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 運転しながら、由紀也は説明した。

「優月からの着信に気づいてすぐにかけ直したけど出なかった。メッセージもあったけど、どうしても顔を見て安心したかった。行ってみれば、助けを求める優月の声が聞こえて来て、焦ったよ。無事で良かった」
「パパが……、たかしさんをへやにつれてきたの……、パパが………」

 優月はショックから抜けないでいた。
 いやがる娘を差し出そうとするなんて、父親のすることではない。
 由紀也のマンションに着くと、改めて優月の顔を見た由紀也は息を飲んだ。

「左ほおが赤い。もしかして、殴られた?」
「パパに……、パパにぶたれたの……」
「ひどいことを……」

 それから由紀也は冷やすものを取ってくると、優月の頬に当てた。
 由紀也は、嗚咽する優月を抱きしめて、宥めるように背中を撫でていた。
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