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海辺の町リマー 3
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「こちらはアリス様と婚約破棄され、現在婚約の回復を目指している王子です」
ブラウンはいろんなことをまとめてサクッと紹介しました。
素晴らしい能力!
「ハトラウス王国の第一継承者アンソニーです。アリスとは、外交上婚約破棄となってしまいましたが、本音を言えば、僕としては結婚はアリスと思っています。なんとかならないか、頑張っているところで……。今晩の宿の方、よろしくお願いします」
王子はきらんと白い歯を光らせて、にこっと笑いました。爽やかな王子感を演出しています。おまけに海風までも味方に付いて、王子の髪をさらさらとなびかせていきます。
「はあ……」
ナディは声を上げました。
そうですよね。私もそう思います。納得いきませんよね?
「王子は婚約破棄したのに、本当はアリス様が好きだというのかい? ……ああ、そう……。それは、王家のため、国のためかい……? なんて、かわいそうに……」
ナディのストレートな同情に王子はわざと顔をサッと赤らめ、「はい」とうつむきながら答えました。
「王族って、大変なんだねえ。おばちゃんさ、王子を応援するよ。結婚するなら好きな人とがいいに決まってるさ……。そうかあ、あんた、家のために婚約破棄ねえ。泣けてくるねえ。でもアリス様が好きなんだろう。わかるよ……、おばちゃんはあんたたちの味方だよ」
おばちゃんは感極まって、涙ぐんでいます。町に移り住んで10年ちかくになりますかね、ナディはだいぶ町の人に馴染んで見えます。あの、ラッセル家最強使用人頭のナディが……、泣く?
「アリス様。家を捨ててでもアリス様と居たいっていう、王子の気持ち。わかってやりなよ。そんなに好かれていて……、女冥利に尽きるねえ。アリス様、幸せになるんだよ」
ナディはさらに私の背中をバチンと叩いて、受付の奥に消えて行きました。
ふう、なんだか、ナディの中では物語が完結したようです。実際、現状はハッピーエンドには程遠いんですけど。誤解が激しくて、説明できず、もう魂が抜けそうです。
奥からまたナディはそっと戻ってきました。「アリス様、王子と一緒のお部屋にしましょうか」と私に耳打ちします。
「いやいや、それはまずいでしょ」
思わず大きな声で仰天してしまいましたよ。みるみるうちに顔が真っ赤になっていくのが分かります。
王子には現在婚約者がいるんですからね。そんなこといたしません。
くう、このおばちゃんキラー、人たらし!
王子は愉快そうに私を眺めていました。
暖かな色の照明が、宿屋のなかを照らしています。さっさとガイソンは厨房に消えて行ってしまったけれど、いい匂いが漂っています。ナディとガイソンの人柄を表しているような感じがして、思わず頬が緩んでしまいました。それに、ここの食事はとっても期待ができるんだよ。ふふふ。ここ、重要です!
もちろん、ブラウンの作る料理もおいしいんけど、やはりプロの料理人が作るものはどこかが違うよね。
時間やスパイス、材料にこだわって作るからでしょうか。ガイソンはお父様やお母様の健康と美容を支え、さらに私の食べものの好みもばっちり把握しております。つまり、きょうは多分、好物祭りになるはず! お腹が空いていてよかった!
旅で汚れた衣服を脱いで、小ざっぱりとした町用の服に着替えてみました。茶色の胸当てがついた青い花柄の短めのドレスです。ブーツも町歩き用の靴に変えることにします。夜着もあるけど、これから夕飯なので、こちらで対応です。
足の指やふくらはぎがブーツから解放され、心地よくなりました。
ベッドに横になると、なんだか力が抜けて行く。
原油と塩、温泉と……、主要産業が何とか見つかったし、領地開拓も順調。あとはシタラとマイヤの集落からお父様のところまでの道を作るだけです。今日くらいはちょっとほっとしたい……。もう八割くらい終わったってことだもんね。
すっかりくつろぎモードになっていたら、マカミもマジックポケットから出て来て、ベッドの脇に座りました。大きな白い毛がふわふわとしている。大きな、いつものサイズはお久しぶり……。
昨日、黒いしみがついたマカミを洗ったせいか、まだ石鹸の匂いがかすかに残っているます。うーん、いい匂い。
まあ、それくらいマカミにこびりついた原油が落ちなかったってことなんだけどね……。無事真っ白に戻ってよかった。
昨日の夜、ブラウンが半狂乱になってマカミの毛を丁寧に洗っていていました。私も手伝ったよ……。
マカミはと言えば、あまり気にしていなくって……。落ちなかったら、そこの毛の束をちょっと切ればいいんじゃないかって思っていたみたい。
鋏を見つめるマカミに、ブラウンは大きく首を横に振り抵抗していました……。
マカミのピンクのぷよぷよしている肉球をいじりながら、ふわふわの毛の中にうずもれていると……、
「お嬢様! ご飯ですよ」
ブラウンと女主人ナディが私を呼びました。
ブラウンは久しぶりに会ったナディとおしゃべりしていたみたい。屋敷であった出来事や、私の失敗談を話していたのだろうと思う……。たぶん。階下におりていったら、ずいぶん和やかな雰囲気が漂っていました。
宿屋は私たちだけで貸し切りにしてもらっています。他の人たちがいると、説明も面倒だし、王子もいるからね。ナディ側も万が一でもいろいろ何かあったら大変ということでの配慮らしいです。
両手の3倍はあるテーブルには、テーブルランナーが引かれ、蝋燭がともされています。中央には果物の籠やチーズ、パンが山盛りにすでに置かれていて、おいしそう……。食欲全開です。
「正式の晩餐でなくて、申し訳ないのですが」
ガイソンが少し済まなそうな顔をした。
「ここはリマーなんですから、気にしないで。ガイソン、私の好物ばかりよ。こんなにご馳走を作ってくれてありがとう」
目移りしちゃうくらいたくさんのご馳走が並んでいます。
コーンの入ったとろみのあるスープに、エビと貝柱のサラダ、エビのクリームソース和え、ムール貝のガーリック炒めなどが次々と湯気と共に出てきました。リマー特産の魚介類を使っているので、おいしいはずです。
おまけに、ビーフシチューや、こんがりと表面がパリパリに焼けている丸鳥の香草詰め、その横には甘くないクレープの焼いた生地がたくさん重ねられたお皿があります。
きゅうりの細切りにネギの細切り、黒い甘ダレも隣に配置されていて……、この甘くないクレープの上に鶏肉やサラダ、きゅうり、ネギを置いて、最後に甘ダレをかけて、巻き巻きして食べるのが大好きだったのを覚えてくれていたのね。おそらくデザートも用意してくれているでしょう。乞うご期待!
「王子さまも気に入っていただければよいのですが……」
「素晴らしい料理の数々ですね。食べるのが楽しみです。宿のおもてなし、感謝します」
王子がそっと口角をあげて、神の微笑みを称えます。
ナディの頬が少しピンクになりました。私、見てましたからね。ナディ、だまされてる……。
「アリス様の好物ですからね。たくさん召し上がれ」
ガイソンは厨房から出て来て、テーブルの具合を確かめます。ナディがニコニコしながらサーブを始めました。
おばちゃんキラー王子も、ガイソンの料理を気に入ってくれればいいな。
ブラウンはいろんなことをまとめてサクッと紹介しました。
素晴らしい能力!
「ハトラウス王国の第一継承者アンソニーです。アリスとは、外交上婚約破棄となってしまいましたが、本音を言えば、僕としては結婚はアリスと思っています。なんとかならないか、頑張っているところで……。今晩の宿の方、よろしくお願いします」
王子はきらんと白い歯を光らせて、にこっと笑いました。爽やかな王子感を演出しています。おまけに海風までも味方に付いて、王子の髪をさらさらとなびかせていきます。
「はあ……」
ナディは声を上げました。
そうですよね。私もそう思います。納得いきませんよね?
「王子は婚約破棄したのに、本当はアリス様が好きだというのかい? ……ああ、そう……。それは、王家のため、国のためかい……? なんて、かわいそうに……」
ナディのストレートな同情に王子はわざと顔をサッと赤らめ、「はい」とうつむきながら答えました。
「王族って、大変なんだねえ。おばちゃんさ、王子を応援するよ。結婚するなら好きな人とがいいに決まってるさ……。そうかあ、あんた、家のために婚約破棄ねえ。泣けてくるねえ。でもアリス様が好きなんだろう。わかるよ……、おばちゃんはあんたたちの味方だよ」
おばちゃんは感極まって、涙ぐんでいます。町に移り住んで10年ちかくになりますかね、ナディはだいぶ町の人に馴染んで見えます。あの、ラッセル家最強使用人頭のナディが……、泣く?
「アリス様。家を捨ててでもアリス様と居たいっていう、王子の気持ち。わかってやりなよ。そんなに好かれていて……、女冥利に尽きるねえ。アリス様、幸せになるんだよ」
ナディはさらに私の背中をバチンと叩いて、受付の奥に消えて行きました。
ふう、なんだか、ナディの中では物語が完結したようです。実際、現状はハッピーエンドには程遠いんですけど。誤解が激しくて、説明できず、もう魂が抜けそうです。
奥からまたナディはそっと戻ってきました。「アリス様、王子と一緒のお部屋にしましょうか」と私に耳打ちします。
「いやいや、それはまずいでしょ」
思わず大きな声で仰天してしまいましたよ。みるみるうちに顔が真っ赤になっていくのが分かります。
王子には現在婚約者がいるんですからね。そんなこといたしません。
くう、このおばちゃんキラー、人たらし!
王子は愉快そうに私を眺めていました。
暖かな色の照明が、宿屋のなかを照らしています。さっさとガイソンは厨房に消えて行ってしまったけれど、いい匂いが漂っています。ナディとガイソンの人柄を表しているような感じがして、思わず頬が緩んでしまいました。それに、ここの食事はとっても期待ができるんだよ。ふふふ。ここ、重要です!
もちろん、ブラウンの作る料理もおいしいんけど、やはりプロの料理人が作るものはどこかが違うよね。
時間やスパイス、材料にこだわって作るからでしょうか。ガイソンはお父様やお母様の健康と美容を支え、さらに私の食べものの好みもばっちり把握しております。つまり、きょうは多分、好物祭りになるはず! お腹が空いていてよかった!
旅で汚れた衣服を脱いで、小ざっぱりとした町用の服に着替えてみました。茶色の胸当てがついた青い花柄の短めのドレスです。ブーツも町歩き用の靴に変えることにします。夜着もあるけど、これから夕飯なので、こちらで対応です。
足の指やふくらはぎがブーツから解放され、心地よくなりました。
ベッドに横になると、なんだか力が抜けて行く。
原油と塩、温泉と……、主要産業が何とか見つかったし、領地開拓も順調。あとはシタラとマイヤの集落からお父様のところまでの道を作るだけです。今日くらいはちょっとほっとしたい……。もう八割くらい終わったってことだもんね。
すっかりくつろぎモードになっていたら、マカミもマジックポケットから出て来て、ベッドの脇に座りました。大きな白い毛がふわふわとしている。大きな、いつものサイズはお久しぶり……。
昨日、黒いしみがついたマカミを洗ったせいか、まだ石鹸の匂いがかすかに残っているます。うーん、いい匂い。
まあ、それくらいマカミにこびりついた原油が落ちなかったってことなんだけどね……。無事真っ白に戻ってよかった。
昨日の夜、ブラウンが半狂乱になってマカミの毛を丁寧に洗っていていました。私も手伝ったよ……。
マカミはと言えば、あまり気にしていなくって……。落ちなかったら、そこの毛の束をちょっと切ればいいんじゃないかって思っていたみたい。
鋏を見つめるマカミに、ブラウンは大きく首を横に振り抵抗していました……。
マカミのピンクのぷよぷよしている肉球をいじりながら、ふわふわの毛の中にうずもれていると……、
「お嬢様! ご飯ですよ」
ブラウンと女主人ナディが私を呼びました。
ブラウンは久しぶりに会ったナディとおしゃべりしていたみたい。屋敷であった出来事や、私の失敗談を話していたのだろうと思う……。たぶん。階下におりていったら、ずいぶん和やかな雰囲気が漂っていました。
宿屋は私たちだけで貸し切りにしてもらっています。他の人たちがいると、説明も面倒だし、王子もいるからね。ナディ側も万が一でもいろいろ何かあったら大変ということでの配慮らしいです。
両手の3倍はあるテーブルには、テーブルランナーが引かれ、蝋燭がともされています。中央には果物の籠やチーズ、パンが山盛りにすでに置かれていて、おいしそう……。食欲全開です。
「正式の晩餐でなくて、申し訳ないのですが」
ガイソンが少し済まなそうな顔をした。
「ここはリマーなんですから、気にしないで。ガイソン、私の好物ばかりよ。こんなにご馳走を作ってくれてありがとう」
目移りしちゃうくらいたくさんのご馳走が並んでいます。
コーンの入ったとろみのあるスープに、エビと貝柱のサラダ、エビのクリームソース和え、ムール貝のガーリック炒めなどが次々と湯気と共に出てきました。リマー特産の魚介類を使っているので、おいしいはずです。
おまけに、ビーフシチューや、こんがりと表面がパリパリに焼けている丸鳥の香草詰め、その横には甘くないクレープの焼いた生地がたくさん重ねられたお皿があります。
きゅうりの細切りにネギの細切り、黒い甘ダレも隣に配置されていて……、この甘くないクレープの上に鶏肉やサラダ、きゅうり、ネギを置いて、最後に甘ダレをかけて、巻き巻きして食べるのが大好きだったのを覚えてくれていたのね。おそらくデザートも用意してくれているでしょう。乞うご期待!
「王子さまも気に入っていただければよいのですが……」
「素晴らしい料理の数々ですね。食べるのが楽しみです。宿のおもてなし、感謝します」
王子がそっと口角をあげて、神の微笑みを称えます。
ナディの頬が少しピンクになりました。私、見てましたからね。ナディ、だまされてる……。
「アリス様の好物ですからね。たくさん召し上がれ」
ガイソンは厨房から出て来て、テーブルの具合を確かめます。ナディがニコニコしながらサーブを始めました。
おばちゃんキラー王子も、ガイソンの料理を気に入ってくれればいいな。
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