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騎士学校の生活が始まった

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ガンガンガンガン!
「起床!起きろ~っ、野郎ども!!」
早朝から騎士寮の副長が寮の廊下をバケツと棒を持ち、高い音で僕達の部屋を回って起こして行く。
騎士学校と騎士寮に入り一週間が過ぎ、寮の朝は早く僕達新人の朝は掃除から始まる。
僕の部屋は、二人部屋で相棒は朝が弱いため僕が起こす日課に成っていた。
「おい、トム朝だよ。遅れるとまた怒られるよ」
騎士寮に入って二日目で僕達は副長から怒られ掃除の追加までする事になり、遅刻常習犯と言われるようになった。
バン!
「!?ビクッ」
部屋の扉が突然開き、僕は驚いて振り向くと副長が立ち手にはバケツと棒を持っていた。
「起きているのはロイだけか!?」
「……お、お早う御座います副長…」
副長は僕を見た後、二段ベットの側へと歩きまだ眠っているトムの顔を見てバケツを叩き出した。
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!!
部屋の中が狭い為、大きな音が鳴り響き眠っているトムに襲いかかった。
「うあっ!!何?敵襲?!」
トムが慌てて毛布を投げ周りを見渡していた。
「これが敵の攻撃ならお前は数秒であの世行きだな」
副長の呆れた顔でトムを見て言った。
「おはようございます副長、出来れば静かな音で起こして貰えませんか?」
「静かな音か、よし!お前には特別に盛大な音で起こしてあげよう、ロイは廊下で待っていると良い」
「えええっ、俺だけですか?嫌な音で起こされそうなので遠慮しても良いですか?」
「遠慮はするな、明日が楽しみだなトム。俺から起こされたくなければ自力で起きろ」
ガシガシとトムの頭を副長が触り笑いながら部屋を出て行った。
「ははは、副長にまた起こされたね」
「はぁ、楽しい夢が大砲のような音で台無しだよ」
同僚のトムは、伯爵の息子で跡を継ぐのが嫌だと騎士の道へ進みたいと両親を説得して騎士学校へ入ったと言っていた。
自分の意思で自分の道を見つけているトムが羨ましく思い、僕も自分の意思を父や兄弟に伝える事が出来る勇気があれば……僕とトムは部屋を出て掃除の準備を始めた。







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