上 下
338 / 631
第九部

坂下もイベントへ

しおりを挟む
「黒谷君の友達? 」

ディッセが聞くと、

「どうも。

俺は黒谷君のプロデュースを担当している、

ディッセと言います」

にっこり笑って、

戸惑う坂下の手を取り握手をした。

「は、はじめまして。あの、黒谷君て、

お弁当の他にも何かやってるの? 」

「これこれ。

自分のお弁当のキャラクターグッズを、

作って販売してるの。

それをこの人にお願いしてるんだ」

「やり手だな~」

坂下は驚いて笑顔になると、

販売しているグッズを見た。

「可愛いね~

コミックフェスなんかでも、

人気でそうだよ」

坂下はアクリルスタンドを手に取ると、

黒谷を見た。

「コミックフェス………そうか」

ディッセは顎に手を置き考え込むと、

「ゾンビ少年とのコラボでも、

完売したし………

そうだよ。次はそれだ!! 」

ディッセが黒谷を見た。

「ゾンビ少年とコラボって………

黒谷君はそんなこともしてるんだ」

坂下の方が驚いて二人の顔を見た。

「このアクリルスタンド一つ買うね。

お店に飾ろう。

それとお弁当も欲しいんだけど、

もうこれしかないの? 」

坂下がビックリしてテーブルを見た。

「黒谷君のお弁当はバズって、

取材が来たこともあるんだよ」

ディッセの言葉に坂下は驚くと、

「僕、凄い人と友達になったんだ」

と楽しそうに笑った。

「この前お弁当のコラボをしたんでしょ。

コミフェスでも飲食販売OKの所もあるから、

一緒に参加したら? 」

「えっ? 大きなイベントでしょ。

僕一人だからちょっと難しいな」

ディッセの提案に首を振った。

「だったらまたコラボで、

参加してみない? 

やってみると新しいアイデアが浮かんだりもするよ」

「そうか………そうだね。マルシェも楽しかったし、

やってみようかな」

黒谷の言葉に坂下も笑顔になった。

そのあとも少し話してから、

『イベントが決まったら連絡するね』と、

他のブースを見てから帰るという坂下に手を振った。




ブースに戻ると、

「これティンのね~」

と牧野が袋を渡した。

「向井さん、ありがとう~」

牧野達が付けているのを見て、

ティンもさっそく手首に付けた。

三人で手首を合わせてニコニコしている姿に、

トリアがあきれ顔で笑った。

チビ達も袋を抱えて、

何やら話している。

テーブルを見ると、

お弁当はすでに完売の札が出ていた。

「今ね。坂下君も来てたんだよ」

黒谷が言った。

「そうだったんですね」

「それでこのキャラグッズの売り上げもいいし、

次はコミックフェスに参加しようと、

話したんだよな」

ディッセがキーホルダーを振りながら言った。

「冥王たちが作ったものはどうですか? 」

向井が聞くと、

「売上いいよ~」

早紀が笑い、

「やっぱり神様が作ったから、

オーラが違うのかな~

皆手に取って穏やかな表情で購入してくれるの」

アンも不思議そうな表情で笑みを浮かべた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

独り日和 ―春夏秋冬―

八雲翔
ライト文芸
主人公は櫻野冬という老女。 彼を取り巻く人と犬と猫の日常を書いたストーリーです。 仕事を探す四十代女性。 子供を一人で育てている未亡人。 元ヤクザ。 冬とひょんなことでの出会いから、 繋がる物語です。 春夏秋冬。 数ヶ月の出会いが一生の家族になる。 そんな冬と彼女を取り巻く人たちを見守ってください。 *この物語はフィクションです。 実在の人物や団体、地名などとは一切関係ありません。 八雲翔

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...