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焼き菓子②
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「ロイ君、もう一枚」
「え!?」
僕にまた焼き菓子を向けるカイル王子に戸惑ってしまい、断る事が出来ないと思って、差し出された焼き菓子に手を向けた。
「有り難う御座いま……?!」
スッとカイル王子の焼き菓子を持っ手が逸らされ、手を伸ばしていた僕はそのまま固まり「ふっ」と、不敵な笑みの顔を見せるカイル王子に(僕に向けた焼き菓子は取ってはダメだったのか?)と首を傾げた。
「手で取ってはダメだよロイ君」
「は?……あっ…すみません……」
「それと、親友の俺に謝るのは無しだよ!」
「へ?!…あ……す……う…」
謝る癖がついてしまった僕は、手で口を押さえまたカイル王子に謝る声を出そうとしていた。
(?…手を使わないで食べるなんて出来ないのに、どうやってカイル王子から焼き菓子を取るんだろう?)
僕はどうしたらいいのか悩んでいた時だった……
「ごめんねロイ君、少し意地悪すぎたかな?」
「え…いえ……」
「この焼き菓子少し大きいから半分しても良いかな?」
「はい…」
カイル王子はテーブルの上に手を置くと座っていたソファーから腰を上げ僕の目の前に焼き菓子を向けた…
「ロイ君から先に食べて」
「え!?……ん」
サクッと僕は口元にある焼き菓子を口に含み、まさかカイル王子の手から焼き菓子を食べるとは思わなくて「まぁ…」「ぇ…」と言った小さな声が聞こえ、僕は真っ赤と真っ青が混ざった顔に成っていると思い、カイル王子の手から焼き菓子を食べた……
(そ、そうだった部屋の中は僕とカイル王子以外にメイド達がいたんだ)
メイド達の驚いていると思う声を聞きながら僕はカイル王子の手から焼き菓子を食べた。
「美味しい?ロイ君」
「……」
僕はまだ口の中に焼き菓子が残っているからカイル王子に返事が出来なくて頷くだけだった。
「……ロイ君…顔が真っ赤だよ」
「!?」
僕は、さっきまで下を向いていた顔を上げるとまだ腰を上げて僕の目の前にいるカイル王子の顔が近くに見えるから…早くソファーに座って欲しいのに、笑顔を見せるカイル王子に僕は目を逸らし口の中に入っている焼き菓子が早く無くなって…と一人で食べるのは気まずい……
さっきまで腰を上げていたカイル王子がソファーに座り僕が食べ残した焼き菓子を食べた。
「え……!?」
サクサクと半分になった焼き菓子をカイル王子が食べる姿を見て(半分の意味はこの事?)僕はボーッとしたままカイル王子の顔を見ていた。
「うん、美味しいね。あれ?ロイ君どうしたの?驚いた顔をして」
「えっ、あ、あの…その焼き菓子は僕が口をつけたのでは……」
「そうだけど?言っただろう『半分』にするって」
「……」
「ロイ君と俺は『親友』なんだからこんなのは普通だろう?」
(え…親友になるって事は一つの食べ物を半分ずつお互いに食べあいをする事が普通なの?)
僕は親友のトムにもした事も無い事をカイル王子として顔が熱く成っていた。
「え!?」
僕にまた焼き菓子を向けるカイル王子に戸惑ってしまい、断る事が出来ないと思って、差し出された焼き菓子に手を向けた。
「有り難う御座いま……?!」
スッとカイル王子の焼き菓子を持っ手が逸らされ、手を伸ばしていた僕はそのまま固まり「ふっ」と、不敵な笑みの顔を見せるカイル王子に(僕に向けた焼き菓子は取ってはダメだったのか?)と首を傾げた。
「手で取ってはダメだよロイ君」
「は?……あっ…すみません……」
「それと、親友の俺に謝るのは無しだよ!」
「へ?!…あ……す……う…」
謝る癖がついてしまった僕は、手で口を押さえまたカイル王子に謝る声を出そうとしていた。
(?…手を使わないで食べるなんて出来ないのに、どうやってカイル王子から焼き菓子を取るんだろう?)
僕はどうしたらいいのか悩んでいた時だった……
「ごめんねロイ君、少し意地悪すぎたかな?」
「え…いえ……」
「この焼き菓子少し大きいから半分しても良いかな?」
「はい…」
カイル王子はテーブルの上に手を置くと座っていたソファーから腰を上げ僕の目の前に焼き菓子を向けた…
「ロイ君から先に食べて」
「え!?……ん」
サクッと僕は口元にある焼き菓子を口に含み、まさかカイル王子の手から焼き菓子を食べるとは思わなくて「まぁ…」「ぇ…」と言った小さな声が聞こえ、僕は真っ赤と真っ青が混ざった顔に成っていると思い、カイル王子の手から焼き菓子を食べた……
(そ、そうだった部屋の中は僕とカイル王子以外にメイド達がいたんだ)
メイド達の驚いていると思う声を聞きながら僕はカイル王子の手から焼き菓子を食べた。
「美味しい?ロイ君」
「……」
僕はまだ口の中に焼き菓子が残っているからカイル王子に返事が出来なくて頷くだけだった。
「……ロイ君…顔が真っ赤だよ」
「!?」
僕は、さっきまで下を向いていた顔を上げるとまだ腰を上げて僕の目の前にいるカイル王子の顔が近くに見えるから…早くソファーに座って欲しいのに、笑顔を見せるカイル王子に僕は目を逸らし口の中に入っている焼き菓子が早く無くなって…と一人で食べるのは気まずい……
さっきまで腰を上げていたカイル王子がソファーに座り僕が食べ残した焼き菓子を食べた。
「え……!?」
サクサクと半分になった焼き菓子をカイル王子が食べる姿を見て(半分の意味はこの事?)僕はボーッとしたままカイル王子の顔を見ていた。
「うん、美味しいね。あれ?ロイ君どうしたの?驚いた顔をして」
「えっ、あ、あの…その焼き菓子は僕が口をつけたのでは……」
「そうだけど?言っただろう『半分』にするって」
「……」
「ロイ君と俺は『親友』なんだからこんなのは普通だろう?」
(え…親友になるって事は一つの食べ物を半分ずつお互いに食べあいをする事が普通なの?)
僕は親友のトムにもした事も無い事をカイル王子として顔が熱く成っていた。
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