堕天使の詩

ピーコ

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堕天使 其の六十八

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貴方を守るために

私は生きている


貴方のためなら

なんだって

出来ると思っていた


貴方に忠誠を誓い

この命をかけて

全てが

貴方の物だとしても

それで

良かった


貴方に粗末に扱われようと

なじられようと

罵られようと

奴隷の様に扱われようと

私は構わなかった


全ては

貴方の為に

あるのだと


天は貴方に

組みするものだと

私は疑わなかった

私は貴方だと信じて

疑わなかった


私は大いに勘違いをして

それに

気づかずにいたのだ


天の御柱は

貴方には

降りず


貴方は

尊いお方だったにも関わらず

自ずからその事実を

受け入れる事が出来ず

絶望され

地に堕ちた


私もそれに付き従い

地に堕ちた

貴方を守るために


そして

いつしか

天の御柱が貴方に降りると

信じて





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