転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

１３

「旦那様何か冷たいお飲み物をお持ちしますね」
ユリーナ母さんが俺の頬にキスをしてベッドに座らせると部屋を出ていった。
ユリーナ母さんが部屋を出た後ユリウス父さんが服を着ている事に気付き、俺が座っているベビーベッドの側に来た。
「…カイトに恥ずかしい処を見られてしまったね……ユリーナも好きな方だから中々離してはくれないんだ…」
ユリウス父さんは困った笑みで俺の頬に手をやり触っていた。
まぁユリーナ母さんを見たら分かるけど、エッチ好きそうだし昼間もして夜もするほどだからな…まさか二人のヤっている処を見るとは思わなかった。以前も声が聞こえ、二人がヤっている処は分かったが此処まではっきりと見る事は無かった。今日はユリウス…勇樹も俺に気付いての行動だったからな…まぁ、二人とも容姿が外国人だからテレビか映画でも見ている感じだった。
「……カイトあの空間で待って居てくれる？後で来るから」
ユリウス父さんは俺の顔を見てニコッと笑い、赤ん坊の俺はコクンと頭を動かして答えた。
暫くしてユリーナ母さんが戻り、俺はユリウス父さんから体を寝かして貰うと、ユリーナ母さんのベッドに戻り、グラスを渡され二人ベッドの上に座り、グラスの中に注がれた飲み物を飲んでいた。
俺はベッドの中で二人の様子を見ながらウトウト成り掛けた。
眠りにつく前に覚えている事は、ユリーナ母さんがグラスの水を口に含みユリウス父さんに口移しをして飲ませ、それに答えるかの要に、ユリウス父さんも口移しでユリーナ母さんに飲ませ…その後二人ベッドの中で寄り添う処までは覚えていた。
俺は快斗の姿で森の空間に立っていた。
俺が来た事が分かったのか光の玉がスィ～とやって来て俺の周りをグルグル回り始めた。
「ハハハ、２～３日ぶりかな元気だったか？」
俺は近くの木に腰をおとし勇樹が来るのを待っていた……いや…多分来ないかも知れない……あの後そういう雰囲気だったから…
何だろう…心の中がポッカリと穴が空いた感じがして、勇樹が来てくれると思う待っ喜びと、来ないと分かっている寂しい気持ちが俺の中でグルグルと回っているようだ。
心の中では分かっている、赤ん坊の俺のユリウス父さんとユリーナ母さんだということを…いざ目の前で二人の愛し合う姿を見たら何故か胸の奥がﾁｸｯと痛みが刺さる思いがして成らなかった。
俺は勇樹が来るのを待っている間眠ってしまった要で、意識が薄れて行く中で透明に見える人の様な影が俺の唇にそっとキスをする感じがした。
《……お前…の……側に……いて……の……に…》
以前に聞いた声が何だか悲しい声に聞こえて、俺が眠るまでずっと側に居たように感じた。
そして勇樹は俺の処には来なかった。