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一時の安らぎ…

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ザッザッと地面の上を歩く騎士達が闘技場へと向かって歩いていた。
「闘技場で俺達だけ稽古なんて珍しいよな」
「そうだな、いつもは稽古場の室内が多かったよな。まさか、闘技場のあの広い運動場で走るなんて事じゃないよな?」
「うへーっ、それは勘弁して欲しい稽古だけでも汗臭いのがもっと汗臭くなる」
「ハハハそうだよなーっ、お前の汗臭いのは離れていても臭うし、何処にいても分かるもんな」
「うるせーっ!お前も一緒じゃん」
第四騎士団達は闘技場へはいつもの訓練と思い会話が弾んでいた。
「……」
「おい、フレック」
「え!?…あ、ジョエル」
「考え事をして稽古の時は怪我をするぞ」
「ああ、悪い……」
「お前には悪いが、アイツが…別れると言ってくれて俺は安心している…お前に何もなくて良かったと思っているんだ」
「……」
「……フレック、聞いても良いか?」
「ああ」
「……その、なんだ…アイツとは……ライトの奴とはどこまで行ったんだ?」
「!」
ジョエル騎士は目を逸らしフレック騎士にライト騎士との関係を尋ねていた。
「……口付けをしただけでそれ以上は無いよ……」
「そ…そっか…悪い、変な事を聞いて…」
「謝る事はないよ、気になるのは分かっている…それ以上の事をした時、サミエル隊長とジャック副隊長が黙っていないと思う」
「……それにしてもアイツから別れ話をしてくるとは思わなかったな…お前にべったりだったのに……あ、わ、悪い…また余計な事を……」
グシャグシャと自分の髪の毛を触るジョエル騎士は『あ~』と声を出し、その様子を見ていたフレック騎士は笑みを見せていた。
「はぁ…これでも一応落ち込んでいるんだが、今日は良く聞いてくるなジョエル」
「へっ、あ、悪いわざとじゃ無いんだ。そのなんだお前の口から確認したくて…本当にライトと別れたのかって……お前アイツに金かけていたみたいだから、他の奴に金借りていたんだろう?!」
「!……何故、それを……」
「仲間数名から俺に言って来たんだ。お金を借りた事が無かったお前に何かあったのか?って聞かれた。
水くさいぞ、俺に言ってくれたら良かったのに…俺では役不足だったのか?」
「……すまない…ジョエルには言えなかった…ライトの事を良く思っていない事もあって…お前に心配かけたくなかったんだ……」
ガシッ!と後ろからフレック騎士の肩に腕を回したジョエル騎士は声をかけた。
「今度俺を無視した時は覚悟してろよ」
「ジョエル」
ニカッと笑顔を見せたジョエル騎士にフレック騎士も笑顔が出ていた。
「お~い、ジョエルにフレック~仲が良いのは分かるからさ~突然歩くのを止めると危ないぞ、俺お前達の後ろぶつかりそうだったんだぜ~」
「わ、悪い」
「ハハハ、ごめん」
後ろから歩いていた仲間の一人が声をかけ、ジョエル騎士とフレック騎士は苦笑いを見せ闘技場へと入って行った。






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