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グロース家の兄弟④
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キョロキョロと一人の騎士が城内を歩き回っていた。
「ねえ、カイル王子を見なかった?」
「カイル王子?いや、俺は見ていないが…お前見たか?」
「いや、俺も知らないが…部屋に居るんじゃないのか?」
「王子達の部屋は簡単には通れないよ、もう良いよ」
「ああ…悪い……」
「……」
プイッとまるで女性のような仕草を見せ騎士二人の側を離れて行った。
「な、なんだアイツ?ちょっと顔が可愛いと思っていたが性格悪そうだな…礼も言わずに行ったぞ」
「騎士バッチを見て第三騎士団の騎士だったな、あんな奴居たのか?それに何故カイル王子を捜して居るんだ?」
「さぁな、さっきの騎士とカイル王子余り変わらない年齢に見えたな」
「カイル王子、さっきの奴に目をつけられていたりしてな」
「ハハハ、そうかもなカイル王子がアイツから逃げるに賭ける」
「あっ、俺もカイル王子に逃げるに賭ける!なんたって逃亡の天才と言われている王子だからな」
ハハハ…と笑い声を上げ廊下を歩く騎士二人、そしてカイル王子を捜している騎士は城内を歩いていた。
「何処にいるのかなカイル王子は…部屋に居るのかな…今日は稽古があると聞いて闘技場へ行く前に渡したかったのに……」
手には袋に詰めたお菓子を持ちカイル王子と会う機会を待っていた。
「ライト!?」
後ろから騎士が声をかけくるっと後ろを振り向き笑顔を見せていた。
「ジャック兄さん!」
パタパタと走る騎士はジャックの弟ライトだった。
「兄さん、お城で会うなんて初めてだね」
「ああ、そうだな。ライトお前最近朝早く屋敷を出ているが早朝練習でもあるのか?」
「えっ…あ、うん…僕も兄さん達のように上を目指したいから」
「そうか、頑張れよ」
「うん、ありがとう…ジャック兄さん、顔色が悪いよ?大丈夫?!」
「え、ああっ…大丈夫だ気にするな、それよりその手に持っている袋はなんだ?」
「えっ、ははっなんでもないんだ~僕、急いでいるからまたねジャック兄さん。闘技場で会おうね」
「ああっ…分かった」
パタパタと廊下を走る弟のライトを見てジャックは手を顔に触り顔色が悪いと聞き、今の自分は兄サミエルから騎士を取られた事が堪えていたようだ。
兄ジャックと別れたライトは走る足を歩く足に変え「ふぅ…」と息を吐いていた。
「ジャック兄さんに嘘を言ってしまったな~カイル王子を見に行くため朝早く出ているなんて言えないよ…まだ、カイル王子とお話しした事もないし……早朝に城内を歩き回って知らない場所でカイル王子が椅子に座って本を読む姿が凛々しく見えて素敵だなって…それ以来カイル王子の事が気になって、同じ場所を朝早く行って陰で見ている事しか出来ないなんて…だから今日、料理長にお菓子を焼いて貰ってこれを持っていつもの場所へ行けば、僕も一緒にカイル王子の側に居ることが出来ると思っていたのに…まさか、今日王子達の剣の稽古があるなんて知らなかったから、だからカイル王子がいつもの場所に居なかったんだ……はぁ…」
ぶつぶつと長い独り言を話終えたライトは、これから始まる剣稽古の前にカイル王子に会えたらと「闘技場で待っしかないのかな…」と言い、止めていた足を歩き出した。
「ねえ、カイル王子を見なかった?」
「カイル王子?いや、俺は見ていないが…お前見たか?」
「いや、俺も知らないが…部屋に居るんじゃないのか?」
「王子達の部屋は簡単には通れないよ、もう良いよ」
「ああ…悪い……」
「……」
プイッとまるで女性のような仕草を見せ騎士二人の側を離れて行った。
「な、なんだアイツ?ちょっと顔が可愛いと思っていたが性格悪そうだな…礼も言わずに行ったぞ」
「騎士バッチを見て第三騎士団の騎士だったな、あんな奴居たのか?それに何故カイル王子を捜して居るんだ?」
「さぁな、さっきの騎士とカイル王子余り変わらない年齢に見えたな」
「カイル王子、さっきの奴に目をつけられていたりしてな」
「ハハハ、そうかもなカイル王子がアイツから逃げるに賭ける」
「あっ、俺もカイル王子に逃げるに賭ける!なんたって逃亡の天才と言われている王子だからな」
ハハハ…と笑い声を上げ廊下を歩く騎士二人、そしてカイル王子を捜している騎士は城内を歩いていた。
「何処にいるのかなカイル王子は…部屋に居るのかな…今日は稽古があると聞いて闘技場へ行く前に渡したかったのに……」
手には袋に詰めたお菓子を持ちカイル王子と会う機会を待っていた。
「ライト!?」
後ろから騎士が声をかけくるっと後ろを振り向き笑顔を見せていた。
「ジャック兄さん!」
パタパタと走る騎士はジャックの弟ライトだった。
「兄さん、お城で会うなんて初めてだね」
「ああ、そうだな。ライトお前最近朝早く屋敷を出ているが早朝練習でもあるのか?」
「えっ…あ、うん…僕も兄さん達のように上を目指したいから」
「そうか、頑張れよ」
「うん、ありがとう…ジャック兄さん、顔色が悪いよ?大丈夫?!」
「え、ああっ…大丈夫だ気にするな、それよりその手に持っている袋はなんだ?」
「えっ、ははっなんでもないんだ~僕、急いでいるからまたねジャック兄さん。闘技場で会おうね」
「ああっ…分かった」
パタパタと廊下を走る弟のライトを見てジャックは手を顔に触り顔色が悪いと聞き、今の自分は兄サミエルから騎士を取られた事が堪えていたようだ。
兄ジャックと別れたライトは走る足を歩く足に変え「ふぅ…」と息を吐いていた。
「ジャック兄さんに嘘を言ってしまったな~カイル王子を見に行くため朝早く出ているなんて言えないよ…まだ、カイル王子とお話しした事もないし……早朝に城内を歩き回って知らない場所でカイル王子が椅子に座って本を読む姿が凛々しく見えて素敵だなって…それ以来カイル王子の事が気になって、同じ場所を朝早く行って陰で見ている事しか出来ないなんて…だから今日、料理長にお菓子を焼いて貰ってこれを持っていつもの場所へ行けば、僕も一緒にカイル王子の側に居ることが出来ると思っていたのに…まさか、今日王子達の剣の稽古があるなんて知らなかったから、だからカイル王子がいつもの場所に居なかったんだ……はぁ…」
ぶつぶつと長い独り言を話終えたライトは、これから始まる剣稽古の前にカイル王子に会えたらと「闘技場で待っしかないのかな…」と言い、止めていた足を歩き出した。
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