『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第七部

吉沢の死

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「どうしようかな~」

みんなが何を選ぶのか興味を持って見ていたので、

これは何かの賭けの対象になってるなと、

向井は笑うと、

「マカデミアナッツにしよう」

と選んだ。

「ええ~!? 」

「なに? 」

みんなの驚く顔を見ながら、

そ知らぬふりでパンケーキの入った箱を手に取った。

「俺はスフレ風のチーズフォンデュだと思ったんでしょう? 」

その言葉に、その場にいたものが同時に向井を見た。

「君たちの様子から、何か賭けをしてるな~と思ったから、

普段選ばないものにしました」

向井は笑いながら言うと、

「いただきます」

と言いながらフォークをさした。

「なんだよ~」

牧野が面白くなさそうに大の字に転がり、

安達は驚いた顔で向井を見、

ディッセ達は大笑いした。

「向井君には敵いませんね」

冥王もそんな彼らの姿に笑った。



翌日――――――――

団地で死亡した吉沢と三人の災害対策室の人間が、

ニュースで話題になった。

詳しいことは伏せられ、

死亡のニュースだけが流れていた。

団地では死んだ瞬間を見た者もおり、

「あれは祟りなんじゃないか? 」

と話す住民も出ていた。

「なんでそう思うんですか? 」

取材に来ていた男性記者が聞くと、

「いやさ…ほら、リゾート予定地の近くにあった祠。

あれ全部吉沢さん達が来て壊したって言うでしょ。

神様だよ。そんな簡単に壊していいものじゃないでしょ。

昔から祟りの話ってあるだろう」

住民の一人が言った。

「それに、この前虹がさ。

空のあちこちに、

光線みたいに降ってきたことがあったでしょ」

「あぁ、そんな話聞いたな」

記者の言葉に住民は驚いた様子で笑った。

「あんた見てないの? あんなにスゴイ出来事なのに」

「………仕事で室内にいたからな」

「窓もない部屋にでもいたのか? 」

彼は呆れ笑った。

「どこもかしこもオーロラみたいで、

そりゃあ綺麗だったんだ。

ただ、撮影したやつに聞いたら、

映ってないって言うんだよ。

そのあと、一時間………いや二時間後か? 

吉沢がここにきて、死んだのさ。

だから、ますます神の祟りって思うじゃないか」

「どんなふうに亡くなられたんですか? 」

「いつものように車がそこに止まって、

ここに入ってきたんだよ」

住民が団地の入り口を指さして言った。

「ここにはよく来られてたんですか? 」

「来てたよ。あちこち見て回ってたね。

何しに来てたんだか知らんけどさ。

で、その日もやってきたと思ったら、

いきなり叫びだしてさ。

呻いて、来るな~助けてくれ~って叫んだら、

胸を押さえてそれっきり? 

お付きの人間も吉沢さんを助けに近づいて、

同じように胸を押さえて死んじまった」

記者は、

これは波紋を呼ぶ話題なんじゃないか?

と舌なめずりした。
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