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第十四部
膨れっ面の牧野
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次の瞬間結界が破れ、
龍と白蛇に巻かれた悪霊は、
物凄い形相となり冥界へと連れて行かれた。
空に星空が現れ、
真言を唱え続ける向井に合わせるように、
水の結界が広範囲で作られた。
同時に神に間引きされた人々が消えていく。
その数が多いこともあり、
黒地の三分の一ほどが消えていった。
さすがに倉田達も声も出せずに、
その状況を見つめていた。
パニックが起こるかと思われたが、
その場にいたものは、
人が消去される瞬間を驚きはしたものの、
龍が吼える姿と星空が広がった風景の方に、
驚愕していた。
向井は龍と白蛇を体に戻すと、
静かに息を整え、
身体をまとう水流を消した。
牧野が息をのんで見つめていた。
『向井さん』
向井のリングが通信画像を浮かべた。
「そちらはどうです? 」
『今おさまりました。
小さな悪霊はすべて除去しましたけど、
大きく膨れ上がったものは、
祓えなかったので抑止だけしました。
これ以上は今夜は無理そうなので、
数日のうちに除去をしないと危険だと思います』
エハが言った。
「牧野君が戻ったら、すぐに除去させますから」
『わかりました』
「お疲れさまでした」
向井は通話を切って、むくれる牧野を見た。
「牧野君の仕事でしょ? 」
向井が笑うのを見て、
「………」
面白くなさそうな顔をした。
「凄かったね」
岸本が駆け寄ってきた。
隣でムスッとする牧野に、
「なに? 綺麗に片づけたのにご機嫌斜めだね」
倉田もやってくると言った。
「俺なんかいなくても向井で十分じゃん」
「なになに、またヤキモチか? 」
キャトルが笑った。
「牧野君はサボってばかりいるでしょ。
新田君や真紀子さんだって、
牧野君より除去の訓練受けてるんですよ」
向井が牧野を見た。
「うっ………」
痛いところをつかれて、口をすぼませた。
「今回も半分は牧野君の力があったから、
除去もスムーズにできたんです。
これに懲りたら、
訓練にも力を入れてください。
サボっててもこれだけの力が出せるんですから、
決められた訓練をこなしていれば、
ポテンシャルは誰よりも高いです」
「えっ? 」
向井の言葉に、
牧野が嬉しそうに目を輝かせた。
「俺は眷属の力をお借りしてますけど、
牧野君には潜在能力が無限にあります」
「ホント? えっ? ウソ、どうしよ~」
喜ぶ牧野に、
「でも、訓練は欠かさずにしてくださいよ。
冥王だって牧野君に期待して、
中央に置いてるんですから」
向井は苦笑いしながら見た。
「なんかお腹空いてきた~」
牧野の言葉にサンクがふき出した。
「牧野君がいると和むよね」
皆が笑い出し、
「そうだ、今日はお寿司が用意してあるよ」
キャトルが言い、
牧野はご機嫌で歩き出した。
「向井さんは牧野君の扱いが上手いって、
皆が言ってたんですけど、
今わかりました」
坂下が笑いながら向井を見た。
「牧野君は施設育ちと言えど、
じいちゃん先生のご家族に、
大事に育てられてるので、
のびのびとしていて無邪気でしょ。
可愛いもんです」
「さすがだな~」
岸本も尊敬するような眼差しで向井を眺めた。
「皆さんも毎日一緒にいれば、
牧野君の行動も読めるようになりますよ。
事実、坂下さんも牧野使いって、
言われてますからね」
向井が笑い、
「牧野は猛獣? いや、ペットか? 」
倉田もケラケラと笑った。
龍と白蛇に巻かれた悪霊は、
物凄い形相となり冥界へと連れて行かれた。
空に星空が現れ、
真言を唱え続ける向井に合わせるように、
水の結界が広範囲で作られた。
同時に神に間引きされた人々が消えていく。
その数が多いこともあり、
黒地の三分の一ほどが消えていった。
さすがに倉田達も声も出せずに、
その状況を見つめていた。
パニックが起こるかと思われたが、
その場にいたものは、
人が消去される瞬間を驚きはしたものの、
龍が吼える姿と星空が広がった風景の方に、
驚愕していた。
向井は龍と白蛇を体に戻すと、
静かに息を整え、
身体をまとう水流を消した。
牧野が息をのんで見つめていた。
『向井さん』
向井のリングが通信画像を浮かべた。
「そちらはどうです? 」
『今おさまりました。
小さな悪霊はすべて除去しましたけど、
大きく膨れ上がったものは、
祓えなかったので抑止だけしました。
これ以上は今夜は無理そうなので、
数日のうちに除去をしないと危険だと思います』
エハが言った。
「牧野君が戻ったら、すぐに除去させますから」
『わかりました』
「お疲れさまでした」
向井は通話を切って、むくれる牧野を見た。
「牧野君の仕事でしょ? 」
向井が笑うのを見て、
「………」
面白くなさそうな顔をした。
「凄かったね」
岸本が駆け寄ってきた。
隣でムスッとする牧野に、
「なに? 綺麗に片づけたのにご機嫌斜めだね」
倉田もやってくると言った。
「俺なんかいなくても向井で十分じゃん」
「なになに、またヤキモチか? 」
キャトルが笑った。
「牧野君はサボってばかりいるでしょ。
新田君や真紀子さんだって、
牧野君より除去の訓練受けてるんですよ」
向井が牧野を見た。
「うっ………」
痛いところをつかれて、口をすぼませた。
「今回も半分は牧野君の力があったから、
除去もスムーズにできたんです。
これに懲りたら、
訓練にも力を入れてください。
サボっててもこれだけの力が出せるんですから、
決められた訓練をこなしていれば、
ポテンシャルは誰よりも高いです」
「えっ? 」
向井の言葉に、
牧野が嬉しそうに目を輝かせた。
「俺は眷属の力をお借りしてますけど、
牧野君には潜在能力が無限にあります」
「ホント? えっ? ウソ、どうしよ~」
喜ぶ牧野に、
「でも、訓練は欠かさずにしてくださいよ。
冥王だって牧野君に期待して、
中央に置いてるんですから」
向井は苦笑いしながら見た。
「なんかお腹空いてきた~」
牧野の言葉にサンクがふき出した。
「牧野君がいると和むよね」
皆が笑い出し、
「そうだ、今日はお寿司が用意してあるよ」
キャトルが言い、
牧野はご機嫌で歩き出した。
「向井さんは牧野君の扱いが上手いって、
皆が言ってたんですけど、
今わかりました」
坂下が笑いながら向井を見た。
「牧野君は施設育ちと言えど、
じいちゃん先生のご家族に、
大事に育てられてるので、
のびのびとしていて無邪気でしょ。
可愛いもんです」
「さすがだな~」
岸本も尊敬するような眼差しで向井を眺めた。
「皆さんも毎日一緒にいれば、
牧野君の行動も読めるようになりますよ。
事実、坂下さんも牧野使いって、
言われてますからね」
向井が笑い、
「牧野は猛獣? いや、ペットか? 」
倉田もケラケラと笑った。
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