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失われた国・ミロード
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うしろからそっと魔樹たちが行進してついてきます。はっきり言って、面白怖いです。
気が付かなきゃよかったと後悔半分……、興味半分……。
魔樹とじゃれあいしたくて、うずうずしているブラックナイトは、先を急ぐためマジックポケットに入ってもらいました。ごめんね。
枝が手のように揺れて、根っこがそっと地面を離れて、歩きます。葉がざわざわと揺れる音がして……、まるで強風の中の木の葉のように激しい音です。
しかもついてくる樹は、一本じゃないんです。20人ほどの団体様と言ったところでしょうか。大きい木ばかりなので、正確な本数は分かりません。
ザワザワ。バキバキ。ポキポキ。サワサワとにぎやかです。
バキバキ、ポキポキあたりは無理をしてうごいているため、小枝が折れた音なのだと推測します。
もう、後ろが気になって仕方がありません。そっと行進しているつもりなんでしょうが、大きい樹なのでわかります。
ずっと後ろ歩きして、見てみたいです。ささっと後ろを振り返って見ていますが、こんな光景見たことがありません。
救いなのは……、魔樹といっても、目つきの悪い凶悪な顔をしていないことですね。ただしニコニコもしていません。ただの樹で、顔はないの。
「ほら、僕が言ったとおりでしょ」
王子がいばって指摘します。
「魔樹たちは王子はこちら側の人間と思ったのでしょう。王子に対し、もう攻撃はしないと思いますが、王都へお帰りになりますか?」
ブラウンは王子に今後を確認した。
「王妃からも許可はもらっているから、僕はアリスについていくよ」
王子は楽しそうに答えます。
ええ?
えええ! 本気? 領地開拓の下見なんですけど。ついてくるんですか?
はっきりいうと、邪魔なんですけど。
王妃様から許可って? 断れないじゃないですか。どんな許可なんですか……。まさか王妃様にも私の動向がバレている?
サッと血の気が引きました。
きっと私は青い顔をしていることでしょう。しかし、ブラウンは嬉しそうです。
これは私と王子が再婚約しそうとかきたいしているに違いありません。
どうかな、そんなことありえるんだろうか。仮にそうだとしても、一筋縄じゃ行かないと思うなあ。現・婚約者はカトリーヌ様だし。なんか仕返しされそうだし……。
それに、再婚約についても、私の一存じゃ決められませんしね。
うん、今後を考えようにも、これはもう放っておくしかなさそうです。時が来るのを待つ。……こんなもやもや案件、私、耐えられるのかな……、自信がありませんが、仕方ないです。
幸い私たちの行く手を阻むものはいません。順調すぎて怖いくらいです。キョロキョロ見回すと、確かに魔物の気配はあるんですが、遠巻きでみているだけで近寄ってきません。
別にとって食べるとか、しないので、姿くらい見せてくれてもいいのにとか思うのは、傲慢なんでしょうか。ちょっとだけでも見たいなぁ。
「魔物はマカミが怖いから来ないんでしょ……。マカミってすごいなあ」
マカミは、何言っているんだみたいな顔をして、しっぽをフリフリ歩きます。
感心していたら、ブラウンが苦笑いしていました。
「アリス様が怖いっていうのもあるようですよ」
ええ? 私だって、何かされない限り手は出さないよ。善良な、そして友好的な人間です。自分で性格がいいという奴は、性格は良くないみたいな、そういうんじゃなくて……。本当に、私、悪い人間じゃないんですよ。
むやみやたらに究極魔法を振りかざしたりして、襲ったりしてませんし。ケンカするより、本を読んだり魔法修行をするほうがいいし。
「アリスって、魔物の王者?」
王子がふざけて聞いてきたので、適当に「……あり得るかも」と答えておきました。くうう、ショックです。
魔樹の後を魔物がついてきているような……。私が振り向くと、魔物たちはピタッと歩みを止め、私が歩き出すと歩きます。
「ブラウン、なんかさ、魔物の軍団がついてくるんだけど」
「……、仕方がありません。黒い森の女王として認められたんですよ。おめでとうございます」
冗談とも本気ともとれる答えが返ってきたので、困惑です。
なんの女王なんでしょうね。もう笑うしかない。
黒い森は大木がよく育っていて、木漏れ日が落ちています。平和そのものって感じ。たまに地面に大木が倒れていて、中には苔むした丸太もあります。
「お手をどうぞ」
王子が手を差し出してくれましたが、それよりも一瞬早くマカミが私を鼻先でポンと浮かばせ、背中に乗せてくれました。
王子は笑顔を引き攣らせながら、ブラウンに手を差し伸べました。ブラウンは嬉しそうに王子の手を借りていました。
マカミと王子は、数秒間にらみ合っています。やれやれです。仲良くしてくださいね。長い道中ですから、ケンカは厳禁ですよ。
青々とした葉を生い茂らせているやぶを抜けます。
野いちごやブラックベリーの群生も見つけました。ラッキーです。
ブラウンは途中でかごいっぱいに摘み、満足そうにマジックポケットに入れて行きます。
「食材の補充は最重要課題の一つですから」
ブラウンは嬉しそうに胸を張ります。
王子とブラックナイトという食い扶持が増えたので、私も食材を探さないといけませんね。
食材ではないけれど、サファイヤの原石を見つけました。マジックポケットに収納です。隊長として頑張ります!
黒い森を進んでいたら、突然開けている場所に出ました。湖です。湖面が太陽の光を受けて、キラキラしています。
「綺麗な湖」
思わずつぶやいてしまいました。
究極魔法水を発動するために黒い森の湖から水をもらうことは何度かあったのですが、その時は空間切り裂き魔法で……、一瞬で湖の位置情報をつかんだだけなので、初めて実物をこの目で見ました。感動です。
「こんなに水が澄んでいて、青い湖だったんですね」
美しすぎてため息がこぼれます。
「はい。ここは失われた国ミロードの中心部になります。今は湖に沈んでいますが、かつてミロードの王宮は湖の真ん中の島を中心にありました」
ブラウンが簡単に説明する。
「黒い森、ミロードの湖を実際訪れることができるなんて……考えてもいなかったな。ミロード王国に来れて光栄です」
王子はブラウンに微笑みかけた。
「よかったです。……ところで、アリス様、湖にお立ちください」
え? 湖に、立つんですか? 聞き間違い?
私が怪訝な表情を浮かべていたら、ブラウンが手を引っぱります。私は湖の水の際まできました。
「貴方はミロード王国の後継者でした。だから、湖の上を歩くことができるはずです」
「はあ? 後継者でしたって?」
何のことかさっぱりわかりません。
「アリス様は赤子の時にラッセル家の前に捨てられていました。実は、それは、私とマカミが滅亡するミロードからアリス様を守るためにラッセル家に連れてきたのです」
ブラウンは、大真面目です。嘘を言っているようにも思えません。
「えええ? 確かに私が生まれたときからブラウンもマカミもいるけど……。まさか……」
それってそういうことなんですか?
自体がよく飲み込めないんですですが……。
「このことはラッセル家のご夫妻、王家の一部の方しか知りません」
ブラウンの言葉に王子はうんうんとうなずいた。
てことは、王子は知っているということか。王妃も? 王も?
「僕は……たまたま君が亡きミロード王国の王女だと知ってしまったんだけどね。王によって婚約破棄された折にこっそり母上には話したよ。大切なことだからね。僕は王には言っていないけれど、勘づいている可能性はある。あれでも……この国を統治して25年だからね。政治的手腕や人を見る目はあったはずだ……。今はわからないけど」
王子は遠い目です。
「……」
私は王子の次の言葉を待つことにしました。
「特に父は……、現王は、危機を察知する能力は長けているんだよ」
なんだか聞いたことのある言葉ですね……。気のせいでしょうか。
「もともとアリスは守護神マカミがついているから、何か理由がある、特別な拾い子なんだろうとは思っていたんだけどね。それにね……、神様付きはこの国でもめったにないから」
王子は腕組みをして、首を振る。
そうだったんですね。なるほど……。そういうことだったんだ。何となく符号が合いました。
でも、どうしてこの国は滅びてしまったんだろう。
美しい国なのに……。
気が付かなきゃよかったと後悔半分……、興味半分……。
魔樹とじゃれあいしたくて、うずうずしているブラックナイトは、先を急ぐためマジックポケットに入ってもらいました。ごめんね。
枝が手のように揺れて、根っこがそっと地面を離れて、歩きます。葉がざわざわと揺れる音がして……、まるで強風の中の木の葉のように激しい音です。
しかもついてくる樹は、一本じゃないんです。20人ほどの団体様と言ったところでしょうか。大きい木ばかりなので、正確な本数は分かりません。
ザワザワ。バキバキ。ポキポキ。サワサワとにぎやかです。
バキバキ、ポキポキあたりは無理をしてうごいているため、小枝が折れた音なのだと推測します。
もう、後ろが気になって仕方がありません。そっと行進しているつもりなんでしょうが、大きい樹なのでわかります。
ずっと後ろ歩きして、見てみたいです。ささっと後ろを振り返って見ていますが、こんな光景見たことがありません。
救いなのは……、魔樹といっても、目つきの悪い凶悪な顔をしていないことですね。ただしニコニコもしていません。ただの樹で、顔はないの。
「ほら、僕が言ったとおりでしょ」
王子がいばって指摘します。
「魔樹たちは王子はこちら側の人間と思ったのでしょう。王子に対し、もう攻撃はしないと思いますが、王都へお帰りになりますか?」
ブラウンは王子に今後を確認した。
「王妃からも許可はもらっているから、僕はアリスについていくよ」
王子は楽しそうに答えます。
ええ?
えええ! 本気? 領地開拓の下見なんですけど。ついてくるんですか?
はっきりいうと、邪魔なんですけど。
王妃様から許可って? 断れないじゃないですか。どんな許可なんですか……。まさか王妃様にも私の動向がバレている?
サッと血の気が引きました。
きっと私は青い顔をしていることでしょう。しかし、ブラウンは嬉しそうです。
これは私と王子が再婚約しそうとかきたいしているに違いありません。
どうかな、そんなことありえるんだろうか。仮にそうだとしても、一筋縄じゃ行かないと思うなあ。現・婚約者はカトリーヌ様だし。なんか仕返しされそうだし……。
それに、再婚約についても、私の一存じゃ決められませんしね。
うん、今後を考えようにも、これはもう放っておくしかなさそうです。時が来るのを待つ。……こんなもやもや案件、私、耐えられるのかな……、自信がありませんが、仕方ないです。
幸い私たちの行く手を阻むものはいません。順調すぎて怖いくらいです。キョロキョロ見回すと、確かに魔物の気配はあるんですが、遠巻きでみているだけで近寄ってきません。
別にとって食べるとか、しないので、姿くらい見せてくれてもいいのにとか思うのは、傲慢なんでしょうか。ちょっとだけでも見たいなぁ。
「魔物はマカミが怖いから来ないんでしょ……。マカミってすごいなあ」
マカミは、何言っているんだみたいな顔をして、しっぽをフリフリ歩きます。
感心していたら、ブラウンが苦笑いしていました。
「アリス様が怖いっていうのもあるようですよ」
ええ? 私だって、何かされない限り手は出さないよ。善良な、そして友好的な人間です。自分で性格がいいという奴は、性格は良くないみたいな、そういうんじゃなくて……。本当に、私、悪い人間じゃないんですよ。
むやみやたらに究極魔法を振りかざしたりして、襲ったりしてませんし。ケンカするより、本を読んだり魔法修行をするほうがいいし。
「アリスって、魔物の王者?」
王子がふざけて聞いてきたので、適当に「……あり得るかも」と答えておきました。くうう、ショックです。
魔樹の後を魔物がついてきているような……。私が振り向くと、魔物たちはピタッと歩みを止め、私が歩き出すと歩きます。
「ブラウン、なんかさ、魔物の軍団がついてくるんだけど」
「……、仕方がありません。黒い森の女王として認められたんですよ。おめでとうございます」
冗談とも本気ともとれる答えが返ってきたので、困惑です。
なんの女王なんでしょうね。もう笑うしかない。
黒い森は大木がよく育っていて、木漏れ日が落ちています。平和そのものって感じ。たまに地面に大木が倒れていて、中には苔むした丸太もあります。
「お手をどうぞ」
王子が手を差し出してくれましたが、それよりも一瞬早くマカミが私を鼻先でポンと浮かばせ、背中に乗せてくれました。
王子は笑顔を引き攣らせながら、ブラウンに手を差し伸べました。ブラウンは嬉しそうに王子の手を借りていました。
マカミと王子は、数秒間にらみ合っています。やれやれです。仲良くしてくださいね。長い道中ですから、ケンカは厳禁ですよ。
青々とした葉を生い茂らせているやぶを抜けます。
野いちごやブラックベリーの群生も見つけました。ラッキーです。
ブラウンは途中でかごいっぱいに摘み、満足そうにマジックポケットに入れて行きます。
「食材の補充は最重要課題の一つですから」
ブラウンは嬉しそうに胸を張ります。
王子とブラックナイトという食い扶持が増えたので、私も食材を探さないといけませんね。
食材ではないけれど、サファイヤの原石を見つけました。マジックポケットに収納です。隊長として頑張ります!
黒い森を進んでいたら、突然開けている場所に出ました。湖です。湖面が太陽の光を受けて、キラキラしています。
「綺麗な湖」
思わずつぶやいてしまいました。
究極魔法水を発動するために黒い森の湖から水をもらうことは何度かあったのですが、その時は空間切り裂き魔法で……、一瞬で湖の位置情報をつかんだだけなので、初めて実物をこの目で見ました。感動です。
「こんなに水が澄んでいて、青い湖だったんですね」
美しすぎてため息がこぼれます。
「はい。ここは失われた国ミロードの中心部になります。今は湖に沈んでいますが、かつてミロードの王宮は湖の真ん中の島を中心にありました」
ブラウンが簡単に説明する。
「黒い森、ミロードの湖を実際訪れることができるなんて……考えてもいなかったな。ミロード王国に来れて光栄です」
王子はブラウンに微笑みかけた。
「よかったです。……ところで、アリス様、湖にお立ちください」
え? 湖に、立つんですか? 聞き間違い?
私が怪訝な表情を浮かべていたら、ブラウンが手を引っぱります。私は湖の水の際まできました。
「貴方はミロード王国の後継者でした。だから、湖の上を歩くことができるはずです」
「はあ? 後継者でしたって?」
何のことかさっぱりわかりません。
「アリス様は赤子の時にラッセル家の前に捨てられていました。実は、それは、私とマカミが滅亡するミロードからアリス様を守るためにラッセル家に連れてきたのです」
ブラウンは、大真面目です。嘘を言っているようにも思えません。
「えええ? 確かに私が生まれたときからブラウンもマカミもいるけど……。まさか……」
それってそういうことなんですか?
自体がよく飲み込めないんですですが……。
「このことはラッセル家のご夫妻、王家の一部の方しか知りません」
ブラウンの言葉に王子はうんうんとうなずいた。
てことは、王子は知っているということか。王妃も? 王も?
「僕は……たまたま君が亡きミロード王国の王女だと知ってしまったんだけどね。王によって婚約破棄された折にこっそり母上には話したよ。大切なことだからね。僕は王には言っていないけれど、勘づいている可能性はある。あれでも……この国を統治して25年だからね。政治的手腕や人を見る目はあったはずだ……。今はわからないけど」
王子は遠い目です。
「……」
私は王子の次の言葉を待つことにしました。
「特に父は……、現王は、危機を察知する能力は長けているんだよ」
なんだか聞いたことのある言葉ですね……。気のせいでしょうか。
「もともとアリスは守護神マカミがついているから、何か理由がある、特別な拾い子なんだろうとは思っていたんだけどね。それにね……、神様付きはこの国でもめったにないから」
王子は腕組みをして、首を振る。
そうだったんですね。なるほど……。そういうことだったんだ。何となく符号が合いました。
でも、どうしてこの国は滅びてしまったんだろう。
美しい国なのに……。
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