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カイル王子の教育係③

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「カイル様の婚約者候補のクレア・ローラン侯爵令嬢様ですか!?」
「は、はい…」
「はっ!こ、これは失礼致しました。わたくしはカイル様の教育係を任されておりますマリユスと申します」
「まぁ、カイル王子の教育をされています方なのですか!?」
「はい」
「わたくし、今日が初めてカイル王子にお会いしますのではっきりと申しまして不安でしたの…でも、同じ婚約者候補のアリーヌ様にオレリア様、そしてカイル王子様の教育を任されていますと聞きましたマリユス様にお会い出来まして、心が晴れました気分ですわ」
ニコッと笑顔を見せるクレア嬢にマリユスは、春が来た気分に成っていた。
「クレア様、カイル王子の婚約者として城内へお越し下さいまして感謝しております。わたくしがカイル様のお部屋までご案内致します」
「有り難う御座います。マリユス様」
「わたくしには、敬語は不要で御座います。どうか『マリユス』とお呼び下さい」
「ええっ!?急には無理ですわ」
「ははは、そうですね失礼致しました。カイル様のお部屋は此方ですクレア様」
「クスッ、有り難う御座います」
カイル王子の教育係マリユスは、クレア嬢に手を差し伸べカイル王子の部屋に案内する姿を、後ろから見ていた二人の令嬢達は呆然とした顔を見せていた。
「な、何よクレア様を特別扱いをして!それに『婚約者候補』ではなく『婚約者』ですって?!わたくしを無視するなんて…侯爵家だからなんですの?後から出てきました侯爵令嬢にカイル様は渡しませんわ!!」
カッ!と音をたて、赤いドレスを持ち上げて歩くオレリア嬢にアリーヌ嬢はその場から動けずにいた。



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