転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

新しい命《転生》

コポ…コポ…温かな水の中で眠っている。
時々外側から誰かが触って要るのが分かる…誰だろう…色々な手で触るのが分かり、優しく撫でる手、ペタペタと軽く触る手、ただ黙って置いている手…俺は色んな手に答えるようにぐぐっ…と背伸びをして中から押してやった
すると外側から無数の声が聞こえてきた。キャー、キャーと笑い声が聞こえ何がそんなに可笑しいのだろうと思った。
それから毎日の様に無数の手が触り今日もキャー、キャー騒いでいた……楽しそうに騒ぐのでどんな人達だろうと気になっていた時、急に息が苦しくなった…苦しいからバタバタと暴れ早くここから出してと一生懸命動いた…苦しい、苦しい……死にたくない…
「そうだ…俺は仕事の残業で突然胸が苦しくなり倒れてしまった……俺の名前…俺の名前は本田快斗……神様がまた俺に命を吹き込んだ…今俺の新しいお母さんが俺を外に出してあげようと頑張っている。頑張れ、頑張れ…俺も頑張るから……」そして…
『快斗兄ちゃん俺の手を取って！！』
「勇樹！？」
俺は目の前に差し伸べている手を掴んだ！
スルスル～と、まるで滑り台から滑るように体が眩しい場所に出た。息が出来る。俺は生きているんだと思ったら目から涙が溢れ大声で泣いた！！
「オギャア～オギャア～オギャア」
「おめでとう御座います元気な男の子で御座います」
俺を取り出した年を取ったおばさんが俺のお母さんとなる人の隣に俺は寝かされた……その人の傍はとても良い匂いがして、本田快斗の母さんを思い出す…俺が死んだ後父さんと母さんはどうなったんだ？まだ向こうで生きているのか？そして勇樹は？
俺は向こうに残してきた両親と勇樹を思い出すとまた泣いてしまった
「あらあら泣き虫さんですね、私の坊やは」
優しい声でこの人が俺の母親に成るんだ。目はまだ見えないけど優しそうな人だと分かった
ドアの外からノックをする音が聞こえてきた
「ユリーナ開けるよ」
ドアの外だろうか男の声が聞こえた声は爽やか系の甘く優しい声だった
「旦那様」
「有難うユリーナ私と君の子供が増えたね」
チュッとキスをする音が聞こえたそうかここは外国に似た国何だ挨拶でキスは苦手かも……この男の人が多分俺の父親だと思う奥さんにキスしてたからな…俺が考え事をしていると「抱いても良いかい？」と父親だという人が俺を抱っこしていた
「可愛いな、私と君にそっくりだよ」
「ふふ、旦那様子供達にも同じ事を言われてましたよ」
「え、そうだったかい？」
どうやら俺には何人かの兄姉がいるようだ
「この子の名前はもう決めていたんだユリーナ」
「まぁ、今までの子供達は私と相談で決めていましたのに珍しいのですね」
「私が決めては駄目かい？」
「ふふこの子が気に入ったのね旦那様、良いですわよ」
おお～俺に名前が付くのか、どんな名前かなカッコいい名前が良いな…
「この子の名前はカイト……カイト・ブランシェだよ」
俺は名前が「カイト」と聞いて驚きが隠せなかった