勇者と闇の魔法使い

ソルト村

カッカッカッ！
ザッザッザッ！
昨日と歩く順番が変わり勇者アランと魔法使いのショウは距離もまったく昨日と変わらず二人は黙々と道ある道をソルト村を目指して歩いていた。
「……」
「……」
時々魔物が現れると勇者アランが一人で倒し魔法使いショウには何も言わずスタスタと先を急ぐ姿を後ろから見ていた魔法使いのショウは勘違いのせいで勇者アランがこんなに怒っているとは思いもして居なかった。
気まずさが続く二人は森を少し抜けた場所で小さな村を見つけ、勇者アランと魔法使いのショウは村の中に入って行った。
家族が二～三人住む家が何軒も建ち並び家畜には鳥に山羊が飼いならし、畑もある豊かなソルト村に勇者アランと魔法使いのショウが村を見渡して歩いていた。
村の娘達は勇者アランの姿を見ると騒ぎ立て頬を赤く染め話しをしている所へ勇者アランがニコッと微笑み村の娘達の側に歩いていた。
「早朝から申し訳無い、この村はソルト村で間違い無いでしょうか？」
「ええっ、この村はソルト村です…貴方様は？」
四人一緒にいる娘の一人が笑顔で勇者アランに訪ねていた。
「申し遅れました私は勇者アランと言います、後ろにいますは魔法使いのショウと言います」
勇者アランの自己紹介で村の娘達は勇者アランに夢中に成り目が離せない感じで勇者アランを見続け、魔法使いのショウを紹介されたが娘達は後ろを見て直ぐに勇者アランの顔を見上げていた。
「……」
魔法使いのショウは娘達の反応を見て勇者アランとは違う対応に、小さく息を吐く事で自分に興味が無い事は分かっていた。
「……アランさん村長さんをお願いします…」
魔法使いのショウは離れで娘達から囲まれている勇者アランに声を掛け「あっ！」と勇者アランは気付き村の娘達に村長を訪ねていた。
「村長さんをお願いしたいのですが、城からの使いと言って貰えますか？」
「ええっ、アランさんはお城の使いで来たのですか」
「良いな～っ、お城へ行って見たいな…お帰りの時一緒に付いて行っても良いですか？」
「あっ、ずる～い私もアランさんと一緒に行きたい」
キャッ、キャッ、と村の娘達は騒ぎ勇者アランは困ったなと苦笑いを見せ、一人勇者アランと娘達を見ていた魔法使いのショウは中々進まない事で大きくため息を吐いていた。
（毎回の事だけど今回一緒にいる勇者アランさんは他の勇者達よりも女性を引き寄せる魅了を感じる為早く終わらせたい仕事も早く終わらない……）
『何一人で焦って居るんだ？女が近寄って来ないからって、嫌な顔を俺に見せるなよな、俺は勇者何だ！女が寄って来るのは当たり前だろう！？』
ブルッ……魔法使いのショウは以前一緒に仕事をした勇者を思い出し身体が震えていた。