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第十一部
おやゆび姫
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見るとチームで分かれてカーリングをしている。
「どのチームが勝ってるの? 」
「それがディッセチームが優勝したんだよね」
ティンが笑いながらやってきた。
「バドミントンやバレーボールでは勝てなかったけど、
カーリングでは見事一位よ」
ディッセも偉そうに近づくと、
「お昼だから何か買ってくるかな~と、
期待してたんだけど」
と彼らの手元を見た。
「そういうと思ってみんなで食べようと、
ライスペーパー専門店で、
幾つか種類を買ってきましたよ」
向井は笑うと大量の袋を持ち上げた。
「やった~」
エルフも飛んでくると袋を受け取った。
「チビ達は寝ちゃったんだ」
アートンも向井の腕の中で寝ている三鬼に笑った。
こんと呉葉も新田と牧野に抱かれて、
気持ちよさそうに寝息を立てている。
「色々見て回ったからね」
トリアも言うとキッチンに向かった。
向井達がキッズルームに行くと、
大きなビーズクッションが置かれていた。
「これどうしたの? 」
新田が聞く。
「最近チビ達はそこに寝転がって、
お昼寝してるのよ」
真紀子がやってきてクッションを整えた。
「多目的ホールのクッションが欲しいって、
妖鬼におねだりして、
置いてもらったんだ」
オクトがゲームを片付けながら言った。
「三鬼は恐竜で、
こんはピンクで呉葉は紫のチューリップよ」
真紀子が寝かせようとする向井達に、
注意した。
「そうなの? 」
牧野が驚く。
「まあ、クッションみればそうでしょうね」
向井は笑うと寝かせた。
「こんと呉葉は、
冥王におやゆび姫の絵本を読んでもらってから、
お花はチューリップがいいみたいなの」
真紀子が笑った。
「おやゆび姫って何? 」
安達がランチの準備を手伝いながら聞いた。
「アンデルセン童話の一つです。
チューリップから生まれた小さなお姫様が、
ある日誘拐されてしまうんです」
「えっ? 」
向井の話に安達と牧野が驚きの声を上げた。
「牧野君も知らなかったの? 」
弥生がお皿に並べながら言った。
「知らねえよ。童話なんて読まねえもん」
「おやゆび姫は死んじゃうの? 」
安達がキッズルームにやってきた。
「死にませんよ。
最後はちゃんと幸せになります。
でもそれまでには、
たくさんの試練を乗り越えるんです」
「そうなんだ」
安達のホッとした顔に、
「おやゆび姫はあきらめずに前に進んだから、
それを見ていたツバメに助けられるんです。
でも、そうですね。
おやゆび姫も途中であきらめてしまったら、
死んでいたかもしれませんね」
向井が安達を見た。
「簡単にあきらめちゃいけないんだね」
「そうだよ。
あきらめなければ次に進めるんだからさ」
新田も安達の頭をくしゃくしゃにすると、
「牧野君もね。
もう悪霊退治やだ~なんて、
すぐに駄々こねるだろ? 」
と牧野を見た。
「駄々なんかこねてねぇよ。
無理なものは無理って言ってるだけ」
「ほら、やる前に諦めてるじゃん」
新田が笑った。
「どのチームが勝ってるの? 」
「それがディッセチームが優勝したんだよね」
ティンが笑いながらやってきた。
「バドミントンやバレーボールでは勝てなかったけど、
カーリングでは見事一位よ」
ディッセも偉そうに近づくと、
「お昼だから何か買ってくるかな~と、
期待してたんだけど」
と彼らの手元を見た。
「そういうと思ってみんなで食べようと、
ライスペーパー専門店で、
幾つか種類を買ってきましたよ」
向井は笑うと大量の袋を持ち上げた。
「やった~」
エルフも飛んでくると袋を受け取った。
「チビ達は寝ちゃったんだ」
アートンも向井の腕の中で寝ている三鬼に笑った。
こんと呉葉も新田と牧野に抱かれて、
気持ちよさそうに寝息を立てている。
「色々見て回ったからね」
トリアも言うとキッチンに向かった。
向井達がキッズルームに行くと、
大きなビーズクッションが置かれていた。
「これどうしたの? 」
新田が聞く。
「最近チビ達はそこに寝転がって、
お昼寝してるのよ」
真紀子がやってきてクッションを整えた。
「多目的ホールのクッションが欲しいって、
妖鬼におねだりして、
置いてもらったんだ」
オクトがゲームを片付けながら言った。
「三鬼は恐竜で、
こんはピンクで呉葉は紫のチューリップよ」
真紀子が寝かせようとする向井達に、
注意した。
「そうなの? 」
牧野が驚く。
「まあ、クッションみればそうでしょうね」
向井は笑うと寝かせた。
「こんと呉葉は、
冥王におやゆび姫の絵本を読んでもらってから、
お花はチューリップがいいみたいなの」
真紀子が笑った。
「おやゆび姫って何? 」
安達がランチの準備を手伝いながら聞いた。
「アンデルセン童話の一つです。
チューリップから生まれた小さなお姫様が、
ある日誘拐されてしまうんです」
「えっ? 」
向井の話に安達と牧野が驚きの声を上げた。
「牧野君も知らなかったの? 」
弥生がお皿に並べながら言った。
「知らねえよ。童話なんて読まねえもん」
「おやゆび姫は死んじゃうの? 」
安達がキッズルームにやってきた。
「死にませんよ。
最後はちゃんと幸せになります。
でもそれまでには、
たくさんの試練を乗り越えるんです」
「そうなんだ」
安達のホッとした顔に、
「おやゆび姫はあきらめずに前に進んだから、
それを見ていたツバメに助けられるんです。
でも、そうですね。
おやゆび姫も途中であきらめてしまったら、
死んでいたかもしれませんね」
向井が安達を見た。
「簡単にあきらめちゃいけないんだね」
「そうだよ。
あきらめなければ次に進めるんだからさ」
新田も安達の頭をくしゃくしゃにすると、
「牧野君もね。
もう悪霊退治やだ~なんて、
すぐに駄々こねるだろ? 」
と牧野を見た。
「駄々なんかこねてねぇよ。
無理なものは無理って言ってるだけ」
「ほら、やる前に諦めてるじゃん」
新田が笑った。
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