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前世と今世⑤~アルフレッド王子~
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親友のカルロスがアルフレッド王子とセシール嬢の側を離れるとダンスの曲が流れ周りの者達はパートナーと一緒に踊り出した。
「あの…アルフレッド様…」
「……」
隣でダンスの誘いを待つセシール嬢に、アルフレッド王子は小さな息を吐きセシール嬢に手を差し伸べた。
「踊って暮れますか?セシール嬢」
「はい、アルフレッド様」
アルフレッド王子とセシール嬢が踊る姿に見惚れる者が多かった
「まあ、アルフレッド王子と一緒に踊っていますご令嬢はどなたの貴族ですの?」
「バリー・ミシェル子爵様のお嬢様ですわ」
「お二人ともお似合いですわ」
周りの者達が二人がお似合いだと飛び交う会話に、中年の貴族の男性がワイングラスを持ち笑顔で頷く姿があった。
「上手く誘いましたなーっ、バリー殿」
「ん!?これはマチュール伯爵…私が誘いましたとはなんの事でしょう?」
笑顔を見せ子爵の側に来る伯爵の姿があった。
「ハハハ、いえいえ、他の貴族の方々が来る前にお嬢様をアルフレッド王子にご紹介していましたのでは?しかもダンスが始まろうとしていますのを狙っていましたように見えましたが?」
「…それは思い過ごしでは御座いませんか」
「ああっ、そうでしたな…私もアルフレッド王子とお嬢様のダンスが終わりましたら娘を紹介しますかな、それでは失礼致しますバリー・ミシェル子爵」
マチュール伯爵はミシェル子爵に挨拶を終えると娘の元へと歩いて行った。
「ふん、相変わらず嫌な男だ」
最終曲に入りアルフレッド王子と踊るセシール嬢が王子の足を踏んでしまった!
「あ!も、申し訳御座いません…」
「大丈夫だよ…落ち着いて」
「は、はい」
顔を真っ赤にして踊るセシール嬢をじっと見下ろすアルフレッド王子は前世の頃を思い出していた。
(女子とダンスとか、踊った事も無い俺が異世界で踊るとは思わなかたな…思いっきり足踏まれたけど、笑顔で許すなんて自分に褒めたいし、彼女が『駿』の生まれ変わりかもと思ったりもしたけど違うみたいだし……何故違うんだ?と言いきれるのも…俺が転生したから『駿』も、とは限らないのは分かっている…前世の話しが出来る人がいれば…)
ダンスの曲が終わり、アルフレッド王子とセシール嬢に周りの者達が拍手をする姿にセシール嬢は満足気な笑顔を見せていた。
「……」
キョロキョロと周りを見渡し近くにいたメイドに声をかけた。
「君、すまないが料理長に私が作った料理を持って来て欲しいんだ」
「はい、分かりました」
メイドに頼み事をしたアルフレッド王子は貴婦人達に囲まれているセシール嬢から離れ、カルロスを捜す事にした。
「カルロスは何処だ…俺から離れ妹の所に行くとかありえないだろう?」
ムスッとした顔でカルロスを捜すアルフレッド王子に声がかかった。
「アルフレッド王子!」
聞き慣れた声にアルフレッド王子は振り向き、奥の場所には長いテーブルの上に豪華な料理が並び、カルロスが笑顔を見せアルフレッド王子に声をかけていた。
「カルロス!」
アルフレッド王子もカルロスを見て笑顔を見せた時、着飾った女性がカルロスと一緒に豪華な料理を食べていた。
「あの…アルフレッド様…」
「……」
隣でダンスの誘いを待つセシール嬢に、アルフレッド王子は小さな息を吐きセシール嬢に手を差し伸べた。
「踊って暮れますか?セシール嬢」
「はい、アルフレッド様」
アルフレッド王子とセシール嬢が踊る姿に見惚れる者が多かった
「まあ、アルフレッド王子と一緒に踊っていますご令嬢はどなたの貴族ですの?」
「バリー・ミシェル子爵様のお嬢様ですわ」
「お二人ともお似合いですわ」
周りの者達が二人がお似合いだと飛び交う会話に、中年の貴族の男性がワイングラスを持ち笑顔で頷く姿があった。
「上手く誘いましたなーっ、バリー殿」
「ん!?これはマチュール伯爵…私が誘いましたとはなんの事でしょう?」
笑顔を見せ子爵の側に来る伯爵の姿があった。
「ハハハ、いえいえ、他の貴族の方々が来る前にお嬢様をアルフレッド王子にご紹介していましたのでは?しかもダンスが始まろうとしていますのを狙っていましたように見えましたが?」
「…それは思い過ごしでは御座いませんか」
「ああっ、そうでしたな…私もアルフレッド王子とお嬢様のダンスが終わりましたら娘を紹介しますかな、それでは失礼致しますバリー・ミシェル子爵」
マチュール伯爵はミシェル子爵に挨拶を終えると娘の元へと歩いて行った。
「ふん、相変わらず嫌な男だ」
最終曲に入りアルフレッド王子と踊るセシール嬢が王子の足を踏んでしまった!
「あ!も、申し訳御座いません…」
「大丈夫だよ…落ち着いて」
「は、はい」
顔を真っ赤にして踊るセシール嬢をじっと見下ろすアルフレッド王子は前世の頃を思い出していた。
(女子とダンスとか、踊った事も無い俺が異世界で踊るとは思わなかたな…思いっきり足踏まれたけど、笑顔で許すなんて自分に褒めたいし、彼女が『駿』の生まれ変わりかもと思ったりもしたけど違うみたいだし……何故違うんだ?と言いきれるのも…俺が転生したから『駿』も、とは限らないのは分かっている…前世の話しが出来る人がいれば…)
ダンスの曲が終わり、アルフレッド王子とセシール嬢に周りの者達が拍手をする姿にセシール嬢は満足気な笑顔を見せていた。
「……」
キョロキョロと周りを見渡し近くにいたメイドに声をかけた。
「君、すまないが料理長に私が作った料理を持って来て欲しいんだ」
「はい、分かりました」
メイドに頼み事をしたアルフレッド王子は貴婦人達に囲まれているセシール嬢から離れ、カルロスを捜す事にした。
「カルロスは何処だ…俺から離れ妹の所に行くとかありえないだろう?」
ムスッとした顔でカルロスを捜すアルフレッド王子に声がかかった。
「アルフレッド王子!」
聞き慣れた声にアルフレッド王子は振り向き、奥の場所には長いテーブルの上に豪華な料理が並び、カルロスが笑顔を見せアルフレッド王子に声をかけていた。
「カルロス!」
アルフレッド王子もカルロスを見て笑顔を見せた時、着飾った女性がカルロスと一緒に豪華な料理を食べていた。
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