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第三騎士団ライト・グロース③

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闘技場で集まり合同練習をする事に成った第三騎士団と第四騎士団はそれぞれパートナーを組稽古が始まった。
「自分のパートナーは決まったか?決まった者は体を慣らす木刀の素振りから練習を始め、その後は打ち込みを始めるように」
はい!
騎士達は第三騎士団長の指示を受け、お互いパートナーと成った騎士と練習を始めた。
それぞれパートナーが決まった騎士達の中で、一人キョロキョロと周りを見渡し第三騎士団長の側へと駆け寄った。
「あの…アルスラン団長パートナーが居ませんが…第三と第四の騎士人数は同じだと聞いていましたがお休みですか?」
第四騎士の一人が第三騎士が居ない事を知らせていた。
「あっ!……いや…彼は騎士を辞めたんだ……」
「え!?そうなんですか?じゃあ俺の相手は……」
「ああ、私が相手をしょう」
「え?……ええっ!?だ……団長が俺とですか?」
「私では不服か?」
「……い、いえ…よ、宜しくお願いします……」
「ハハハ、こちらこそ宜しく」
ポンポンと第四騎士の肩を叩き、木刀を持った第三騎士のアルスラン団長は騎士と一緒に稽古をする事に成った。
「……」
その様子を第四騎士エドガ団長はじっとアルスラン団長を見た後、険しい顔でフレック騎士と会話を交わすライト騎士を見ていた。
「フレック先輩、一緒に素振りの練習をしましょう」
「ああ、そうだな」
(新人から先に声がかかるとは思わなかったな…俺が言う前にライト騎士から言って来るとは……)
戸惑いながらもライト騎士と一緒に素振りを始めたフレック騎士その様子を親友のジョエル騎士がチラチラと見ていた。
「おい、手が止まっているぞ」
「え、ああ、悪い」
フレック騎士を気にしていたジョエル騎士にパートナーと成った騎士から注意をされたジョエル騎士は、自分のパートナーと成った騎士を見ていた。
(こいつ、さっきまであのライトって言う新人騎士に構っていた奴の一人だよな!?なんか言われそうでイヤなんだけどな……まさかあのライト騎士に構っていた奴が俺のパートナーに成るとは…フレックが言ったように俺も最悪の番号を引いてしまったようだな……)
「さっきから、俺の顔をジロジロと見て言いたい事があるなら言えよ」
「え!?あ、悪い気を悪くしたら謝る俺に聞いて来ると思って見ていたんだ。俺はジョエルって言うだ」
「俺はダミアンだ。聞いて来るとはなんだ?」
「その~だな、お前達が構っていたライト騎士の事なんだけどさ今パートナーとして組んでいるのが俺の親友なんだ」
苦笑いを見せるジョエル騎士を見ていたダミアン騎士は、一緒に素振りの稽古をするライト騎士とフレック騎士の方へ顔を向けた。
「えっと…俺の親友は真面目だから剣稽古はライト騎士に親切に教えてあげると思うからさ、心配しなくて良いと言うか……」
「別に俺、アイツの事気になっている訳じゃないから」
「へ?アイツって……でも、結構声掛けているのを見たんだけど…」
「ああっ、一緒に居るときは話し相手をしているだけで別に俺はアイツの事気にいっている訳じゃない」
「……そ、そうなんだ…」
「なんだ?意外そうな顔をしているな」
「いや、あんな光景を見たら誰だって思うだろう?!」
「ハハハ、他の奴等はどう思っているのか分からないけどな、確かにライトは可愛いが俺の好みでもないし、女が居ない城だからな」
「ま……まさか、手を出したとか!?」
コン!
「いてっ!?」
ダミアン騎士は木刀の先を軽くジョエル騎士の頭を叩いた。
「痛っ、お前危な…木刀で」
「お前が変な事を言うからだろう、まぁ、お前の親友がそう成らないといいな」
「!?な、あ、あいつはフレックはそんな事はしない!」
ジョエル騎士はフレック騎士の事を言われカッとなりダミアンに睨むように声を上げた。
「そ、そんなに怒る事ないだろう、悪かったよ木刀で叩いて」
「おい、そこっ!何を騒いでいる」
エドガ団長がジョエル騎士とダミアン騎士に注意をして、二人は稽古を始めたが、ジョエル騎士はダミアン騎士が言った事が気になりモヤモヤとして稽古に集中出来ずにいた。







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