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エレーヌの幸せのために
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ゲルハルトは、その日、王都から馬で半刻ほどの場所に向かった。そこは小高い丘になっており、田園風景を見下ろせる。
やってきた二人の人物が、先に来ているゲルハルトのもとまでくると恐縮して膝をついた。
「陛下! お待たせを!」
「いいのだ。俺が早く来たのだから」
それは定例の報告だった。
二人のうち、女の方が言う。
「エレーヌさまは、お健やかに、そして、穏やかに過ごしておられます」
それはシュタイン夫人だった。そして、男のほうは、その夫役だ。
「そうか」
ゲルハルトは目を細めて、満足げに笑った。そして、田園風景に目を戻す。その目線の先、こんもりと茂った内側にシュタイン城はあった。
誰の目も届かぬように、大切な大切な人を秘匿するための離宮。
エレーヌの真の庇護者はゲルハルトだった。
***
ゲルハルトはエレーヌの出奔を手をこまねいて見ていただけではなかった。
出奔を止めないとはいえ、とにかく、エレーヌを保護しなければならなかった。それも、できるだけ、本人に気づかれないように。
ゲルハルトの手の内にいるとわかるのは、出奔したつもりのエレーヌにはつらいだろう。
王都にほど近い男爵城をエレーヌの居城にすることにし、男爵には急ぎ、別の領地を与え、引っ越してもらった。
追い立てるような真似をしてしまったが、引っ越し先は豊かな領地だ。不足はないだろう。中の荷物はあとから送ったために、新たな領地でも不便はさせていないはずだ。令嬢の衣服は少々借りたが、それ以上の見返りはしている。
ゲルハルトは、エレーヌが帝国語がわからないと知ったときに、ブルガン出身の貴族を幾人か王宮に雇い入れていた。エレーヌの出奔時、彼らは、王宮に入るための教育を受けているところだった。
その中からシュタイン夫人を選び、夫役となる伯爵を選んだ。二人にのみ事情を伝え、身元確かな侍女に侍従を雇って、兵士らとともにシュタイン城に向かわせた。
エレーヌが出奔計画を決行している間に、ゲルハルトはそれをやった。エレーヌが計画を中断することを祈りながら。
(シュタイン城など無駄になれ)
そう願いながらも準備を進めていたが、エレーヌは出奔を遂行してしまった。そこから、ゲルハルトはブルガンに向かい、あとをアレクスに任せた。
アレクスの兵は宿場町でも、王都を出る街道でも、ずっと、エレーヌら一行を見張っていた。
そして、山賊を装った兵に馬車を襲わせて、エレーヌが逃げられるようにした。エレーヌにけもの道をたどらせて、シュタイン夫人の元へ導いた。
護衛騎士がエレーヌに剣を向けたことは不測の事態だったが、山賊役の襲撃を前倒しにして、無事、エレーヌをシュタイン城へ確保することができた。
ディミーの身柄は乗り合い馬車を降りたところで拘束した。
当初はディミーの不審点を問いただすための拘束だったが、どうやらそれだけでは済まされなくなった。王妃殺害を企てたとして、地下牢に入ることになった。
ディミーの後ろで糸を操る者がいるはずだが、ディミーは一向に口を割らなかった。
エレーヌを襲おうとした護衛騎士らは、金で雇われたならず者で、王妃だとは知らされずに殺害を指示されたことは吐いたが、ディミーの背後の人物の正体は知らなかった。知っていたかもしれなかったが吐く前に体が持たなかった。
ディミーと通じていた商人も、ならず者らと同じ末路をたどった。
ゲルハルトは、兵士らをブルガンとラクアをつなぐ街道周辺の捜索に向かわせた。
すると道中の崖下に馬車が落ちており、貴婦人の遺体と、語学教本や教養書がたくさん詰まっているトランクがあった。貴婦人を守っていたであろう護衛騎士の死体も、馬車の周辺に転がっていた。
遺体の貴婦人が、本物の通訳に違いなかった。通訳にすり替わりが起きていたのだ。
(ヴァロア公爵か……)
怪しまれずに兵士らをブルガンに向けることができたのは、当時、婚姻使節団を率いていたヴァロア公爵だけだった。使節団の一部を残して、通訳の一行を待ち構えていたのだ。
まさか、義姉の兄がこれほどの大それた裏切りを犯すとはにわかには信じられなかったが、婚姻使節団にゲルハルトの側近を配備していたことは幸いだった。側近がいなければ今ごろ、エレーヌもまた、崖下に落ちていただろう。
***
ゲルハルトはディミーが誤訳をしたことを確信した。それも悪意に満ちた誤訳を。
(最初から俺とエレーヌは引き裂かれていたのだ)
おそらくはひどい引き裂かれ方だったのだろう。
(それでも、俺はあなたを愛したかった。実際に愛した。そして、俺たちは愛し合ったはずだ)
エレーヌの目には、確かにゲルハルトへの情愛が灯っていた。
しかし、それが悪意によって引き裂かれた。
(あなたが苦しんでいることを知っていたのに、苦しみを取り除くことができなかった)
塔の中で育ったエレーヌ、おそらくは希望を抱いてラクアに嫁いできたのに。
(そのはかない希望を心無い言葉で打ち砕かれた)
重なる悪意に、ゲルハルトへの情愛は枯れ、憎み、そして、出て行くしかなかった。
ゲルハルトはエレーヌを、一切の苦しみから遠ざけてやりたかった。
その思いで、完全に自分の保護下において、エレーヌを見守ってきた。
衣裳部屋やチェストに鏡台の中身が変わったのは、男爵令嬢のものから、エレーヌのものに入れ替えたから。
本が好きだと知って、シュタイン城の図書室を整備し、ラクア語に帝国語の本に加えて、ブルガン語の本をたくさん用意した。そのなかには塔に残っていたものと同じ本をしのばせた。
刺繍の手鏡は、ブルガンの老婆がエレーヌの祖母の手によるものとして預けてくれたもので、シュタイン夫人からさりげなく渡してもらった。
見当違いの同情を男爵に抱いたのか、農夫が酔っぱらってシュタイン城の前で叫んだことがあったが、エレーヌは脅かされることもなく、シュタイン城で穏やかにも温かな生活を送ることができていた。
シュタイン夫人らからエレーヌの報告を受けるたびに、ゲルハルトの傷心も癒されていく。
エレーヌが妊娠しているとの報告を受けたときには、さすがにゲルハルトも動揺した。動揺し、決断するには時間がかかったが、エレーヌの気持ちを尊重することにした。産むか産まないかをエレーヌに任せることにした。
(すべて、エレーヌの幸せのために)
そして、エレーヌが産むことを決意したのを知ったとき、ゲルハルトはもっと動揺した。
(子を産むとは、やはりエレーヌには俺への情愛が残っているのではないか)
その情愛にすがることへの欲求は大きかった。しかし、それを押さえつけた。
(エレーヌの涙をもう見たくはない……)
「シュタイン城で穏やかに幸せそうに過ごしている」とのシュタイン夫妻の報告に、ゲルハルトはぐっとこらえた。
(エレーヌの幸せを壊したくない。エレーヌ、どうか、幸せに過ごしてくれ)
そして、また、動揺することが起きた。
エレーヌが「愛する」と「憎む」を間違えて覚えていたとの報告に。
(では、エレーヌを傷つけたのは俺の言葉だった、のか……?)
ゲルハルトは額を手のひらで覆った。
(エレーヌを取り巻く悪意はディミーだけではなかった……)
やってきた二人の人物が、先に来ているゲルハルトのもとまでくると恐縮して膝をついた。
「陛下! お待たせを!」
「いいのだ。俺が早く来たのだから」
それは定例の報告だった。
二人のうち、女の方が言う。
「エレーヌさまは、お健やかに、そして、穏やかに過ごしておられます」
それはシュタイン夫人だった。そして、男のほうは、その夫役だ。
「そうか」
ゲルハルトは目を細めて、満足げに笑った。そして、田園風景に目を戻す。その目線の先、こんもりと茂った内側にシュタイン城はあった。
誰の目も届かぬように、大切な大切な人を秘匿するための離宮。
エレーヌの真の庇護者はゲルハルトだった。
***
ゲルハルトはエレーヌの出奔を手をこまねいて見ていただけではなかった。
出奔を止めないとはいえ、とにかく、エレーヌを保護しなければならなかった。それも、できるだけ、本人に気づかれないように。
ゲルハルトの手の内にいるとわかるのは、出奔したつもりのエレーヌにはつらいだろう。
王都にほど近い男爵城をエレーヌの居城にすることにし、男爵には急ぎ、別の領地を与え、引っ越してもらった。
追い立てるような真似をしてしまったが、引っ越し先は豊かな領地だ。不足はないだろう。中の荷物はあとから送ったために、新たな領地でも不便はさせていないはずだ。令嬢の衣服は少々借りたが、それ以上の見返りはしている。
ゲルハルトは、エレーヌが帝国語がわからないと知ったときに、ブルガン出身の貴族を幾人か王宮に雇い入れていた。エレーヌの出奔時、彼らは、王宮に入るための教育を受けているところだった。
その中からシュタイン夫人を選び、夫役となる伯爵を選んだ。二人にのみ事情を伝え、身元確かな侍女に侍従を雇って、兵士らとともにシュタイン城に向かわせた。
エレーヌが出奔計画を決行している間に、ゲルハルトはそれをやった。エレーヌが計画を中断することを祈りながら。
(シュタイン城など無駄になれ)
そう願いながらも準備を進めていたが、エレーヌは出奔を遂行してしまった。そこから、ゲルハルトはブルガンに向かい、あとをアレクスに任せた。
アレクスの兵は宿場町でも、王都を出る街道でも、ずっと、エレーヌら一行を見張っていた。
そして、山賊を装った兵に馬車を襲わせて、エレーヌが逃げられるようにした。エレーヌにけもの道をたどらせて、シュタイン夫人の元へ導いた。
護衛騎士がエレーヌに剣を向けたことは不測の事態だったが、山賊役の襲撃を前倒しにして、無事、エレーヌをシュタイン城へ確保することができた。
ディミーの身柄は乗り合い馬車を降りたところで拘束した。
当初はディミーの不審点を問いただすための拘束だったが、どうやらそれだけでは済まされなくなった。王妃殺害を企てたとして、地下牢に入ることになった。
ディミーの後ろで糸を操る者がいるはずだが、ディミーは一向に口を割らなかった。
エレーヌを襲おうとした護衛騎士らは、金で雇われたならず者で、王妃だとは知らされずに殺害を指示されたことは吐いたが、ディミーの背後の人物の正体は知らなかった。知っていたかもしれなかったが吐く前に体が持たなかった。
ディミーと通じていた商人も、ならず者らと同じ末路をたどった。
ゲルハルトは、兵士らをブルガンとラクアをつなぐ街道周辺の捜索に向かわせた。
すると道中の崖下に馬車が落ちており、貴婦人の遺体と、語学教本や教養書がたくさん詰まっているトランクがあった。貴婦人を守っていたであろう護衛騎士の死体も、馬車の周辺に転がっていた。
遺体の貴婦人が、本物の通訳に違いなかった。通訳にすり替わりが起きていたのだ。
(ヴァロア公爵か……)
怪しまれずに兵士らをブルガンに向けることができたのは、当時、婚姻使節団を率いていたヴァロア公爵だけだった。使節団の一部を残して、通訳の一行を待ち構えていたのだ。
まさか、義姉の兄がこれほどの大それた裏切りを犯すとはにわかには信じられなかったが、婚姻使節団にゲルハルトの側近を配備していたことは幸いだった。側近がいなければ今ごろ、エレーヌもまた、崖下に落ちていただろう。
***
ゲルハルトはディミーが誤訳をしたことを確信した。それも悪意に満ちた誤訳を。
(最初から俺とエレーヌは引き裂かれていたのだ)
おそらくはひどい引き裂かれ方だったのだろう。
(それでも、俺はあなたを愛したかった。実際に愛した。そして、俺たちは愛し合ったはずだ)
エレーヌの目には、確かにゲルハルトへの情愛が灯っていた。
しかし、それが悪意によって引き裂かれた。
(あなたが苦しんでいることを知っていたのに、苦しみを取り除くことができなかった)
塔の中で育ったエレーヌ、おそらくは希望を抱いてラクアに嫁いできたのに。
(そのはかない希望を心無い言葉で打ち砕かれた)
重なる悪意に、ゲルハルトへの情愛は枯れ、憎み、そして、出て行くしかなかった。
ゲルハルトはエレーヌを、一切の苦しみから遠ざけてやりたかった。
その思いで、完全に自分の保護下において、エレーヌを見守ってきた。
衣裳部屋やチェストに鏡台の中身が変わったのは、男爵令嬢のものから、エレーヌのものに入れ替えたから。
本が好きだと知って、シュタイン城の図書室を整備し、ラクア語に帝国語の本に加えて、ブルガン語の本をたくさん用意した。そのなかには塔に残っていたものと同じ本をしのばせた。
刺繍の手鏡は、ブルガンの老婆がエレーヌの祖母の手によるものとして預けてくれたもので、シュタイン夫人からさりげなく渡してもらった。
見当違いの同情を男爵に抱いたのか、農夫が酔っぱらってシュタイン城の前で叫んだことがあったが、エレーヌは脅かされることもなく、シュタイン城で穏やかにも温かな生活を送ることができていた。
シュタイン夫人らからエレーヌの報告を受けるたびに、ゲルハルトの傷心も癒されていく。
エレーヌが妊娠しているとの報告を受けたときには、さすがにゲルハルトも動揺した。動揺し、決断するには時間がかかったが、エレーヌの気持ちを尊重することにした。産むか産まないかをエレーヌに任せることにした。
(すべて、エレーヌの幸せのために)
そして、エレーヌが産むことを決意したのを知ったとき、ゲルハルトはもっと動揺した。
(子を産むとは、やはりエレーヌには俺への情愛が残っているのではないか)
その情愛にすがることへの欲求は大きかった。しかし、それを押さえつけた。
(エレーヌの涙をもう見たくはない……)
「シュタイン城で穏やかに幸せそうに過ごしている」とのシュタイン夫妻の報告に、ゲルハルトはぐっとこらえた。
(エレーヌの幸せを壊したくない。エレーヌ、どうか、幸せに過ごしてくれ)
そして、また、動揺することが起きた。
エレーヌが「愛する」と「憎む」を間違えて覚えていたとの報告に。
(では、エレーヌを傷つけたのは俺の言葉だった、のか……?)
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