今世では普通に恋をしたい

前世と今世③～アルフレッド王子～

ザワザワと着飾った貴族達の姿が見えアルフレッド王子は披露宴へと現れた。
「まぁ、アルフレッド様よ！今日、十八歳に成りましたと聞きましたわ」
「まだ婚約者がいませんと聞きましたが本当でしょうか？」
「どなたか居るのかしら？」
「今日の披露宴に娘も一緒なのだが、挨拶は今が良いのだろうか？」
色んな話し声が聞こえる中、アルフレッド王子は誰かを捜すように辺りを見渡していた。
「カルロスは何処にいるんだ？披露宴に来ていると思うが…」
「アルフレッド様！！」
アルフレッド王子に声を掛けたのは、同じ学園に通う数名の女子が着飾り側に寄っていた。
「やあ君達、来てくれたんだね」
「はい、素敵な披露宴に呼んでいただき有り難う御座います」
「今日の披露宴楽しみにしていたのです」
「アルフレッド様、今日も素敵です！」
「ダンスのお相手はお決まりですか？私と踊ってくれますか？」
「あっ、ずる…わ、わたくしと踊ってくれますか？アルフレッド様」
「ははは、みんなと踊ってあげるよ」
アルフレッド王子の周りを囲む学園の女子達に笑顔を向けるアルフレッド王子…
「あっ！ち、ちょっと皆アルフレッド様に言っていないわよ」
「ん？」
一人の女子がドレスの両端を持ち上げ、アルフレッド王子の前に頭を下げ祝いの言葉をかけた。
「アルフレッド様、お誕生日おめでとうございます」
「おめでとうございます！！」
側にいた女子全員アルフレッド王子に頭を下げ祝いの言葉を伝えた。
「ありがとう、みんな」
笑顔を向けるアルフレッド王子に女子達も喜んだ。
コッと近付く足音と声にアルフレッド王子は振り向いた。
「ご挨拶申し上げますアルフレッド王子」
正装姿をした貴族の男性がアルフレッド王子の前に立ち頭を下げ側には一緒に頭を下げる女性の姿があった。