僕と会う前父様の部屋がある所から歩いて来たから…」
「……うん…知ってるよ。母様の部屋を出て父様の部屋に着いた時に魔力の暴走が始まって、この姿になったんだ…手のケガもその時着いたみたいで……でもこの姿を知っているのは、父様とにぃだけだよ」
少し嘘を言ってしまったが、ユリウス父さんの部屋で快斗になったのは本当だけどな…
「にぃはこの姿嫌い?」
「…嫌いじゃないよ、初めて見たから驚いたんだ…でも余り他の人には見せたくない姿だけど……」
「黒だからね皆恐がりそうだから」
「え?その逆だよカイ…女の人が寄って来る姿だから、見せたくないと思ったんだ」
ルカリオ兄は頬を赤く染めて、俺はただ苦笑いをするしかなかった。
「うん、うん、ここにいるよ」
俺は小さなルカリオ兄の背中を軽くポンポンと叩き安心させ、そして話し出した。
「部屋に案内してくれるかい?」
「…グスッ……うん」
ルカリオ兄が少し落ち着いた為、俺は体を起こしルカリオ兄の手を握り歩き出した。俺のこの姿を初めて見た時より、ルカリオ兄の笑顔がいっも部屋で会いに来る笑顔になっていた。
「カイ…聞いてもいい?」
「どうしてこの姿なのか普通に話しているのか聞きたいんだね」
俺は聞かれる前から分かっていた。
「…うん……さっきメイド達が話していたけど、熱で倒れたって聞いたけど……本当なの?……それに…父様と母様が……」
ルカリオ兄が、ユリウス父さんとユリーナ母さんの事を聞きたいみたいだが…こんな事子供には言えないよな……
「熱は本当だよ、多分熱の為に魔力が暴走してこの姿と話しをする事が出来たと思う……父様と母様は…分からないけど……」
俺自信も本当はよく分からない…あの白い影から命を貰い俺の中の何かが変わったのかもしれない…。
「……もう赤ちゃんのカイトには戻れないの?」
ルカリオ兄が寂しそうに俺の方を見上げて言った。
「クスッ…赤ちゃんのカイトが良いの?」
俺の問いかけに顔を真っ赤にして俺の顔を見ていた。赤ん坊のカイトにいろんな事をしてきたからだろうな…急に赤ん坊が大人になっているから恥ずかしさが隠しきれないだろう
「心配しなくても良いよ、赤ちゃんのカイトには戻るから…でも時々魔力が暴走したら、大人のカイトに会ってくれる?」
「うん!」
ルカリオ兄は俺が赤ん坊のカイトに会えると言うと、喜んでくれて、ルカリオ兄の部屋に着きそして中に入れてくれた。
「カイ、ベッドで座って待ってて」
「うん」
子供の様な話し方は難しいな…さっきまでユリウス父さんを勇樹を怒鳴り散らしていたからな…俺はルカリオ兄の部屋を見渡していた。1人部屋?だろうかやけに広く本棚には本が沢山あり表紙だけで見ても色しか着いていないように見える。暫くするとルカリオ兄が来て水を入れた容器にタオルのような物を持って、ベッドで座っている俺の側に来て、手の傷の手当ての準備をしてくれた。
「他のにぃにぃとねぇねぇ達は?」
「ショーン兄様とエミリー姉様とアニー姉様はまだおやつを食べてると思うよ、ジェーンとリンは今の時間はお昼寝?かな…2人にはまだ会ってないよ」
ユリーナ母さんの部屋で目覚め、ユリウス父さんに日本語で話不思議がっていた2人に、何とか赤ん坊のカイトを演じたが大丈夫だったかな……俺が考え事をしているとジーとルカリオ兄の視線を感じた。
「どうしたの?」
「え?うん……近くで見るとカイの顔が別人に見えるから…それに髪の毛が黒で瞳の色も黒だから……中身はカイの気配がするのに不思議だと思って…」
そうだよな……普通この国だと金髪に目は金か青の色だよな
「にぃは生まれ変わりとか信じている?」
「生まれ変わり?…本で読んだ事あるけど転生って事なの?」
「うん……この姿はこの国に生まれる前の姿で、記憶も残っているんだよ……だから熱で倒れた時「カイト」の生まれる前の姿になったんだ」
俺はユリウス父さんが俺の弟だと言う事は言わない事にした。
「……父様もカイのこの姿知ってるの?僕と会う前父様の部屋がある所から歩いて来たから…」
「……うん…知ってるよ。母様の部屋を出て父様の部屋に着いた時に魔力の暴走が始まって、この姿になったんだ…手のケガもその時着いたみたいで……でもこの姿を知っているのは、父様とにぃだけだよ」
少し嘘を言ってしまったが、ユリウス父さんの部屋で快斗になったのは本当だけどな…
「にぃはこの姿嫌い?」
「…嫌いじゃないよ、初めて見たから驚いたんだ…でも余り他の人には見せたくない姿だけど……」
「黒だからね皆恐がりそうだから」
「え?その逆だよカイ…女の人が寄って来る姿だから、見せたくないと思ったんだ」
ルカリオ兄は頬を赤く染めて、俺はただ苦笑いをするしかなかった。
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