74 / 88
カイル王子の部屋へ②
しおりを挟む
「ロイ君、焼き菓子はどうだった?」
「あ、お、美味しく頂きました…」
「喜んでくれて良かったよ、次は何が良いかな?」
「え?次ですか?」
(まさか、この後もお菓子が来るとか?)
「次にロイ君が俺に会いに来た日に出すお菓子は、何が良いのかなと思って聞いたんだ」
「あ…」
僕は次にカイル王子に会う約束をしていた事を思い出し、テーブルの上に置いた黒いタオルに目を向けた。
(そうだった…庭園で紅茶を溢してカイル王子からタオルを借りていたんだった)
「……カイル王子にお任せ致します…」
「良いの?俺が決めても」
「はい」
「そうだな…カップのケーキも良いな…フルーツも良いしパイケーキも食べたいよな~」
「……」
次に城に来る僕に出すお菓子を考えるカイル王子に可愛いと思ってしまった。
「……っ?!」
(か、可愛い?カイル王子が可愛いなんて…何を考えているんだ僕は……僕を押し倒した人なのに…)
僕は顔が熱く成ってカップを手に持ち口元へやった。
「あれ?ロイ君そのカップ紅茶が空に成ってなかった?」
「あっ!」
「はははは、ロイ君って面白い事をするんだな顔が真っ赤に成って可愛いな」
「かわ…!?」
クスクスと笑うカイル王子に僕は気まずくて…手に持っていたカップを小皿の上に置いた。
(ううっ恥ずかしい…さっきまでお菓子の事を考えるカイル王子に可愛いと思っていた僕が、今度はカイル王子から僕に可愛いと言われてしまった……)
僕は恥ずかしさの余り下を向いていると、側に気配を感じ顔を上げるといつの間にかカイル王子が僕が座るソファーの側に立ち、笑みを見せる顔を見た。
「カイル王子?」
「何もしないと言ったけど……ごめん……」
「え?…」
僕の目の前にカイル王子の顔が影になり僕の唇に触れるのが分かった
「クスッ、あの時も驚いた顔で見ていたね」
「……」
(え!?)
カイル王子の唇が僕の唇に触れた感触が残っている事に気付いた僕は、真っ赤な顔で体が震えていたのに気がついた。
「つ、つ!?……」
「ごめんロイ君、また触れても良い?」
「え!?あ…その……ぼ、僕達は親友なのでは?…」
「うん親友だよ、親友だからロイ君に触れたいと思うんだ」
「……ぇ…」
僕は初めてカイル王子と口付けをした時を思い出し、唇が触れる感覚が甦り混乱していた。
「カ…カ…カ…カイルお……」
「メイドの事は気にしなくて良いよ、俺の影で何をしているのか見えないから」
「メ!!…見え!?……」
僕は言葉に成らない声を出し、例えカイル王子の体で見えなくてもメイドが側にいるだけで僕の頭の中は混乱していた。
(え!?ええ!?本当にカイル王子はメイドが見ている中で…)
僕の頬に触り指先に触れる唇に僕は固まり動けずにいた。
「はぁ…分かったよメイドは席を外すから」
「……ぇ……」
「君たち部屋を出てくれないか?」
「えっ、あ、はいカイル様…」
「は、はい、分かりました……」
メイド達は部屋を出て良いのか悩んだ顔を見せ、部屋の扉を開け出て行こうとして歩く足を止めていた。
「どうした?」
カイル王子は、メイドが扉の前で足を止め部屋を出ない姿を見て少し機嫌が悪い声を出しメイド達に聞いていた。
「…カイル様、ご令嬢の方がお見えです……」
「何!?」
僕に触れていた手が離れ、カイル王子は扉の方へ体を向け、ぞろぞろと部屋の中に入る令嬢達に僕も驚いてしまった
「あ、お、美味しく頂きました…」
「喜んでくれて良かったよ、次は何が良いかな?」
「え?次ですか?」
(まさか、この後もお菓子が来るとか?)
「次にロイ君が俺に会いに来た日に出すお菓子は、何が良いのかなと思って聞いたんだ」
「あ…」
僕は次にカイル王子に会う約束をしていた事を思い出し、テーブルの上に置いた黒いタオルに目を向けた。
(そうだった…庭園で紅茶を溢してカイル王子からタオルを借りていたんだった)
「……カイル王子にお任せ致します…」
「良いの?俺が決めても」
「はい」
「そうだな…カップのケーキも良いな…フルーツも良いしパイケーキも食べたいよな~」
「……」
次に城に来る僕に出すお菓子を考えるカイル王子に可愛いと思ってしまった。
「……っ?!」
(か、可愛い?カイル王子が可愛いなんて…何を考えているんだ僕は……僕を押し倒した人なのに…)
僕は顔が熱く成ってカップを手に持ち口元へやった。
「あれ?ロイ君そのカップ紅茶が空に成ってなかった?」
「あっ!」
「はははは、ロイ君って面白い事をするんだな顔が真っ赤に成って可愛いな」
「かわ…!?」
クスクスと笑うカイル王子に僕は気まずくて…手に持っていたカップを小皿の上に置いた。
(ううっ恥ずかしい…さっきまでお菓子の事を考えるカイル王子に可愛いと思っていた僕が、今度はカイル王子から僕に可愛いと言われてしまった……)
僕は恥ずかしさの余り下を向いていると、側に気配を感じ顔を上げるといつの間にかカイル王子が僕が座るソファーの側に立ち、笑みを見せる顔を見た。
「カイル王子?」
「何もしないと言ったけど……ごめん……」
「え?…」
僕の目の前にカイル王子の顔が影になり僕の唇に触れるのが分かった
「クスッ、あの時も驚いた顔で見ていたね」
「……」
(え!?)
カイル王子の唇が僕の唇に触れた感触が残っている事に気付いた僕は、真っ赤な顔で体が震えていたのに気がついた。
「つ、つ!?……」
「ごめんロイ君、また触れても良い?」
「え!?あ…その……ぼ、僕達は親友なのでは?…」
「うん親友だよ、親友だからロイ君に触れたいと思うんだ」
「……ぇ…」
僕は初めてカイル王子と口付けをした時を思い出し、唇が触れる感覚が甦り混乱していた。
「カ…カ…カ…カイルお……」
「メイドの事は気にしなくて良いよ、俺の影で何をしているのか見えないから」
「メ!!…見え!?……」
僕は言葉に成らない声を出し、例えカイル王子の体で見えなくてもメイドが側にいるだけで僕の頭の中は混乱していた。
(え!?ええ!?本当にカイル王子はメイドが見ている中で…)
僕の頬に触り指先に触れる唇に僕は固まり動けずにいた。
「はぁ…分かったよメイドは席を外すから」
「……ぇ……」
「君たち部屋を出てくれないか?」
「えっ、あ、はいカイル様…」
「は、はい、分かりました……」
メイド達は部屋を出て良いのか悩んだ顔を見せ、部屋の扉を開け出て行こうとして歩く足を止めていた。
「どうした?」
カイル王子は、メイドが扉の前で足を止め部屋を出ない姿を見て少し機嫌が悪い声を出しメイド達に聞いていた。
「…カイル様、ご令嬢の方がお見えです……」
「何!?」
僕に触れていた手が離れ、カイル王子は扉の方へ体を向け、ぞろぞろと部屋の中に入る令嬢達に僕も驚いてしまった
0
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。


【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】

囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
勇者召喚に巻き込まれて追放されたのに、どうして王子のお前がついてくる。
イコ
BL
魔族と戦争を繰り広げている王国は、人材不足のために勇者召喚を行なった。
力ある勇者たちは優遇され、巻き込まれた主人公は追放される。
だが、そんな主人公に優しく声をかけてくれたのは、召喚した側の第五王子様だった。
イケメンの王子様の領地で一緒に領地経営? えっ、男女どっちでも結婚ができる?
頼りになる俺を手放したくないから結婚してほしい?
俺、男と結婚するのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる