堕天使の詩

ピーコ

文字の大きさ
上 下
41 / 84

堕天使 其の四十一

しおりを挟む
深い深い闇の中で

微かにひかりを感じるの

そのひかりは私に 

真っ赤な紅い

血の海の中にいる

私を知らしめさせるの


その赤い紅い血は

誰のもの

私の赤い血液なの

それとも他人の

赤い紅い血液なの

感覚が無くて

分からない
 

真っ赤な血の海で揺蕩うように

血の海に浸っている




私はまるで

悪魔の生け贄のように

捧げられた

仔羊

神への生け贄


私だけの血液ではなく

幾度となく

捧げられた生け贄たちの

血で造られた

血の海にいるの


悪魔の生け贄なら

さぞかしや

残酷な断末魔の最後を迎える

ことだろうと思っていた

だけど

神へ捧げられた

命も

残酷で

なんら

悪魔と変わりない


私は生け贄に捧げられた

仔羊


死に行く命なの








しおりを挟む

処理中です...