『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第八部

優勝は………

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「ゴースト人間でも? 」

「ゴースト人間でもです」

「ふぅ~ん」

安達は少し考え込むような顔をして頷いた。

その時、

「安達~俺達の出番は最初の方だから、

もう一回練習するぞ」

牧野が声をかけ、安達が駆けだしていった。

「安達君にも自分が少し、

みんなと違うという事に、

気づき始めているんでしょう。

普通になりたいと思ってるんですよ」

冥王が安達の姿を見ながら言った。

「冥王の方が気にしすぎですよ。

安達君は強い子ですよ。

あの魂を抱えながら、親に疎まれても、

強く生きていたでしょう? 

安達君を信じてあげなくては、

それこそ可哀想です」

向井は冥王を励ますように見ると笑った。

そんな向井を優しい目で見ていた毘沙門天が、

「そういえば安達君が言ってた、

ゴースト人間てなに? 」

と聞いた。

「俺達は半分幽霊で半分人間なんで、

安達君がゴースト人間だっていうんです。

それ以来、俺達の間ではゴースト人間って、

言うようになって」

向井が笑いながら説明した。

「なるほど。面白いこと言いますね」

三人はそんな話をしながら、

牧野と安達の楽しそうな姿を遠くから眺めていた。


冥王も屋台に立ちながら、

発表会の審査員長も務め、

見に来ていた客も屋台を楽しみながら、

発表会に笑い声が上がっていた。

タブレットを見ると、

黒谷も笑いながら発表会を楽しんでいる。

演目は抽選なので、

大トリだった向井達は、

観客たちの大声援を受けて、

大盛り上がりのまま発表会は幕を閉じた。

向井と新田が道着姿で戻ってくると、

安達とチビ達が走ってきた。

「カッコイイ!! 」

「すこい!! 」

二人の目の前でチビ達が侍の真似をして、

興奮気味に演じてくれる姿を、

笑って見ていた。

「ほんと、映画見てるみたいだった」

安達も熱狂した様子で、

身体を動かしていた。

「練習した甲斐があったね」

新田が向井を見て笑った。

「俺だっていい死に方だったろ? ねえ源じい」

ディッセと源じいがやってくると、

「源じいが一番おいしい役だったよな。

最後に刀でディッセを斬って終わりだもん」

その後ろで牧野が言った。

「私は年寄りだから動けんからね。はっはっは」

源じいが愉快そうに笑うと、

皆も笑顔になった。

「おっ、そろそろ発表だ」

牧野が言うと安達と一緒に、

舞台の方に走って行った。

「君達も可愛かったですよ。

振りもちゃんとできてて」

「ほんと。俺も驚いちゃった」

向井と新田がチビ達に声をかけると、

三人は嬉しそうに笑った。



結果優勝は向井達が取り、

赤姫たちのフラは二位、

真紀子さんと式神コンビが三位になった。

特別賞にカードマジックを披露した佐久間が取り、

黒谷賞を牧野達が、

冥王賞は倉田の剣術がもらった。

今回も大盛り上がりだったので、

次回も開催することとなり、

次は出ると張り切る死神達も出てきた。
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