騎士の成り損ないと言われた僕は王子の騎士(恋人)に成りました

クロユキ

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招待していない令嬢達⑥

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 僕は目の前に座るアリーナ嬢から話しをしないかと言われ僕は驚いてしまった。
(お話しと言われても何を話せばいいのか分からないから…)
「そんなに堅く成らないで下さい、部屋の中はわたくし達だけですから…」
「…あ、はい…」
笑顔を見せるアリーヌ嬢はやっぱり何処か寂しそうな顔を見せていた。
「…心配いりません」
「え?」
「カイル王子は、時間にはお戻りになりますからその様な不安な顔はしないで下さい…」
「……」
「あ!す、すみません失礼な事を申しまして…」
僕はソファーから立ち上がりアリーヌ嬢に頭を下げた。
「…座って下さい、ロイ様」
「!?あ、あの…僕の名前を…」
「カイル様が…貴方の名前を呼んでいましたので……」
「あ…僕には『様』は要りません‥婚約者と成ります方に敬語は不要です…」
「ロイ様…カイル様の親友の方なのです。わたくしがお呼びしたい名前で呼ばせて下さい…」
アリーヌ嬢は、僕に『様』を付ける呼び方をお願いされ、僕は断る事も出来ず受け入れる事になり、立ち上がった体をソファーに腰を下ろした。
「ロイ様、先ほどわたくしが不安な顔をしていますと言われていましたけど…」
「あ、いえ、あの…」
クスッとアリーヌ嬢の笑みが見えた。
「ミレイ、わたくしの顔はそうなの?」
「えっ、…はい、私が何度も申し上げていましたけど…お嬢様はカイル王子の婚約者なのです堂々としても良いのです」
「ありがとうミレイ、申し訳御座いませんロイ様…顔に出してはいけない事なのに……」
「はぁ…」と小さな息を吐きアリーヌ嬢は笑みを見せていた。
「…僕は、貴女に失礼な事を…申し訳御座いません」
「ロイ様、謝る事はありませんわ」
「その…ロイ様と呼ぶのは…」
「はぁ…アリーヌお嬢様、ロイさん…いえロイ様、いつまで謝るつもりですか?」
「えっ」
「あっ」
アリーヌ嬢のメイドからため息吐く姿を見た僕とアリーヌ嬢は自然と笑顔に成っていた。

ロイとの時間を減らされたカイル王子は、クレア侯爵令嬢と庭園に続く道を歩いていた。
「こんなに素晴らしい花が咲いているのは初めて見ました」
「季節により、咲く花が違うので楽しみがあると思いますクレア様」
クレア嬢に花の説明をしていたのはマリユスでカイル王子は一人先を歩いていた。
(ロイ君を一人置いて来てしまったな…アリーヌ嬢がいるから話し相手をしてくれていると思うが、ロイ君が居る為、無理に令嬢達を帰す事が出来なくてこんなめんどくさい事になった…適当に歩けば時間は過ぎるだろう)
「カイル様!」
「何?」
「『何?』では御座いません、何故お一人で歩いているのですか?クレア様をご案内して下さい」
「俺が案内しなくてもお前がいるだろう?」
「何を申されているのですか、わたくしではなくカイル様がクレア様をご案内しなければならないのですよ!」
「花を見て回って終わるのに案内はしなくて良いだろう?」
「カイル様!」
「ふふふ」
「ク、クレア様!?」
「……」
「ふふっ、あっ、ごめんなさいお二人のやり取りが可笑しくて」
「クレア様、申し訳御座いません…」
「カイル王子とマリユス様は仲が宜しいのですね」
「と、とんでも御座いません、わたくしはいつも振り回されて大変なんです」
「おい!」
クスクスと笑うクレア嬢をマリユスは、カイル王子の話しをしているとカイル王子は止めていた足を歩き出した。
「カイル様、またお一人で…」
「マリユス様、わたくしが行きますわ」
「あ、クレア様…カイル様はクレア様とご一緒で喜ばれております。ただ言葉に出しますのが苦手な方ですから…」
「分かっています。この先はわたくしとカイル王子とお二人にしてください」
「!はい、クレア様」
クレア嬢はマリユスの側を離れ先を歩くカイル王子の後を追った







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