375 / 631
第十部
神様の成人式?
しおりを挟む
「失礼ですね。カッコいいんですよ。
この良さが分からないとは」
冥王がぷんぷんと怒る。
「抑々松鬼は大工だったのに、
手先が器用だからって、
冥王が仕立て屋にしたんだからね。
洋服を作る者がいない。
私は既製服は体に合わないから嫌だ。
まあ、わがまま放題で、
俺の弟子を半ば強引にテーラーにさせたんだから、
ちゃんと面倒見てくれないと困るんですよ」
妖鬼は冥王を睨んだ。
「まあ、酷い」
真紀子に言われ、
皆から最低というような目で見られ、
「うっ…わ、分かってますよ」
冥王はそういうとケーキを食べた。
向井はいたたまれない顔の冥王に笑うと、
「あの二人はどんな服装で出かけられるんでしょうね」
と言った。
「それなら僕見たよ。
毘沙門天のはスリーピースで、
赤姫のは淡い藤色の訪問着だよ。
手刺繍の凄い豪華な正絹」
「素敵………」
弥生が想像しながら呟いた。
「そんな時間がよくありましたね」
向井が驚いていると、
「違うの。
以前、派遣霊の時にお仕立てしたものなの。
それを少しサイズ直ししたんだ。
ほら、冥王は既製服着ないからさ」
そういってゼスが冥王を指さし、
「豪華なものだし、
保管庫にしまってあったのを二人に見せたら、
喜んでさ。
だから松鬼が直してたんだよ」
ケーキのフォークを口にくわえたまま見た。
「これで冥王のわがままが証明されたね」
ティンが笑った。
「もう、いじめないでくださいよ」
冥王の声にみんなが笑っていると、
毘沙門天達が着替えて見せに来た。
「わあ~」
入り口でポーズをとる二人に、
部屋にいた者たちが感嘆の声を上げた。
「オーラのせいですかね。迫力ありますね」
向井が驚く。
「そのまま舞台挨拶出来そうですよ」
新田も笑顔で二人を見た。
「わあ~カッコいい」
「素敵~」
プール遊びから安達とチビ達が戻ってきた。
入り口に立つ二人に憧憬の眼差しで、
顔を輝かせた。
「ホホホホ正直者よの~」
赤姫が笑う。
「ほんに可愛い。食べてしまいたいの~」
その言葉に四人が固まり動けなくなった。
「赤姫は意地が悪い。
子供をからかうものではありませんよ」
毘沙門天が言い、
「このおばあちゃんは意地悪ですね」
とチビ達を見た。
「お、おばあ………」
赤姫が絶句している姿に向井は笑うと、
「向こうにおやつがあるから食べましょう」
チビと安達を連れて行った。
「なに? その格好。何度目の成人式? 」
後からやってきた牧野がちらりと見ると、
部屋に入ってきた。
呆気にとられる二人に大人達は大笑いした。
次の日――――――――
向井はエナトと新田、アートンで、
団地の祠跡を見て回っていた。
この良さが分からないとは」
冥王がぷんぷんと怒る。
「抑々松鬼は大工だったのに、
手先が器用だからって、
冥王が仕立て屋にしたんだからね。
洋服を作る者がいない。
私は既製服は体に合わないから嫌だ。
まあ、わがまま放題で、
俺の弟子を半ば強引にテーラーにさせたんだから、
ちゃんと面倒見てくれないと困るんですよ」
妖鬼は冥王を睨んだ。
「まあ、酷い」
真紀子に言われ、
皆から最低というような目で見られ、
「うっ…わ、分かってますよ」
冥王はそういうとケーキを食べた。
向井はいたたまれない顔の冥王に笑うと、
「あの二人はどんな服装で出かけられるんでしょうね」
と言った。
「それなら僕見たよ。
毘沙門天のはスリーピースで、
赤姫のは淡い藤色の訪問着だよ。
手刺繍の凄い豪華な正絹」
「素敵………」
弥生が想像しながら呟いた。
「そんな時間がよくありましたね」
向井が驚いていると、
「違うの。
以前、派遣霊の時にお仕立てしたものなの。
それを少しサイズ直ししたんだ。
ほら、冥王は既製服着ないからさ」
そういってゼスが冥王を指さし、
「豪華なものだし、
保管庫にしまってあったのを二人に見せたら、
喜んでさ。
だから松鬼が直してたんだよ」
ケーキのフォークを口にくわえたまま見た。
「これで冥王のわがままが証明されたね」
ティンが笑った。
「もう、いじめないでくださいよ」
冥王の声にみんなが笑っていると、
毘沙門天達が着替えて見せに来た。
「わあ~」
入り口でポーズをとる二人に、
部屋にいた者たちが感嘆の声を上げた。
「オーラのせいですかね。迫力ありますね」
向井が驚く。
「そのまま舞台挨拶出来そうですよ」
新田も笑顔で二人を見た。
「わあ~カッコいい」
「素敵~」
プール遊びから安達とチビ達が戻ってきた。
入り口に立つ二人に憧憬の眼差しで、
顔を輝かせた。
「ホホホホ正直者よの~」
赤姫が笑う。
「ほんに可愛い。食べてしまいたいの~」
その言葉に四人が固まり動けなくなった。
「赤姫は意地が悪い。
子供をからかうものではありませんよ」
毘沙門天が言い、
「このおばあちゃんは意地悪ですね」
とチビ達を見た。
「お、おばあ………」
赤姫が絶句している姿に向井は笑うと、
「向こうにおやつがあるから食べましょう」
チビと安達を連れて行った。
「なに? その格好。何度目の成人式? 」
後からやってきた牧野がちらりと見ると、
部屋に入ってきた。
呆気にとられる二人に大人達は大笑いした。
次の日――――――――
向井はエナトと新田、アートンで、
団地の祠跡を見て回っていた。
1
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
独り日和 ―春夏秋冬―
八雲翔
ライト文芸
主人公は櫻野冬という老女。
彼を取り巻く人と犬と猫の日常を書いたストーリーです。
仕事を探す四十代女性。
子供を一人で育てている未亡人。
元ヤクザ。
冬とひょんなことでの出会いから、
繋がる物語です。
春夏秋冬。
数ヶ月の出会いが一生の家族になる。
そんな冬と彼女を取り巻く人たちを見守ってください。
*この物語はフィクションです。
実在の人物や団体、地名などとは一切関係ありません。
八雲翔
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる